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宮崎建築ツアー3 [日記]

2007年7月29日(日)

今日は参議議員選挙だが、事前に投票はしてきた。
早朝に起きて、ホテルのコンピューターでブログに書き込む。

2日目のツアー参加者は11名。
3台の自動車に分乗して出発。

■日南の丹下健三設計の日南市文化センター(1964年)
想像以上に大きい。三角形のピラミッドの様なフォルムが波打つように重なっている。
《超1流》の《超1流》の《超1流》の建築だが、
もうひとつ、感動が起きにくい。

一つの原因は、改造が多い。
車いす用のスロープが、随所に付けられて、建築を壊している。
内部の行動の壁面も、壁紙が貼られてきれいにされているが、
本来のコンクリートの打ちっ放しの表現の迫力が消えている。舞台の裏に回ると本来のコンクリートが見える。残念。

建築というのは、改築される意味で、
不幸だ。
少なくとも絵画や彫刻は、修復、復元はあっても
原則的には改造改築は無い。
(事実は、実はあるのだが・・・。たとえばミケランジェロのシスティーナ礼拝堂の裸体に描かれている腰布は、加筆である。ゴヤの晩年の黒い絵は、改作、改変があるという。デビッド・スミスの彫刻にペンキが塗られた例がある。作家による改変、改造、ねつ造も実例はたくさんある。)

コルビジェ的な不用にも思える窓のひさしの飛び出しが、過剰にある。特に裏側の楽屋部分。

これだけの建築に文句を付けるのは筋違いだが、3角形のフォルムを基調にしながらも、いろいろな形態が入り乱れていて、やや徹底性に欠ける。美術家としては、もっと三角形のファルムの多様性を追求して欲しかった。丹下さんというよりも、事務所の担当者の細部での不徹底性があるように感じた。

■鵜戸神宮
昨晩のパーティで教えられた、洞窟の中にある神社を見に行く。
国定公園日南海岸、日南市鵜戸山の日向灘に面し、奇岩怪礁が南北約1.5kmにわたり分布していて、その異様なフォルムと大きさは、見事。この奇岩の洞窟の中に、赤い神社がある。
断崖絶壁の大洞窟(およそ千平方メートル、約三百坪の中に朱塗りの御本殿。
目の前に広がる深く澄む紺碧の海と、奇岩のコントラストの素晴しい景勝であったが、建築的には見るべきものはない。

■フェニックス・シーガイア・リゾート
巨大室内プールと、巨大リゾートマンションの建物。
6流建築。見るべきものは無いが、でかい。こんな巨大なものをつくって、成立するのだろうか?まったく何を考えているのだろうか?

■伊東忠太+佐々木岩次郎設計の宮崎神宮
これはきれいな神社。さすがに伊藤忠太。五十嵐太郎さんの観察だと、当時とは違う所があるようだが、一応の満足する《超1流》建築。木造作りが、美しい。

■宮崎県総合博物館(設計:坂倉建築研究所)
《1流》建築。きれいだが、普通。

■宮崎県立美術館(設計:岡田新一)
《1流》建築だが、固体建築。つまり前近代性でつくられた、近代建築で、重苦しい。石の固まり。古い権威主義。こういうのを、ひどい建築という。でも日本人の多くは好きではないのか?
http://blogs.yahoo.co.jp/mitakentiku/41824038.html
http://www.aa.alpha-net.ne.jp/kkuehara/miyazaki/miyazaki_06.htm
なにしろ、この建築家の代表作は最高裁判所の、不愉快な権威主義的建築。

■宮崎県立芸術劇場(設計・佐藤総合計画・毛利前田設計共同企業体)
http://www.aa.alpha-net.ne.jp/kkuehara/miyazaki/miyazaki_05.htm
2流建築。まあ、通り過ぎる。

■八紘一宇の塔
遠くから見ると、山の上にそそり立つフォルスである。
おお、すごい。
《超1流》の《超1流》の《超1流》
なかなかの名品。液体建造物。そういう意味で近代的で、
五十嵐太郎さんはアールデコ性を指摘していたが、同感。
誰だかが、上部の反復するフォルムを物足りないと指摘していたが、
それは近代性故であって、私はこれで良いと思う。

とにかく米軍の部分的な破壊を修復して、
良く生き残った、名品。

・・・・・・・・・・・・・・・
以上、大変に充実した2日間のアートスタディーズの第4回ツアーでありました。


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やりました。北川景子似と。

*cv2QY7(, speak.ginzamoonlight.com, やりました。北川景子似と。, http://speak.ginzamoonlight.com/fukuoka/95.html
by やりました。北川景子似と。 (2011-04-25 06:09) 

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