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鈴木奈緒さんの作品(2)訂正加筆 [写真論]

鈴木奈緒12.jpg


鈴木奈緒さんの作品について、
続けて考える。

先日の彼女の個展は大きなもので、
集約的に観ることが出来た。
私は白濱雅也さんと一緒に見た。

私のアートの格付けでは、
彼女の作品は、《超1流》性と《1流》性を同時に持っていて、
評価出来るものである。
しかも想像界、象徴界、現実界の3界同時表示
固体/液体/気体の3様態同時表示を持っている。

しかし、それを超えて評価出来るかと言うと、
いろいろな問題が見える。

白濱雅也さんは写真家でもあって、
写真の才能がある人で、
実際に写真展もよく見ているし、
毎回の木村伊兵衛写真賞もチェックしている。
その白濱雅也さんといろいろ話しながら見た。

実は、ちょっと前に、アートバイゼロックス主宰のオークションがあって、
鈴木奈緒さんの作品も出ていて、
私は買おうとしたのだが、
実際には買えなかった。

彼女だけでなくて、
秋元珠江さんや、斎藤ちさとさんも出ていて、
かれらのものも、買おうとして、買えなかった。

買うと言うのは、難しくて、
売ろうとする作家の問題もあるが、
買う側の問題もある。
作品の質の問題もあるし、
価格の問題もある。
なによりも空気というか、流れも大きい。
だから、買えないからといって、
一概に一つの理由にはならない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

結論を言って行くと、
私は彼女の作品の《超1流》《1流》性は、
高く評価する。

《超1流》《1流》の作品と言うのは、
国宝級の名品だけでなくて、
彼女の作品に見られる様な、若い、無名の作家の中にも
発見出来るのである。
国宝は買えないが、
しかし、彼女の安い作品は買えるのである。
そうした面白みは重要なのである。

しかし、にもかかわらず、
彼女の作品にはいろいろな問題点もある。
一つは、写真の主題性や絵図らが、決定的なオリジナリティが無いのである。
その理由は、いろいろあるだろうが、
一応2つ考えられる。
一つは彼女が玉川大学文学部芸術学科美術油絵専攻を卒業していることであろう。

油絵科を卒業していて、
それから写真になっているというところに、
写真としての写真ではなくて、
絵画の代用品としての写真の問題を持っている。
インタビューを読むと、
しかも彼女は抽象画を描いていた人なのである。
つまり抽象画の代用品としての写真なのだ。

そういう意味で、
彼女の写真に、会田誠さんに見られるネタ主義の面が欠けているのである。

さて、彼女の使っているカメラに関して、
私が勘違いをして、最初書いてしまったので訂正する。
インタビューを読んで書いたのだが、誤読であった。
ご本人のご指摘で、
彼女の使っているカメラは

■鈴木奈緒さんのメール
初期の作品はミノルタの1眼レフで、ここ3年来はコンタックスを使っています。コンタックスは使い慣れたせいもあってかとても馴染んだ感覚で撮れます。
ゼロックスの助けもあり、今までインクジェットなどのデジタル出力で発表してきたので、デジタルデータに変えて出力してきましたが、基本的にずっと35ミリのフィルムを愛用してきました。

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