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粟(あわ)大福/鎌倉・長嶋屋(大幅加筆) [味覚]

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写真出典・『ばろブログ』http://balocco.exblog.jp/3554356/

鎌倉には、たくさん美味しい和菓子屋さんがありますが、
今日食べたのは、
JR鎌倉駅東口から、小町通に入る入り口にある長嶋屋、
そこの粟(あわ)大福です。

お餅に、粟が入っていて、美味しい。

粟は、私は好きでありまして、
昔、はじめて1975年にパリに行って、クスクスというアラブ料理を
食べて、好きになりました。
今も、粟を自然食品屋さんから買って来て、時々ですが、
玄米に混ぜて、炊きます。

さて、粟大福ですが、

《想像界》の眼で《超次元》の《真性の芸術的味覚》
《象徴界》の眼で《超次元》の《真性の芸術的味覚》
《現実界》の眼で《超次元》の《真性の芸術的味覚》

《想像界》《象徴界》《現実界》の3界をもつ重層的な味覚
固体(前近代)的な味覚

《気晴らしアート的味覚》《ハイアート的味覚》

シニフィアン(記号表現)の味覚
【A級菓子】

和菓子の粟大福を、芸術というと、
顰蹙(ひんしゅく)を買うかもしれませんが、
もともと、芸術の趣味判断は、味覚から始まったので、
正当なことであります。

この《超1流》の味を楽しみながら、
その価格が、一つ150円ほどですので、
なんとも、奥深い感慨に捕われます。

こうしたものは、作る技や、材料の吟味もありますが、
新鮮さが重要です。
お客が良く無いと、成立しません。
鎌倉は、京都ほどではないにしろ、
和菓子にとって、
良いお客がいる地域なのです。

◆以下加筆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

塩の問題

話は、和菓子とは変わって、
味覚一般の話になります。

某ギャラリーのご主人と、何回か、食事をしていて、
和食は、美味しいお店を知っている方だと感服している。

もっとも和食の食通のベストは、故上田画廊社長であった。
彼には、銀座の超一流のお店に何回か連れて行ってもらったことが
あるが、その頃は若くて、私には良く分からなかった。

美味しいお店は、塩をほとんど使わないから、
未熟な若い人間には、味が弱すぎて、分からないのだ。

さて某ギャラリーのご主人と、ラーメン屋にも行っているが、
これがいただけない。

普通な意味では美味しいB級グルメなのだが、塩と油が強い。
塩があれば、人間は美味いと思い、
そして油があれば、脳内モルヒネが出て、美味いと思うのです。
だから、塩と油が多い料理は、下品なのです。

私は、自分の作る料理からは、塩も油も、事実上はゼロにしようと
して来ています。
だからといって、醤油や味噌を使っても塩は入っている。
それどころかうどんやスパゲッティには、塩が入っている。
だからゼロには、厳密には出来っこ無いのだが、
基本として、自分の手では塩をいれない。

この路線は、私のトマトアイスクリームという、
食べ物の作品にも言えて、
塩は入れない。
プロのアイスクリーム屋さんの何人かに食べさせているが、
みな、異口同音に「塩を入れろ」と言うのですが、
私は入れません。

塩を入れない事で、
下品な野蛮な人には、分からない繊細な味を引き出すのです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
アイスクリームは普通の氷菓子ですから、
何か、普通の商業主義のものとの差異を作り出さなければ、
現代アートの作品にならない。
その時に、普通よりも下品にするという方法もありますが、
私は、上品にするという方向をとって、
塩を抜いたのです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

これを教えてくれたのは、山倉研志という作家の、
前の奥さんからでした。
前の奥さんは、京都生まれの人で、お父さんが食通で、
小さいときから、お父さんに良い料亭に連れて行かれて、
美味しいものを食べて来ている。
この前妻が、私が山倉の家に泊まった時に、朝食と作ってくれて、
これが美味しかった。
美味しいと言うよりも、私には判断が出来ないほどに、
薄い味で、驚かされたのです。

薄ければ良いと言うものではありませんが、
この前妻の味は、すばらしいものでした。

さて、話は、鎌倉の長嶋屋の和菓子に戻ります。

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大正10年創業以来、伝統を守り続け昔ながらの製法で丹精込めてお作りしています。
手作りのこだわり・・・これが長嶋家の和菓子・・・というものを自信をもって販売
しております。
原材料からこだわり、材料そのものの旨みを生かす工夫をしております。
機械を使っての大量生産はしておりません。
甘さをひかえめにし、
塩は使用せず体にやさしく、飽きのこない和菓子を作ることを心がけて
おります。品質保存料もいっさい使っておりませんので安心してお召し上がりいただけます。
皆様から愛される和菓子であり続けるよう、これからも丹精込めて作り続けていきます。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
昔ながらの銅鍋と大しゃもじで餡をお作りしています。
機械で作るのではないため、少量ずつしか作れません。火加減に気を配りながら、
長嶋家独自の調合でお作りしています。
使う砂糖もざらめにこだわり、上質のさらしあんを使っています。
ざらめを使う事により、さらっとした餡に仕上がっています。甘すぎず、
飽きのこない餡となっております。
塩を使わないというのも、長嶋家のこだわり。
昔ながらの杵と臼を使ってお作りしています。
自動式の機械で作っているのではありません。
湿度や気温により水の量や練り具合、つく回数を変えています。
こだわりの「もちもちとした食感」を保つには、
この昔ながらの杵と臼を使って作るのがいいのです!

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塩を使わない事、というのは、
私のトマトアイスクリームにも共通する姿勢ですが、
こうした態度の堅持は、重要な事です。

通俗的な味覚に合わせては、面白く無いのですね。

そういう意味では、制作も、
《実体性》や《気晴らしアート》は、完全に排除する
というのは、あるのかもしれません。

《実体性》や《気晴らしアート》性は、食べ物における塩や油に
当たるからです。
私自身は、ほぼ《非-実体性》のある作品しかつく手気ていなのです。
しかし、たまに《気晴らしアート》にはなっています。
最近のこのブログでは、そういう作品が3つも連続して、
反省しています。
もっと厳しく排除すべきだと思いました。

つまり美術界には、《気晴らしアート》が氾濫しているのですから、
アートから《気晴らし》性を抜いて、
馬鹿みたいにシリアスになる。
それだけにする。

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こういう考え方に反対の考えもあります。

むかし、神田の文房堂ギャラリーで、
『トマトアイスクリーム試食会』というレクチャーショーを
やりました。
全人類の美術の歴史における食べ物との関係を、
スライドショーで見せました。
その後に、ゲストに、試食してもらったのですが、
そのゲストには、石内都、今道子、眞島竜男、藤井博にきてもらい
ました。みな、食べ物に、関連のある作品を作っていたからです。

その中で、石内都が、
私のトマトアイスクリームを食べて、
「現代美術が、こんなに美味しいはずがない」と
コメントしたのでした。

これは石内都の現代美術に対する考えを良く表したものです。

現代美術を、レベルの低い美術と、考える考え方はあるのですし、
食べ物で言えば、まずいものであると、言う考え方は、
あるのです。

実際、石内都の写真は、
食べ物に例えれば、
汚くて、だらしがなくて、不味い写真なのです。
だらしがないというのは、構図が、写真史の中の名品のように、
厳密で、美しくは無いと言う意味です。

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美術作品は、美味しく、あるべきであると、
私は、思います。

しかし、その美味しさには、
下品で野蛮な美味しさと、上品な美味しさがあります。

下品で野蛮なものの魅力だけに、現代アートを限定するのに、
私は同意しません。

下品さと、上品さが、混在する、ミスマッチに、私は引かれるのです。

フランク・ロイド・ライトの建築や、
ゴルチェのファッションや、川久保玲のファッションには、
そういうものがあります。

美術家で言えば、クールベや、セザンヌ、モンドリアン、
ポロック、ラウシェンバーグ、ジェフクーンズ。

そして音楽家で言えば、ショスタコービッチ。

ロックで言えば、ミクスチャーに可能性を見た世代なのです。
Pファンク、アフリカンバンバータ、
興奮して9枚一時に買ったのは、ソニックユースでした。
アンスラックス、
リンキンパーク

私は上品なものだけで、生きろと、主張しているのではありません。

下品で、汚いものだけを良しとする椹木野衣の様な美意識は、
嫌だと言っているのです。

上品なものも、素晴らしいのです。

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下品なものだけが溢れる現代に抵抗するために、
良いお店で、和菓子を食べましょう。

良いお店でも、値段は安いです。

上品なものを味合うのに、和菓子は、信じられないくらいに、
安いものなのです。

タグ:長嶋屋

トマトのお酒 [味覚]

コメントを良くくださる丈さんから、
トマトのお酒をいただいて飲んだ。


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このTOMATOMAは、おいしかったけれども、
味は《第8次元》でありました。

そのついでに見つけたのですが、
トマトの焼酎がいろいろとありました。

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【長崎大島醸造】 大島トマト焼酎『ルビーの雫』 720ml 


価格1,601円 (税込 1,681 円) 送料別


商品名:

大島トマト焼酎 ルビーの雫

酒類:
トマト焼酎
産地:
長崎県
醸造:
長崎大島醸造 株式会社
アルコール度:
25度
容量:
720ml
原材料:
大島トマト・麦・米麹
商品特徴:

年一回の出荷限定品。完熟フルーツトマトが本格焼酎になりました!長崎大島特産の高糖度の完熟フルーツトマトをベースに西海の銘水で仕込んでいます。さわやかな香り、やわらかな口当たりとわずかな甘みさえ感じ、のどごしの良さが特徴です。元来トマトは南米アンデス地方標高2000mの高地に自生していた野菜です。日中の日当たりは非常に良いですが、夜は寒く乾燥した荒地で育っていました。そうした原産地に近い環境を人工的に造りだし、肥料も水もほとんど与えない栽培方法育てられる「長崎大島トマト」は自然な自己防衛数倍以上も含本能から力強く成長を続け、普通のトマトと比べ糖度で2~4倍、ビタミンCはんだ”完熟トマト"になります。その長崎大島特産の高濃度完熟フルーツトマトをベースに西彼名水、伊佐乃浦川上流の天然水で仕込みました。オンザロックや水割りが良くあいます。
※赤色の容器を使用していますが、蒸留酒の為無色透明です。


ルビーの雫の外観の格付けは、
《第1次元》です。
そうすると、味も《1流》である可能性が、大です。
だいたい、外観と中身は一致しています。


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『はちべえ』は、外観的には《第8次元》です。
味も、《8流》なのか?



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さわやかな香り、すっきりとした後味 
戸塚酒造
「草笛 トマト焼酎 25度」720 ml 0309PUP10M
 

商品番号: s206
価格: 1,180円 (税込) 送料別

●商品情報:
製造元   合名会社戸塚酒造店
商品名称  草笛 トマト焼酎
特定名称  単式蒸留焼酎
種  別  本格焼酎乙類
内容量   720 ml
主要原料  米・トマト・米麹
度  数  25度
保存方法  常温
賞味期限  永年
販売期間  通年
クール便  不要
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『TOMATO』は、外観はあまりに普通の《第6次元》の
モダンデザイン。
味も《6流》なのか?

《6流》の味は、《8流》にくらべて、
ずっと美味しいです。

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当店ではトマト焼酎第二段です。

もうあるからいいんじゃないの〜と思い試飲してみると・・・。

全然違う!

従来から扱いのあるトマト焼酎とは別のタイプの味わいです。

どちらかと言えばこちらの方がトマトの風味は強いです。
そして、少〜し甘みがあるので、女性にはこちらの方が飲みやすいかも。

原料のトマトには、あのカゴメさんが品種改良した 「カゴメのオリジナルトマト」を使用しています。

香りが高いのが最大の特徴で、フレッシュな香りが生きています。 

くれぐれもトマトが苦手な方には飲ませないでくださいね・・・。

フルーティーな味わいとさわやかな口当たりが特徴のラ・トマトは以外にも 洋食との相性もピッタリ。焼酎が苦手な方にもお勧めしたい新しいタイプのお酒です。 

※こちらの商品はベースは焼酎ですが、トマトの成分が入っているため、分類上はリキュール類となっております。


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この『La TOMATO』の外観は、
《第1次元》ですから、
味も《1流》の可能性があります。

今回は、これを注文しました。



ペプシネックス・ゼロカロリー [味覚]

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今年の夏は暑くて、
アトリエにはクーラーも無くて、
ゆだっていた。

アトリエのそばにある自動販売機では、
コカコーラのZEROを売っていて、
体を冷やす為に
これを1日1本飲むという、
悪い習慣がついていた。


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しかし、このコカコーラ・ゼロは、まずい。

《8流》の《8流》の《8流》

せめて、レモンを搾って、入れてくれ!
と思っていたが、
自分でわざわざレモンを買って、
氷の入ったグラスにそそいで、
レモンをたらす、マメさはなかった。


そうしているうちに、
車で移動中に、入った店で、
ペプシネックスを見つけて飲んだ。

これが美味い!
《8流》《6流》《6流》。

何がちがうのか?

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違いは、レモン果汁でした。
レモン果汁が入っている。

レモン果汁、酸味料、カラメル色素、香料、甘味料(アスパルテーム・L-フェニルアラニン化合物、アセスルファムカリウム)、保存料(安息香酸Na)、カフェイン
賞味期間6ヶ月

コカコーラ・ゼロが、
《想像界》の眼で《8流》。
《象徴界》の眼で《8流》。
《現実界》の眼で《8流》。

ペプシネックスが、
《想像界》の眼で《8流》。
《象徴界》の眼で《6流》。
《現実界》の眼で《6流》。

この《8流》が2つも《6流》にアップしているのは、
決定的に大きいのです。

ZEROというキャッチの部分ですが、
これはコカコーラが先で、
ペプシネックスが、
後からパクったようです。

しかし、
合成保存料もはいっているし、
ゼロとは言っても、
この甘さは不安になる。
やばいよな。

ようやく涼しくなって来ました。
止めましょう!

さあ、秋だ!!



ヘルシア緑茶と胡麻麦茶 [味覚]

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今日は朝が早くて、
さすがに、柔らかい飲み物が欲しいと思って、
コンビニで、サントリーの胡麻麦茶というのを買った。

これが何と《41流》の味で、きつさが相当のものなのである。


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サントリーの出している黒烏龍茶というのは、
姿形は花王のヘルシア茶に似ているが、
味は《1流》であって、柔らかい。

そのイメージがあって、サントリーの胡麻麦茶を買ったのだが、
これは、サントリーのヘルシア追撃作戦の第2弾らしくて、
《41流》の味覚で、半端ではなかったのである。

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ヘルシア緑茶の発売は2003年で、私はこの年越後妻有トリエンナーレで、
週1回、鎌倉ー十日町間を走っていて、
この日は手伝いに上の娘を呼んだ帰りで、
ボランティアの小蛇さんを送り届けるので幹線道路を外れたら,
道に迷って、疲れ果てて入ったコンビニで見つけて、
ヘルシア緑茶を飲んで、驚いた。
《想像界》の舌で、《41流》
《象徴界》の舌で、《41流》
《現実界》の舌で、《41流》


生活習慣病の増加などで体脂肪を気にする消費者が増加していることから開発されたもので、飲料部門で初となる「特定保健用食品」の指定を受けたというものである。伝統的には、煎じ薬というのがあって、まずいということになっているが、あれが《41流》なのであろう。煎じ薬の伝統が現在の高度消費社会の商品に転生したというべきものであろうか。
私の方は、効用の方は信じていなくて、味覚的に好きなのである。
しかしヘリシア緑茶はいいが、胡麻麦茶のほうは、愛飲するかどうかはわからない。

デニーズの和食 [味覚]

越後妻有トリエンナーレで、
十日町の田麦という山村に入った。
そこで朝食と言うと、
すき家で、朝定食を食べるしかない。

すき家の朝定食は、納豆、のり、シャケ等、選択が多くて、
順列組み合わせのようなメニューになっている。
味は《8流》である。
美味しいと信じて食べていれば美味しいという世界である。

車で、作左部潮さんと浅田公子さんと鎌倉まで帰って、
デニーズで、食事をすることになった。
ここでも和食を頼んだら、これが格段に美味しかった。
《2流》なのである。《2流》と《8流》の差は、大きいのである。

デニーズ・ジャパンは、提携先であるアメリカ合衆国の大手レストランチェーンとの契約関係は解消されており、ブランド名だけを譲り受けた日本独自のチェーン。
現在では本家アメリカと共通するメニューは一切残されていない。
類、物、和風膳などの和食部門が充実し、
日本人向けにアレンジした洋風料理と共にメニューの中核を形成している。
味覚が《2流》であるだけでなくて、
内装も含めて、すべて《2流》である。





かぼちゃ(少し加筆1) [味覚]

カボチャを茹でて、食べる。
うまいな、と思います。
格付けすると、《6流》です。

お湯でだけで茹でて、
塩も入れないのですから、
《6流》というのは、当たり前なのです。
《6流》というのは、自然領域なのですから、茹でただけでは料理になっていなくて、自然の味覚なのです。

駅で売っている、ゆで卵を、時々買って食べます。
朝飯を食べないで出たりした時には、便利です。
塩味がついていて、最初は美味いと思うのですが、
繰り返し食べていると、
塩味が強いし、奇妙な灰汁があって、
嫌になってきます。
この味覚が《8流》のそれなのです。

《6流》の倒錯領域が《8流》であって、
多くの安物の食べ物は、すべて《8流》になっています。
奇妙な灰汁というか、キッチュな特徴があって、
これが普通の多くの人を引きつけるのです。
そういう《8流》の味覚の中では、
塩も入れない《6流》のカボチャは、美味いと感じるのです。


ギネスの黒スタウト [味覚]

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今日と言うか、昨晩は坂上しのぶさんのインタビューを受けた後に、
東京駅の八重洲地下街のスタンド・バーで、ギネスを飲みました。

インタビューの内容は、このところ彼女が追求している1980年代のことなのですが、これについては、またブログを改めて書きます。

坂上しのぶさんは、アイルランドに学生時代に行っているので、
ギネスについても、詳しいのです。

ギネスは、アイルランドの代表的なビールで、黒スタウトだそうです。
スタウトというのは、黒くなるまでローストした大麦を使用して、発酵によって醸造されたビールで、色は黒いのだそうです。
味は濃厚で、苦み酸味とも強いものです。
特に苦みが強くて、煎じ薬を飲んでいる様なものです。
この苦さがおいしいのです。
子供には分からない味です。

自分が子供か大人か、不安な人は、ギネスの黒スタウトを飲んでみる事をお薦めします。
おいしいと感じる人は、大人です(笑)。

スタウトは、このギネスが一番有名なのですが、アメリカのビールにもあります。
サミュエル・アダムズ・クリーム・スタウトというビールがあって、これは私は好きでした。これもとにかく苦い。

ベルギーでも飲んだ様な記憶があって、Wikipediaで探したが、ありませんでした。

さて、久しぶりに飲んだギネスは、おいしかったです。
格付けして驚いたのですが、《41流》から《超1流》の重層的な味でありました。

《想像界》の味覚で《41流》。
《象徴界》の味覚で、《41流》から《超1流》の重層的な味。
《現実界》の味覚で、《41流》。

味覚で《41流》というのは、これまで探索していなかったので、
新鮮な発見でありました。

芸術の趣味判断と、味覚(ラーメン/改題加筆) [味覚]

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晩餐という、食事の絵画ということで、
この絵である。

食べ物と、芸術は、実は深い関係がある。

芸術の趣味判断というのは、
もともとは味覚からきている。
以下の内容は、谷川渥氏の著作からである。

ヨーロッパで、18世紀、
世界に植民地ができて、
多くの新しい食べ物がやってきて、
それを食べる刺激の中で、
貴族の中で、
趣味判断が生まれたという。

それと
この時期に、
毒殺がはやったので、
食べてすぐに毒と判断して吐き出さないと死ぬということがあって、
舌の判断が発達した。

だから、良い趣味をグッドテイスト、
悪い趣味をバットテイストというのは、
この味覚の判断から始まったという起源が
示されているのである。

味覚の趣味判断の発達が芸術の判断に転化したのである。

だから、
私は、味覚というものが、
判断の起源を示す、重要なものであると思う。

さて、
娘とラーメンを食べる。
娘は高校一年である。
「おいしいね」
私は答える。
「《8流》」

ラーメンというのは、だいたいが《8流》である。
《8流》について書こうとすると、
また別にして、単独に書き重ねて行かないといけないほどに、
《8流》というのは、奥が深いのです。

ラーメンがまずいという指摘をグルメ評論家の誰かが言っていて、
私も同感である。
塩が強いし、油が多い。
油は脳内モルヒネを出すので、油で美味く感じさせるというのは下品で、
安易な道である。
そういう悪口を言いながら、ラーメンを食べに行く。

アトリエの近くにはラーメン屋がいくつもあって、
世代交代も激しいが、
私が
良く行っていたのはラーメンショップ 湘南台店。
脱サラのしけた元気の無いおじさんと奥さんがやっている店。

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ネギラーメンがおいしい。
ザク切りネギで、ネギが生で、スープは関東トンコツと呼ばれるものでの脂っこく下品。
典型的な《8流》のB級グルメである。

こういう味を美味いと思うのは自然なのだが、
しかし、高級な事ではないのである。

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藤沢近くだと、手広交差点に向かって左にあるラーメンビック。
藤沢市川名1-7-24、電話0466-25-3020
ここは《8流》のB級グルメとしては、私の一番好きな店である。

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豚骨ベースの醤油味で油こさはありますが淡い甘め系で、鶏油の甘みと生姜の旨みがおいしい。。
麺はストレートで、ここもネギラーメンがおすすめです。
肩ロース叉焼が柔らかく、薄味でおいしい。
おいしいな、と思って食べていても、
格付けをすれば《8流》である。

《8流》という、外食のB級の基本というのは、
自覚していくと、これから脱することが出来る。

溺れていると、
こういうラーメン屋のなかにこそ、
何か、真実があると思えてしまうから、
怖い。

作品を制作して、
自己模倣を繰り返すと、
すぐにこの《8流》に至ります。
《8流》の中に、確かな手応えを感じてしまうのです。
そして自分では、作品を安定して作れていると思えるのですが、
芸術的にはマンネリであることなのです。

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《8流》ではないラーメンというものがあるのか?
それがある。
《1流》のラーメンである。

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新橋の、むかしギャラリー手があったビルの1階にあった「支那麺はしご 銀座八丁目店」といお店は、
おいしいのである。
スープは、ラー油やお酢等入った醤油味のピリカラで、
化学調味料はいっさい使わない。
当然すぎる事が守られているおいしさ。

サービスでつくライスを食べながら、ラーメンを食べる。

《1流》のラーメン屋があるということは、
かなりの驚きであった。

場所も新橋とはいえ、銀座8丁目ということもあるし、
当然と言えば、当然かもしれないが、
《8流》に溺れていてはいけないという事を、
知らしめてくれるお店である。

作品制作もそうなのだが、
基本は《1流》である。
《1流》をコンスタントにつくれると、
はじめて実力があると言えるのである。

そのためには、制作の基準というものが必要である。
基準が無いと、《1流》なのか《8流》なのか分からなくなるわけで、
それで言語判定法が開発されたのである。
言語での基準作りである。

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さて、いよいよ、《超1流》のラーメンである。
そんなものがあるのか?

あるのである。

それも、私のアトリエのすぐそばである。

神奈川県藤沢市亀井野2-3-21

豪快というお店。

最初の2001年7月の頃から知っているが、
とにかく、昼の4時間のみ営業で、目立たない立地なのだが、
毎日行列が出来ている。これが毎日で、終わりが無い。
30分の行列は覚悟しなければならないというその味は《超1流》である。

なぜに、こんな僻地においしいラーメンがあるのか?

「東池袋大勝軒」という有名なラーメン屋の山岸一雄の一番弟子の店なのである。
東池袋大勝軒の山岸一雄は、1961年の開店以来一度も弟子を取らずに家族経営してきたという。
しかし1986年に妻・二三子さんが病気で他界し、半年ほど店を閉めていたのだが、
1987年に2人の弟子を迎えて営業再開する。
その2人の弟子の内の一人が独立し、神奈川県六会日大前に「豪快」を開業したのである。

特徴はダシである。
鯖節・煮干し・かつお節が濃厚に利いた蕎麦つゆ風の魚出汁のスープには透明感があり
豚骨・鶏ガラがバランスよく配合されている。
この濃厚な和風のスープが、何と言っても《超1流》。

おすすめはつけ麺です。

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何人か、アトリエに遊びに来た人を連れて行っているが、
みんなおいしいと言う。

彦坂敏昭君もおいしいと認めたし、
加藤力さんも同意した。

ところがである。
好みというものは奥が深い。

白濱雅也さんは、
この《超1流》のラーメンを、おいしいとは言わない。

それも一理あるのであって、
彼の好みは《超1流》ではなくて、
もっと「なごみ系」が好きなのである。

《超1流》というのは、美術作品でも、
好きではない人が、多くいるのである。
味覚でも、同様であって、好きではない人が居るのである。

基本は《1流》であると言える。










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