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楽しい話 [アート論]

木型表.jpg
 
遊びで作った、レディメイドです。
売れもしないし、評価もされないのですが、
デュシャンのマネをして、
レディメイドの加工をした作品を作って、喜んでいます。

けっこう前からやっていて、
一度《41流》のグループ展で発表しています。

上に掲載したのは、風船をつくるときの金型を作るための木型です。
20年くらい前に、この木型をもらっていたのですが、
アトリエの隅にころがしてあって、
整理をしていて、捨てるにしのびなく、作品にしました。

裏も描いてあります。

木型1裏.jpg
楽しい話といっても、
楽しいのは、私だけなので、
興味の無い人は読まないで下さい。

こういう、しょうもない作品をつくって喜んでいて、
「プーサンが良いも無いだろう」、というご批判を受けるのは、
分かります。

コメントの返事に書いた様に、
過去のすぐれた芸術が基本であって、
現在は、その脱ー構築をしているのであって、
こういう、誰にもほめられない作品を作っているからこそ、
真面目に、過去の名品を探求し、研究していないと、
まあ、ただのバカだけになるのです。

脱ー構築しても、《超1流》や《41流》、
《超次元》の作品は出来ると、考えるのです。

ただ、それを誰も認めてはくれない。

糸崎さんからエリート主義と批判されている割には、
作品はエリート主義ではなくて、
ファンキーです。
何しろPーファンクとか、メガデスとか、ウイリーコロンなんかが好きな人ですから、
まあ、冗談のような作品ばかり作って来ています。

木型表2-2.jpg
《想像界》の眼で《超1流》の《真性の芸術》
《象徴界》の眼で《超1流》の《真性の芸術》
《現実界》の眼で《超1流》の《真性の芸術》

《想像界》《象徴界》《現実界》の3界をもつ重層的な表現
気体/液体/固体/絶対零度の4様態をもつ多層的な表現

《シリアス・アート》《ハイアート》
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

いろいろ誤解はされますが、
基本は、こうした自分の冗談のような作品を、
成立させるために、アートの格付けや、
《言語判定法》が、開発されたのです。

なにしろ、誰もほめてくれないし、
買ってってくれませんから、
こういう裏表、つながって描いているような、
そういう、なんというか、しょうもない作品をつくて、
自分で、良いのか悪いのかを、
判断しなければ、作品を作って行けません。

だんだん、こういう傾向はひどくなっていて、
ほんとうに、誰も評価してくれないタイプの作品ばかりに
なって来ているのです。
気違いですね(笑)。

それなのに、本人は《超1流》だ、《超次元》だと、
喜んで、自己満足にふけっている。
まじめに、本当の狂人であります。
まあ、しかし、楽しいのです。

楽しいので,
これに耽る。
このブログで掲載して、
展覧会もしなくても良いのではないかと、
思い始めている所です。

とにかく、動かないでいれば、
何とか、生きては行けます。
この間のように琴平までトラックで行くとか、
前年のようにリスボンに出品するとかすると、
出費がたいへんで、
おかげで、麦飯を食べることになる。

これは冗談で、麦飯は好きでして、
麦飯とか、玄米を食べています。

《言語判定法》というのも、
この自分の作品の自己鑑賞性の為にあるので、
この制作の喜びだけで、良いのではないかと、
思います。

おたがい、勝手ですから、
自分は自分の眼で判断して、
素人や、勉強をしない人は、相手にしない。

モローのように生きる。

この作品も、実はスリーディメンション・ペインティングとしては、
今までに無い所まで、展開できて、
嬉しくて仕方がない。

表で描いた図が、裏に回って、真ん中の4つの穴から再び表に出て来て、
再度裏に回って,さらに表に帰ってくる。

こうしたドローイングの線の動きの中で、
3次元のペインティングが、自由に出来る様になったのです。
これを成立させているのが、表に出ている半立体の堤防と言うか、
出っ張りです。この出っ張りを超えないという、
そういう規範を作る事で、その解釈で、この3次元ペインティングが、
面白く成立している。

超えられないという、防壁あるのですが、
それを裏で密かに超えて、防壁の中に自由に入り込んでいる。
こういう通底というか、別の越境と言うか、
それが、面白いのです。
こういう事を喜んでいる精神が、
はたしてエリート主義であるかどうかは知りませんが、
これこそが、エリートの行動であると、
居直る事にしましょう(笑)。

ブログで、写真をなかなか載せるのが出来なかったのは、
カメラやスキャナーの不備でして、
これは佐々木薫さんのデジタルカメラで撮影して、
メールで送ってもらったものです。

佐々木薫さん、ありがとうございました。
お手数に感謝します。

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糸崎

この作品は、正直なところぼくもぜんぜんわからないです(笑)
例えばこれが彦坂さんの作品ではないとして、それを彦坂さんが「こんなのはデザインに過ぎない」と批判されれば、ぼくは「そうかな」と思ってしまいそうです。
逆にこれが《超一流》と言われても、どうもピンときません。
しかしそういう「分からなさ」が、彦坂さんの面白さで、どうにも惹きつけられると言うか、捉われてしまいます。

小山登美雄さんが自著で「ジャスパー・ジョーンズの作品は何だか分からないところに魅力がある」と言うように書いてましたが、それとはちょっとニュアンスが違うような気がします。
彦坂さんは色々と独自の発言をされていて、その内容自体が分かりにくくて「謎」だと言うことと、発言と作品が一見して結び付いていないように見える「謎」があるように思います。
これは美術の問題と言うより、哲学や現代思想の問題に近いのかもしれません。
哲学や思想の入門書は、できるだけわかりやすく実用的に書かれていますが、原著と言うのは簡単に分かりようのない「謎」として提示され、それゆえに多くの専門家を惹きつけるようです。
ぼくは「入門書」しか読めないので、「謎」に惹きつけられる感覚がいまひとつピンと来なかったのですが、彦坂さんとの関係がそのようなものに近いかも?と思ったりしてます。



>おたがい、勝手ですから、自分は自分の眼で判断して、素人や、勉強をしない人は、相手にしない。

これはまさにその通りだと思いますが、実のところ相手を「素人」「勉強をしない人」などと批判した時点で、相手との「関係」が発生するような気がします。
つまり批判した相手には「お互い、勝手ですから」と納得してもらうのは、実に難しいのではないかと思い、そのことで自分も悩んでいます。
最近、内田樹さんを経由して仕入れた、白川静さんの「世界は祝福と呪詛で満ちている」という考えに影響を受けています。
これによると、彦坂さんのおっしゃる「素人の時代で良いものが評価されない」と言う状況は、「素人の判断が祝福されている反面、プロの判断が呪詛されている」と言い換えることができます。
それで彦坂さんは、この「呪詛」を祓うために「プロの判断を祝福し、素人の判断を呪詛する」ための文脈を打ちたて、それが「アートの格付け」ではないかと思います。
「アートの格付け」は、彦坂さん流の《超一流》アートを「祝福」するための文脈なわけです。

しかし一方を祝福すると、結果的に一方を呪詛することになり、そうすると自分に対する更なる「呪詛」が生じてしまいます。
このような「呪詛」のエスカレートを当たり前のこととして問題視しない態度は、全うで正しく潔いことであり、その意味でぼくは中島義道さんに非常な共感を覚えるのです。
それでぼくもこれを実践してみたのですが、どうも自分のような「小者」では身が持たないことが判明しました。
ぼくが提唱する「非人称芸術」は、原理的に全ての「人称芸術」を否定するため、これを主張するとすべてのアーティストとケンカになってしまいます。
これはあらゆる人間関係が破壊されるばかりで、ぼくがアーティストとして生きていく上での阻害要因となってしまいます。
ただ、自分の主張に妙な「妥協」を入れるとコンセプトが弱くなりますから、これも本末転倒です。

最近、ぼくが重要かもしれないと考えているのは、「自分が呪詛するものを、相手はどのように祝福するか?」を知ることです。
その意味で、彦坂さんの「格付け」や「皇居美術館」は、人称芸術に対する最大の「祝福」であり、かなり納得しました。
「非人称芸術」はその文脈上、結果的に「人称芸術」に対する「呪詛」として作用する可能性を持ちます。
しかしその「人称芸術」に対し、彦坂さんが全く別の文脈で「祝福」を行なっているわけです。
そしてこのように「祝福と呪詛」に対する全く別の文脈を並置することで、それぞれに掛けられた「呪詛」が上手い具合に解消されるのではないかと、そんな気がしています。
異なる文脈同士を妥協して混ぜ合わせるのではなく、異なる文脈を並置することで「呪詛」を解消する、と言う方法論です。
その意味で、琴平でのぼくの「フォトモ」と、彦坂さんの「皇居美術館」の対比は、非常に興味深いものだったと思います。

以上、勝手な思いつきで申し訳ありませんが、色々触発されてしまうのです・・・
by 糸崎 (2008-12-26 16:41) 

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