12月の頭に『琴平プロジェクトこんぴらアート2008・虎丸社中』を観にいってきた。香川県琴平町の金刀比羅宮参拝みちの石段92段目に位置する老舗旅館「虎丸旅館」と木造和風建築「琴平公会堂」が展示会場である。
老舗旅館「虎丸旅館」は、急斜面に建っている迷路のような旅館だ。その旅館の各部屋に、それぞれ美術家たちが「アート作品のある部屋」を作り出している。そして旅館の地図を片手に作品のある部屋を探し鑑賞する。倉芸の非常勤講師真部先生も展示に参加されており、ゆりの間でパフォーマンスをされていた。
初めは、旅館の展示と聞いて「アートで町おこし」という言葉が頭に浮かんでいた。しかし、そのようなあやふやな展示ではなく、しっかりと、旅館という日常的な場所を生かした展示であった。また今回のような日常的な空間での展示は、ギャラリーや美術館などといった特別な場所での展示と比べ、肩の力を抜いて見ることが出来て楽しめた。撮影もできたし。
特に記憶に残っているのは、蔵本秀彦さん、あざみの間のマリアーネさん、富士の間 彦坂尚嘉さん「見立て、茄子と赤茄子(トマト)」の作品である。
川の間の作品は、畳の上に平面作品が平置きにされていた。その作品は、鉄粉を支持体に付着させて制作しているそうだ。そして鉄粉を酸化させたり、あるいは酸化を止めたりして色を調節する。酸化の過程で赤みを帯びた鉄粉は様々な色に変化していた。
さて琴平プロジェクト次回は来年九月(?)らしい。たのしみです。
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