ゴヤの『巨人』が弟子の作品 [アート論]
ゴヤの「巨人」実は弟子作
プラド美術館が発表
(01/27 12:35)
【パリ27日共同】スペインからの報道によると、マドリードのプラド美術館は26日、スペインの画家ゴヤ(1746-1828年)の作品として展示してきた「巨人」は、実際にはゴヤの弟子、アセンシオ・フリアが描いた可能性が強いとの結論を発表した。
「巨人」の作者については昨年、「ゴヤではない」との見方が示され、美術館でゴヤのほかの作品や弟子たちの作品との比較研究が進められてきた。
その結果、「巨人」は光や色の扱いが稚拙で、ゴヤのほかの代表作と明らかに違うことや、絵の左下にフリアの頭文字であるA・Jの署名が見つかったことなどから、専門家らがフリア作との見方で一致した。
「巨人」は1931年以来、プラド美術館が所蔵・公開しており、同美術館の人気作品の一つ。ゴヤの作品ではなかったと判明したことについて美術館側は「(公開を始めた当時は)ゴヤに関する研究が緒に就いたばかりで、真贋の見極めが不十分だった」と釈明している。
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答えが出てから、何を言っても始まりませんが、
納得のいく決定でした。
こういう判断を公表できるプラド美術館は、
まともで、良いですね。
日本の美術史学は、真贋を明示できないところがあるのです。
前にも書きましたが、松本清張の『真贋の森』という小説は、
そのメカニズムを告発した名作です。
実際、雪舟展や、雪村展で、真贋は明示されず、
大量の贋作が、真筆と一緒に、展示されていました。
それが日本の現実です。厳密な学問としての美術史が無いのです。
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