女性セブンの表紙と村上隆 [デザイン論]
『女性セブン』の表紙である。
『女性セブン』というのは、小学館の発行する女性週刊誌。
1963年の創刊である。
さて、表紙ですが、すごいデザインですね。
《想像界》の眼で、《13流》
《象徴界》の眼で、《13流》
《現実界》の眼で、《13流》
《13流》というのは、漫画とか、喜劇の領域。
美術作品で言えば、毎度おなじみの村上隆の作品が《13流》である。
村上隆の作品と。『女性セブン』が同じ《13流》というのも、何となく納得の世界であります。
こう並べてみると、女性セブンの方が、《現実界》で合法的実体的な表現なので、
強いですね。
村上隆の作品は、《現実界》では非実体的で、非合法で、《退化性》があって、
《現実界》だけでは真性の芸術なので、女性セブンに比して、弱いのです。
女性週刊誌、3雑誌の表紙を見てきましたが、
3雑誌の表紙の格付けが違うのが、面白いですね。
これが《21流》。
『女性自身』は、光文社による女性週刊誌で、1958年創刊です。表紙は《6流》。
3誌並べてみると、その差別化の面白さは、アートの差別化と重なって見えます。
村上隆さんの《13流》の選択というのも、こうした女性週刊誌の差別化のような機能をはたして、目立ったのだと思います。
《6流》《13流》《21流》と、3つ並べると、《21流》の週刊女性の表出力が高い事が、
分かります。
現代美術でこの《21流》に当たるのは、中国現代美術です。
例えば、ZHANG XIAOGANG 張暁剛 (ジャン・シャオガン)の 「血縁系列」
張暁剛 (ジャン・シャオガン)の 「血縁系列」
《想像界》の眼で、《21流》。
《象徴界》の眼で、《21流》。
《現実界》の眼で、《21流》。
3界どこで見ても、実体的で合法的で、これは純粋のデザイン的エンターテイメントであって、
完璧に芸術ではありません。
もう一人、中国現代美術の騎手を見ておきます。
Yue Minjun (岳敏君)です。
Yue Minjun (岳敏君)
《想像界》の眼で《21流》
《象徴界》の眼で《21流》
《現実界》の眼で《21流》
3界どこで見ても、実体的で合法的で、これは純粋のデザイン的エンターテイメントであって、
完璧に芸術ではありません。
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さて、もう一つの『週刊女性』の《6流》に当てはまる現代美術はたくさんありますが、
代表的なものとしては、大竹伸朗です。
大竹伸朗
《想像界》の眼で《6流》。
《象徴界》の眼で《6流》。
《現実界》の眼で《6流》。
3界すべてで、デザイン的エンターテイメントであって、
完璧に芸術ではありません。
さて、この3つの現代美術を並べて見ます。
《6流》《13流》《21流》です。
左から右へ、次第に表出力が上がっているのですが、
しかし作品の条件が違うので、分かりにくいかもしれません。
《21流》の強さ、下品さは、突出していると言えるのですが・・・。
中国現代美術の《21流》の下品さと強さは、確かにまあ、凄いのです。
最後、再度、女性週刊誌の方を見て、《21流》の強さを確認してください。
《6流》 《13流》 《21流》
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