アストンマーチン/1億8600万円の自動車 [デザイン論]
パリモーターショー08で、アストンマーチンの車体の一部が公開されました。
アストンマーチンとは、
イギリスのアストンマーチンが製造・販売している高性能スポーツカーです。
これが《41流》なのです!
《想像界》の眼で《41流》の《真性の芸術》。
《象徴界》の眼で《41流》〜《超1流》の重層的な《真性の芸術》。
《現実界》の眼で《41流》の《真性の芸術》。
すごいですね!
完全な《真性の芸術》です。
自動車が完全な《真性の芸術》になってしまう時代になったのです。
生産数は、世界限定で、わずか77台。
価格は100万ポンド(約1億8600万円)程度と見られているそうです。
こうして、高級芸術というのは、
このような高級自動車に移ってしまったとはいえます。
77台の生産というのは、事実上手作りのような工芸品だと言えます。
工業生産の質が向上して、
ついに最高級のレオナルド・ダ・ヴィンチ級の芸術の域に
達してしまっていたのです。
ショック!
奈良美智のような、ぺらぺらな《6流》のデザイン的エンターテイメント作品のアートになってしまう必然性というのは、こういう所にもありますね。高級芸術では、こうしたハイクラスの工業生産に対して、無力な個人のアーティストでは太刀打ちが出来ません。奈良美智になるしかない、という選択もリアルなのです。
デザインと芸術が、完全に入れ替わってしまったのです。
ショックですね。
いくら原子力空母がすごくても、《非-実体性》や《非合法性》、
そして《退化性》は無かったので、
あくまでもデザイン的エンターテイメントだったのですが、アストンマーチンでは、そうした《真性の芸術》性までが、
実現している。
もちろん制作を指揮をしている優れたデザイナーが、
表現の頂点を目指した高級車を作ろうとすれば、
芸術になってしまうのは必然であり、そして可能なのです。
演劇や、映画、アニメ、さらには建築のように、
集団でつくって高級芸術になっているものは、
過去にもあったのです。
ですから、工業生産の高級化が、芸術に至りつく事は、
当然の事であったのです。
芸術というのは、それだけのものであったのであって、
認めるしかありません。
今日では、
芸術とデザインというのは、
《質における公共性》をデザインと言い、
《表現の質における私性の本質》を芸術と言うべきなのです。 舌足らずの言い方で分からないでしょうが、 とにかく従来の区分では、こうした工業生産技術の高度化を 捉えて整理する事が出来なくなっていますね。 先日埼玉近代美術館で 「アーツ・アンド・クラフツ〈イギリス・アメリカ〉展」を見て来ました。 ブログでは書き損ないましたが、 ウィリアム・モリス(1834年-1896年)が主導したデザイン運動(アーツ・アンド・クラフツ運動)、いわゆる美術工芸運動の総合的な美術展で、良く出来た展覧会でした。 驚いたのは、モリスの主導した美術の質が《21流》だった事です。 《21流》というのは、人生の喜怒哀楽の世界です。 その中からマッキントッシュが現れて、《超1流》の美しい椅子を作り出す。 この出現の美しさは最高でした! まあ、モリスの時代とは、格段に進歩してしまって、 まあ、目眩のするような現代であります。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
下の写真は、アストンマーチンの現行モデルです。
《想像界》の眼で《41流》の《真性の芸術》。
《象徴界》の眼で《41流》〜《超1流》の《真性の芸術》。
《現実界》の眼で《41流》の《真性の芸術》。
《想像界》《象徴界》《現実界》の3界を持っている総合的なデザイン。
固体/液体/気体の重層的な表現。
パーフェクトな高級芸術です!
この自動車は、映画「007 カジノ・ロワイヤル」にて、ジェームズ・ボンドがドライブするボンドカーとして発表されています。
同時に映画公開後に市販されることがアナウンスされ、2007年8月、発売が開始されたとのことです。
軽量マグネシウム合金、カーボン繊維複合物とアルミニウムのシャーシーを持っている自動車で、カーボンの使用部位は広範囲に及んでいて、これほど広範囲に使用する事はアストンマーチンとしては初めてだそうで、これにより従来より30kg軽量化したということです。
エンジンは6リッターのV12DOHCが搭載され、最高出力は517ps、0-100km/hは4.3秒。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
【パリモーターショー08】アストンマーチンの新フラッグシップ チラ見せ
アストンマーチンは10月2日、パリモーターショーで『one-77』プロジェクトの概要を公表した。one-77(社内コード)は7.3リットルV12を搭載するフラッグシップスポーツ。0-100km/h加速3.5秒、最高速は320km/h以上の性能を発揮するという。正式デビューは2009年秋の予定で、世界限定わずか77台のみが生産される。
パリモーターショーでは実物大の精巧なモックアップを展示。ただし、車体のほとんどはベールに覆われており、フロントとリアの一部しか見えない状態だった。2シーター、2ドアクーペのボディには、ブラックアウトされたヘッドランプ、『DBS』や『ヴァンテージV8』と共通イメージのテールランプが確認できた。
アストンマーチンによると、one-77は同社の最新技術とクラフトマンシップの結晶といえる1台になるという。新開発の7.3リットルV12は最大出力700ps以上を発生。カーボンファイバー製モノコックボディにアルミパネルを組み合わせ、車重は1500kg程度に抑えられる。ミッションは6速セミAT。0-100km/hは3.5秒で駆け抜け、トップスピードは320km/h以上に達するという。
アストンマーチンはone-77の市販時期について、2009年秋と発表。正式デビュー時には別の車名が用意される。価格は100万ポンド(約1億8600万円)程度と見られているが、その希少性から世界のセレブからオーダーが集まるのは間違いないだろう。《森脇稔》
コメント 0