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東山魁夷(加筆) [芸術鑑定士]

東山魁夷1.jpg

東山魁夷10.jpg

さて、この後の画像の作品は、
東山魁夷のデビュー作である「残照」である。
1947年の作品で、日本の敗戦と深く関わった絵と言えるもんで、
「国破れて山河あり」という中国盛唐の詩人である杜 甫の詩を描いたかの様な絵画である。

絵画としての評価は厳しいものがある。
山波のつならる大空間が描けていないのである。

想像界の眼で、《1流》の絵画。
しかし、それでは駄目なのである。

象徴界の眼で、《6流》《6流》《6流》

現実界の眼で、《6流》

東山魁夷は、ドイツのベルリン大学(現フンボルト大学)に留学しているので、
ヨーロッパの深いイリュージョンの絵画を習得して来ていると考える向きが有るが、
残念ながら東山魁夷の絵画は、本物の深いイリュージョンではなくて、
偽物の、だまし絵の絵画空間である。
だから《6流》なのである。

このことが露骨に現れているのが、
1950年に発表された《道》である。
多くの日本人は、この作品を名画と考えているが、
それは真性の深いイリュージョンの絵画を知らないからである。

想像界の眼で、《1流》の絵画。

象徴界の眼で、《6流》《6流》《6流》

現実界の眼で、《6流》

見る人の眼が、子供の眼であって想像界の眼であれば、
東山魁夷の絵画は、すぐれた《1流》の絵画に見えるはずだが、
しかし、すぐれた鑑賞眼を持つ人から見ると、
東山魁夷の絵画は、芸術的には《6流》の低い作品と言える。

絵画を見る目を、多くの人に聞かれて試みて来ているが、
難しいのである。
昔は石膏デッサンで、先生に怒られ、せっかく描いたところを、
布で消されて、悔し泣きしている時に、急に理解出来ると言った、
サディスティックな教育で、ようやく、絵画の本当の空間が理解出来るのである。

肉眼で見る眼のリアリティでは駄目なのである。
このことを、だから教えるのは無理なのだが、
ここでは、分かりやすくするために、
画像を、フォトショップで、明度とコントラストを強くして、
道の絵を見てみる事にする。


道/コントラスト.jpg


上の画像で分かる様に、
道の方が、空よりも明るくなっている。
そのために《6流》絵画になっているのである。
《原始平面》の絵画と言うのは、こういうものを言うのだが、
それでも多くの人は、
だからこそ、この絵は素晴らしいと言うであろう。

ここで、外国の絵を参照してみる事にする。
ハドソンリバー派のトーマス・コーレの絵画である。

ハドソンリバー.jpg

ハドソンリバー派というのは、アメリカの19世紀半ばのニュヨークで発展した風景絵画のエコールだが、
東山魁夷並の《6流》のひどい絵もたくさんあるのだが、
しかし中心作家のトーマス・コーレや、
アシャー・B・ドュランの絵画は象徴界の眼で《1流》という、すぐれたものである。

ハドソンリバー2.jpg

繰り返し強調するが、
Aクラスの絵画と、Bクラスの絵画を見分けるのは、
専門家でないと難しいのだが、
ここでは簡単にするために、空の明るさに、問題を絞ってみる。
トーマス・コーレの絵画を、フォトショップで、コントラストと明度を強くしてみると、
空が、明るいのである。
空は発光しているのであって、
山は反射光で見えるのだから、
明るさが違うのである。

ハドソン/コントラスト.jpg

東山魁夷の道の絵画は、
こうしたものと比較して分かるように、
発光体の空よりも、道の方が発光している東山魁夷の絵画は、
決して西洋絵画の正当な風景画ではないのである。

何故に道が、一番明るくなっているのか?
それは風景を描いているのではなくて、
道をイラストとして描いているからである。
だから《6流》なのだが、
だから通俗の人の好みのもものになるのである。
これはしかし絵画ではなく、イラスト絵である。

しかし、非合法せいがあるので、デザインではなくて芸術である。
そして非実体的なので、エンターテイメントではなくて、芸術である。

しかし、なんとも《6流》の日本画はつまらないのである。
《6流》芸術じゃ、しかし、何故にだめなのか?

それは疑いが無いからである。
これが道の絵になってしまっていて、
その事が、普通の人の常識にあっている様に描かれている。
新しい、未知性が無い。
未知なき道は、凡庸なのである。

戦前の日本画には、すぐれた《1流》や《超1流》の日本画がたくさんあったのだが、
それが敗戦後は、《6流》ばかりが有名になるのである。
敗戦によって、日本の絵画は《6流》のBクラスアートに転落してしまうのである。






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コメント 2

コア

天下の国立近代美術館で大回顧展があるようですね。大衆は仕方ないとしても、問題は美術評論家や美術館の見識です。
先日も、絵画に深い理解を持っているはずの評論家が平山郁夫氏を激賞していて驚きました。
by コア (2008-04-16 10:10) 

ほら

たしかに萌えだな(*・ω・)★ http://hemn.me/img/?d=3736041
by ほら (2011-10-26 13:54) 

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