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下村観山 [芸術鑑定士]

下村観山1.jpg
下村観山:木の間の秋 (1907)

下村観山2.jpg
下村観山:弱法師(よろぼし) 6曲1双 絹本金地着色 大正時代 重文

東山魁夷の《6流》芸術というものが、
《想像界》のイラストレーション絵画として、
一つの戦後の基準をと言えるとして、

もう一つ、困った基準を作っているのが、
下村観山の絵画である。
これも《6流》のペンキ絵なのだが、
この絵画は、見える所しか、描けていない。

上の画像の「木の間の秋」の
画面左の太い木の幹を見て欲しいが、
この幹の後ろ側が描けていない。

描けていないのは、この幹の後ろだけでなくて、
中央部の明るくなった空間も描けていないのである。

こういう指摘は、
私の独創ではなくて、
絵画を描くときの基本なのだが、
これを教えるのは、難しいのである。
いじめながら、学生を泣かせないと、なかなか理解出来ない。

こういう古典的な絵画の基本は、
もはや意味は無いと言うのが、現代美術の多くの人の意見だが、
それは間違っていると言うのが、私の意見である。
間違っていると言う人と、基本的な事をきちんと話そうとすると、
みんな逃げるのである。
言おうとしているのは、
結果として、日本の美術教育は失われ、
今日美術大学では、まともな教育は行われていないのである。

さて、そうしたペンキ絵のお手本として、
この下村観山の絵は、今日でも、根強いファンがいるのである。

その理由として、一つはこの絵画が、
近代絵画ではなくて、前ー近代絵画であることがある。


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