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スーサイド [ロック]

アメリカの、2人組のバンドですが、スーサイド(自殺)というのが、
あります。

1977年結成で、今も続いています。
日本でも1枚でました。

非常に記憶の残る音で、私は好きです。

一般向けではありませんが・・・・。

《想像界》の眼で《第41次元》の《真性の芸術》
《象徴界》の眼で《超次元》の《真性の芸術》
《現実界》の眼で《第41次元》の《真性の芸術》

《想像界》《象徴界》《現実界》の3界をもつ重層的な音楽
気体/液体/固体/絶対零度の4様態をもつ多層的な音楽

《シリアス・アート》《ハイアート》

シニフィエ(記号内容)の音楽(=情報社会の音楽)
【A級音楽】


タグ:スーサイド
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自殺と音楽/ジョイ・ディヴィジョンのイアン・カーティスの顔(大幅加筆2改題校正1) [ロック]



《想像界》の耳で《超次元》の《真性の芸術》
《象徴界》の耳で《超次元》の《真性の芸術》
《現実界》の耳で《超次元》の《真性の芸術》

《想像界》《象徴界》《現実界》の3界をもつ重層的な音楽
気体/液体/固体/絶対零度の4様態をもつ多層的な音楽

《シリアス・アート》《ハイアート》

シニフィエ(記号内容)の音楽


コメントをくださった方から、ジョイ・デビジョンの意見を求め
られていました。
レコードを探していて、時間がかかってしまいました。

Joy-Division-Maximum-Joy-Divis-389011.jpg
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しかし今時は、レコードを探すよりは、
YouTubeで探す方が早かったのですね。

しかし、このYouTubeの貼付けが、なかなか出来なくて苦労をしたのです。
一つは使っているコンピューターがMacであることです。
もう一つが、このブログの設定の問題でした。
井上清仁さんにご尽力いただき、何とか貼付けられるようになりました。

・・2・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

1970年代後半のパンク/ニューウェーブの時期に、
私は、このムーブメントに興奮して追いかけていたので、
当然のように、このジョイディビジョンに熱狂したのです。

このセックス・ピストルという《第6次元》のバンドの中から
《超1流》の《超次元》のバンドとしてが生まれたのが、
ジョイデビジョンでありました。

そして、もう一つ奇跡のバンドが生まれます。
それがスージー&バンシーズでした。
これについては、私のブログで、すでに書いています。
また、再論したいですけれども・・・。
そして

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レコードジャケットも美しく、そして何よりも音が、
《超1流》であったのです。
特に私は、このクローサーが好きで、
作品の題名にも付けました。
確か、その作品は富山近代美術館の収蔵になっているはずです。

1980年初頭、何よりもヴォーカリストのイアン・カーティスの
自殺が話題でした。
ジョイ・ディヴィジョンのヨーロッパ・ツアーを終了させ、
アメリカ・ツアー目前の1980年5月18日に首を吊り自殺。
遺書はありませんでした。

なぜ、自殺したのか?

そしてその音楽の、自殺する様な暗い音に、引きつけられたのです。

◆◆3◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

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1956年生まれ。

私とはちょうど10歳の違いです。

年上の私が生きていて、若いカーティスは死んだ。

イギリスのマンマックルスフィールドで育つ。

両親と4歳下の妹との、なんの変哲も無い4人家族。

デビッド・ボウイルー・リードに憧れたという。

1975年、19歳で高校時代のガールフレンド、デボラと結婚します。

公務員となり、障害者のための職業安定所で勤務するようになる。

なぜに、そんな平凡な男が、音楽家になるのか?

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1976年、マンチェスターで行われたセックス・ピストルズのギグを見る。
ここで、ジョイディビジョンのメンバーとなる、バーナード・サムナー
ピーター・フックと出会ったというのです。

セックス・ピストルズに触発されたバンドは多いのですが、
なぜに、それほどの大きな影響をセックス・ピストルは与えたのか?

1975年にアメリカがベトナム戦争に敗北して、アメリカも、
そしてイギリスも、このアングロサクソンの国は、敗戦国となり、
経済は停滞し、失業者は溢れ、そして未来が若者から消えたのです。
セックス・ピストルは、この閉塞感の中から、亀裂として吹き出した
闇であったのです。

それは1991年のソビエトの崩壊の年に出現した、
ニルヴァーナと対になるようなバンドであったのです。

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1977年バンド結成。
1978年初頭、同じバンド名を「ジョイ・ディヴィジョン」という
ナチス・ドイツ将校専用の慰安所に変更します。

1978年12月、ロンドンで初ライブを。
観客は30人程度しかいなかったことから、落胆したカーティスは、
帰路の車の中で激しい癲癇の発作を起こします。

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癲癇と、バンド活動の重圧、そして妻との離婚を巡る争いの中で、
イアンカーティスは、自殺します。

遺作となった『クローサー』は1980年7月に発売され、
英チャート6位のヒットとなったのです。
私も買いました。

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墓石には妻デボラの希望により
「ラブ・ウィル・ティアー・アス・アパート
(愛が私たちを引き裂いていく)」の文字が刻まれたのです。
◆◆4◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


ジョイディビジョンの詩は、
イアンカーティスによって書かれています。

自己の内面を執拗に問いかける詩は、孤独、不安、絶望の感情に満ちてい
ました。

つまり、彦坂的に問題にしたいのは、この問いつめです。

人生とは何か?
生きる事とは何か?
愛とは何か?
音楽とは何か?
芸術とは何か?
そして意味とは何か?

こうした切実な問いに、人を躓(つまず)かされるのです。

そして実は多くの人は、
こうした本質的な問いをしないのです。

本質的な問いをすれば、躓いて生きられなくなるからです。

しかし、少数者が、本質的な問いをして、
神経症になっていくのです。

本質的な問いをすること。

芸術の魅力は、ここにあります。

本質的な問いを欠いた芸術は、芸術ではありません。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

イアン・カーティスの死後に、残されたメンバーは、
ニューオーダーという、別のバンド活動をします。

しかしその音楽は《6流》の凡庸なものであって、

ジョイデビジョンの《超1流》の《超次元》性は、
消えてしまったのです。

イアン・カーティスただ独りが、真性のジョイ・ディビジョンで、
あったのです。

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《想像界》の眼で《超次元》の《真性の芸術家》
《象徴界》の眼で《超次元》の《真性の芸術家》
《現実界》の眼で《超次元》の《真性の芸術家》

《想像界》《象徴界》《現実界》の3界をもつ重層的なアーティスト
気体/液体/固体/絶対零度の4様態をもつ多層的なアーティスト

《シリアス・アーティスト》《ハイアーティスト》

シニフィエ(記号内容)のアーティスト

真実の人。












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シド・バレット『帽子が笑う…不気味に』(画像追加) [ロック]

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ピンク・フロイドの創立メンバーの一人で、
精神を病んで脱退したシド・バレット。

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脱退後に出されたソロアルバム2枚のうちの一枚、
帽子が笑う…不気味に』を、始めて聞いて驚いた。

《想像界》の耳で《第41次元》の《真性の芸術》
《象徴界》の耳で《第41次元》の《真性の芸術》
《現実界》の耳で《第41次元》の《真性の芸術》

《想像界》《象徴界》《現実界》の3界をもつ重層的な音楽
気体/液体/固体/絶対零度の4様態をもつ多層的な音楽

《シリアス・アート》《ハイアート》

シニフィエ(記号内容)の音楽

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1970年1月に出たアルバムなのだが、
《第41次元》の音で、これは早いのです。

1980年に入ると、《第41次元》の音は、
ハノイロックスや、バットレリジョンという形で、
登場しますが、
1970年代には、私には、見つけられていない音でした。

とは言っても、系統的に本格的な調査をしているのではないので、
まだまだ、あるのでしょうが、
この評価の高いアルバムである
シド・バレットの帽子が笑う…不気味に』で《第41次元》を
見つけて、
重要な、震源地を確定できた事になります。

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この1970年ころは、映画では《第41次元》が
大きく出現して来ています。
1969年にはサム・ペキンパーの『ワイルドパンチ』
ジョン・ウォーターズ監督『ピンク・フラミンゴ』
(1972年)や、
トビー・フーパーのThe Texas Chain Saw Massacre/悪魔の生け贄
(1974年) 、
ピエル・パオロ・パゾリーニ監督『 "Salò o le 120 giornate di Sodoma" /
ソドムの市』(1975年)といった調子で、
ひどい悪趣味の名作が出現してくるのです。
この背景には、ベトナム戦争があります。

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しかし、このシド・バレットの帽子が笑う…不気味に』には、
直接には、ベトナム戦争の惨劇はありません。
むしろ、情報社会への移行が叫ばれ、
バーチャルリアリティの先駆的な表現としての、
ピンクフロイドの音楽を推進した精神が言えるのでしょう。

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このアルバムが《第41次元》であるとともに、
シニフィエ(記号内容)化した音楽である事も、
重要です。

帽子が笑う…不気味に』は、
ピンク・フロイドのメンバーやソフト・マシーンの協力を得て制作
されています。

これが全英トップ40にランクインするヒットを記録したそうです。

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そして、2作目『その名はバレット』が発表されます。
これは私は、昨日注文をアマゾンに出しました。

これらのアルバムが、シドバレットを、サイケデリック・フォーク
アーティストと見なす根拠となります。

この1960年代末から75年にかけての、
サイケデリックカルチャーや、ドラッグカルチャー、
さらにはポルノの解禁、スカトロジーやスプラッタなどの
出現こそが、それまでの産業化社会の物質文明を終わらせ、
情報革命と情報文明への移行過程の壇一段階だったのです。

その中心が1971年のニクソンショックであり、
ドルと金の兌換の停止です。
ここにおいて、固定相場制(ブレトン・ウッズ協定1944年)の終了と
変動為替相場制への移行が行われます。
ここにおいて貨幣は、
シニフィアン=金と、シニフィエ=ペーパーマネーの絆が切られ、
今日の世界金融危機へと至時代が始まったのです。
この切断こそが、今日の表現のシニフィエ化の元凶であります。
そしてここから、複雑系の科学の発達が始まったのです。

しかしそうしたシニフィアンとシニフィエの切断が、
単に貨幣で起きただけでなくて、
人間の精神構造で起きた事を示しているのが、
このシド・バレットの音楽に潜んでいる狂気なのです。

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《想像界》の眼で《第41次元》の《真性の人格》
《象徴界》の眼で《第41次元》の《真性の人格》
《現実界》の眼で《第41次元》の《真性の人格》

《想像界》《象徴界》《現実界》の3界が無い人格
気体/液体/固体/絶対零度の4様態が無い人格

《気晴らしアート》的人格や、《シリアス・アート》的人格の
区別の無い人格。

《シリアス・アート》的人格や、《気晴らしアート》的人格の無い人格

シニフィエ(記号内容)的人間や、シニフィアン(記号表現)的人間の
区別の無い人間。

『平気でうそをつく人』とか、『真実の人』とかの区別の無い人格。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

《言語判定法》で、狂人の分析をしたのは初めてですが、
人格崩壊が起きている事が、
ある程度推測ができる、結果が出ていますね。








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ROVO(加筆1) [ロック]

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ROVOの『NUOU』(2008)というアルバムを聞く。

ROVOは日本のロックバンド。
1995年結成。
1995年というのは阪神淡路大震災と、オウム地下鉄サリン事件が
起きた年。
この年を境に、日本の戦後50年は完全に終わってしまった。

ROVOは、そうした新しい過渡期を転げ落ちる日本の音であると言える。
それは、決して悪いものではない。
日本のロックバンドが、ここまでの音を作り出している事に、
驚きを持たざるを得ない。

私の知っている音で言えば、
マイルス・ディビスのアガルタ/パンディアとか、
ジョンハッセルのトランペットとか、
イーノ系というか、ペンギンかフェとか、
友人ではバンドウジロウさんの音楽を思い出した。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

勝井祐二山本精一らが中心になって「宇宙っぽいことをやろう」
ということで結成されたというのだが、
「宇宙っぽいことをやろう」と言う視点は、新しい。
美術で言えば蔡國強(ツァイ・グオチャン)が、ほぼ同じ時期に、
宇宙人に作品を見せるとかいう発想を持っている。

勝井 祐二は、1964年うまれのエレキ・ヴァイオリニストで、即興演奏。
山本 精一は、1954年生まれ、主にギター。

この二人の演奏は印象に入ってくる。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
結成は1995年で、このNUOU』というアルバムは2008年、
つまり活動歴は13年を超えているベテランバンド。

アマゾンで見ると、

表題の通り、ROVOは大好きなんだけど 
このアルバムは焼き直しみたいな曲が多くて 
イマいち、いやイマふたつ好きになれません。


といった感じの感想が並んでいる。
音楽的には、成熟して、飽きられるところに来ているだろう。

飽きるというのは、
文化の動きで、重要な要素である。
飽きるから、変化していくと、歴史を考えることが出来る。

実際13年間で、ROVOは次のようなにアルバムを出している。

  • PICO!(1998年7月18日)ミニアルバム
  • imago(1999年8月4日)
  • PYRAMID(2000年4月19日)1曲のみ
  • SAI(2001年6月21日)
  • TONIC 2001 (2002年)ライブアルバム
  • live at liquidroom 2001.5.16(2002年7月6日)ライブアルバム
  • FLAGE(2002年11月21日)
  • LIVE at 日比谷野音 2003.05.05~MAN DRIVE TRANCE SPECIAL~(2003年10月10日)ライブアルバム
  • MON(2004年11月10日)
  • ROVO LIVE at MAGASIN 4 2004.06.04 Brussels,Belgium(2005年7月13日)ライブアルバム
  • CONDOR(2006年10月18日)
  • ROVO with Alejandro Franov + Fernando Kabusacki + Santiago Vazquez LIVE at Tokyo Cinema Club 7/7 2006(2007年5月24日)ライブアルバム
  • NUOU(2008年6月4日)

今回の世界金融危機の変動は、こうした多産であったROVOの
時代基盤を終わらせたと言える。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
1995年結成というと、
美術家で分かりやすく言えば、奈良美智である。

ROVOの音楽。
《想像界》の眼で《超次元》の《真性の芸術》
《象徴界》の眼で《超次元》の《真性の芸術》
《現実界》の眼で《超次元》の《真性の芸術》

《想像界》の音楽
気体音楽(情報化社会の音楽)

《シリアス・アート》《ハイアート》

シニフィエ(記号内容)の音楽(情報化社会の音楽)
《透視音楽》『オプティカル・イリュージョンの音楽』【A級音楽】

とは言っても、奈良美智が《第6次元》であるのに対して、
《超次元》で、格はROVOが圧倒的に高い。
つまり1995年以降の表現が、決して《第6次元》だけにあったのでは
無い事を示している。

奈良との共通性は、《想像界》の表現で、
シニフィエの表現である事である。

《想像界》の音楽は、基本的には万華鏡の様なものであって、
どれほど、きらびやかで面白くても飽きられるのです。
《想像界》の音楽は、ロックでは商業的に成功して、
ビックバンドになるので、
そうすると、客の飽きを超えるために、音楽を変えて行くのです。
しかしその変化にも限界は来ます。

ROVOが飽きられているように、奈良美智も飽きたと言える。
そろそろ新《想像界》の表現に飽きてきたのではないだろうか?

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
《想像界》というのは、
基本的には多数派の領域なので、
なにがあっても、多数者の共感を受けるものだ。

だから無くならないし、売り上げ的には、大きなものがある。

そしてROVOの様な《超次元》の水準に達していると、
それを評価する事は、当然であると言える。

しかし、この高度消費社会的な豊かさの音楽が、
終わったのではないのか?
という気持ちは、
現在の世界金融危機の深まりの中で、
感じざるを得ない。


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ラム/Lambのアンディ・バーロウ [ロック]

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イギリス、マンチェスターで1995年に結成された2人組のラムの、
ベスト版を、遅まきながら聞いています。

かなり奇妙な音です。
それはこのバンドが2人組なのですが、
その二人の音楽性がかなり違うからなのです。
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年齢差のあるバンドです。
女性が年上で、9歳違います。
デビューした1996年で、
女性のボーカリスト・ルイーズ・ローズは29歳。
男性のコンポーサーのアンディ・バーロウは20歳。

この初期の音が、素晴らしいです。
アルバムのトップにあるCOTTONWOOL(1995)は良いです。
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ボーカルのルイーズは、
「愛情や、生きる喜びといったものを歌にしたい」という考えが
あったそうです。ところが、コンポーサーのアンディの方
「ダークで、愛情なんてほとんど感じられないような、ポップじゃないもの
を作りたい」という正反対の方針があったというのです。

そのため、Lambという音楽は、
ブリストルドラムンベース、ダークなエレクトロミュージックに通じ
る破壊的で暴力的なサウンドを持つと同時に、ボーカルは、希望や愛情、
平和といった歌詞を歌う《第3次元》の世界が展開されているという
ミスマッチの独自の音楽を得たというのです。

私がひかれるのは、ダークなエレクトロミュージックに通じ
る破壊的で暴力的なサウンドの部分です。
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私は、ボーカルのルイーズ・ローズは、《3次元・コミュニケーション領域》
の人で、まあまあで、正直言うと、興味が無いのです。
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感動しているのは、コンポーサーのアンディ・バーロウの方で、
ラップトップを使ったクラブミュージックをメインに、
生のパーカションを多用するなどドラムンベースユニットとしての
音楽性なのです。

《想像界》の耳で《超次元》の《真性の芸術》
《象徴界》の耳で《超次元》の《真性の芸術》
《現実界》の耳で《超次元》の《真性の芸術》

《想像界》《象徴界》《現実界》の3界をもつ重層的な表現
気体/液体/固体/絶対零度の4様態をもつ多層的な表現

《シリアス・アート》《ハイアート》
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バンドとしては4枚のオリジナルを出し、
ベストを1枚、
そしてリミックも出して、
終わっているのです。


タグ:ラム lamb
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急報:小室哲哉5億円詐欺で逮捕 [ロック]

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Sさんからいただいた、急報です。

小室哲哉5億円詐欺で逮捕されました。

世界経済危機の時代の崩壊現象が、音楽の世界にも現れたのです。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

皆様

Sです。
小室哲哉が逮捕にはびっくりしました。
時代の寵児だったミュージシャンの転落劇は時代の変化の早さ
も感じます。


実は偶然LPを持っていてSpeedwayという渋いハードロック時代
の彼を知ってます。TMネットワークの盟友宇都宮隆、木根尚登
もそこにいました。
カルチャークラブ風の風貌でTMが派手に出てきたときに思い出
せないくらい地味な存在だったのです。
その変貌に驚いたのですが、長者番付にも出た彼の彼の変貌も
また驚きです。

TMはまじめには聞かなかったのですが、
テクノ/ダンスを先取りした音の陰にプログレ/ハードロック
の匂いがあって結構好きではありました。
日本語を早口な節回しでリズムに乗せるのは桑田と彼らが最初
だと思います。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


小室哲哉5億円詐欺で逮捕へ!離婚も濃厚

11月4日7時1分配信 スポーツニッポン


 人気音楽プロデューサーの小室哲哉(49)が所有していない著作権を譲渡すると偽って兵庫県内の投資家から5億円をだましとった疑いが強まり、大阪地検特捜部は3日、小室ら取引に関係した計3人の逮捕状を取った。4日に事情聴取し、容疑が固まり次第逮捕する。一時は高額納税者番付に名を連ねた小室だが、事業の失敗で多額の借金を抱えていた。関係者によると、一緒に音楽ユニット「globe」を組む妻のKEIKO(36)とも離婚することになりそうだ。

 90年代の日本の音楽シーンの頂点に君臨し、手掛けたCDの総売り上げは1億7000万枚を超える希代のヒットメーカーが逮捕される。

 問題となっているのは06年8月、小室が手掛けた計806曲分の著作権を10億円で売却すると兵庫県芦屋市の投資家男性に持ち掛けたこと。その曲の大半は小室が作詞作曲したものだったが、実際は著作権を譲渡する権限はなかったという。それを知りながら、同月に代金の一部として男性から5億円を受領し、だまし取った疑いが持たれている。

 関係者によると、大阪地検特捜部から小室は「きょう4日に詳しい事情を聴きたい」と言われており、その場で逮捕される見通しだ。

 96年から2年連続で高額納税者番付の第4位に入り、年間所得が20億円に達するなど日本の音楽史上最も稼いだ男と言われた。それが他人の金を詐取するという誰も想像もできなかった転落ぶり。ひとつの原因は00年に香港に設立し、株式上場させた音楽制作会社「ロジャム」の失敗だ。

 世界のメディア王、ルパート・マードック氏率いる会社と組むなど“世界のTK”としてビジネスに参入したものの、上場から1年足らずで大幅な赤字に転落。02年に持ち株すべてを売却し、損失額は70億円といわれている。

 その後は転落の一途で米ロサンゼルス、ハワイ、バリに持っていた豪邸やスタジオを売却。3億円相当のベンツやフェラーリなど高級外車も売り払った。02年に離婚した前妻の歌手の吉田麻美(33)との慰謝料は7億円に上り、05年にはJリーグ「大分トリニータ」への年間スポンサー料7000万円を滞納。所属していた吉本興業からも契約を解除された。

 関係者によると「いまも1億〜2億の印税収入がある。だが、浪費癖が直らないから借金は増えるばかりだった」という。一方で、スタッフたちの月給を滞納し、次々と部下が去っていった。「その代わり、音楽とは関係のない世界からいろんな人たちが群がってきた。今回の事件は、その象徴だろう」と指摘する。

 転落する夫を支えてきたKEIKOも、かなりショックを受けているという。昨年11月12日に実父を亡くし、もうすぐ1年。小室もKEIKOの実家に迷惑を掛けられないことから、離婚には合意するとみられる。

 ◆小室 哲哉(こむろ・てつや)1958年(昭33)11月27日、東京都生まれ。早実から早大に進学するも音楽活動を優先し中退。84年に音楽ユニット「TM NETWORK」を結成しデビュー。94年から華原朋美、安室奈美恵らに楽曲提供を始め、ミリオンを連発。01年5月に歌手の吉田麻美と結婚したが、02年3月に離婚。同年11月22日にglobeのKEIKOと結婚。尚美学園大学(埼玉県川越市)芸術情報学部の特任教授で音楽特論を担当。血液型O。

最終更新:11月4日7時1分

スポーツニッポン

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ロバート・ジョンソン(加筆写真追加校正1) [ロック]

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ロバート・ジョンソンは、アメリカのミシシッピー出身のデルタ・ブルースマン
ブルースという音楽をつくったというか、正確には水準を上げて、
芸術の領域に持って来た人です。
《ローアート》ではあるのですが
《真性の芸術》になっています。
ブルースが、《真性の芸術》として成立したことは、
その後に大きな影響を与えて行く事になります。

その人生は27歳で終わっていて、
残したものは3枚の写真と、29曲42テイクだけ
2枚組CDの完全版を買ったのは、ずいぶん昔で、
おりを見て聞いて来ていますが、
偉大なものは理解しにくいという原則通りに、
このロバート・ジョンソンの音楽も、
私にはむずかしかった。

その理由は,一つは、ヴォーカルが《8流》で、
ただし3界とも《真性の芸術》であったことです。

アコースティック・ギターは、
《超1流》で、これも3界とも《真性の芸術》で、
格付け的には、評価は高いものです。

音楽全体も《超1流》で、《真性の芸術》です。
《ローアート》ではありますが、
《シリアス・アート》です。

芸術であるということ、
あるいは真性の芸術になるということが、
何であるのかという事を、
ブルースの成立は、刺激的に考えさせるものです。

アフリカから、奴隷として鎖でつながれてきた黒人は、
言語を取られ、宗教を取られ、楽器を取られました。
英語をつかい、キリスト教を信じさせられ、そして白人の楽器であるギターで、
彼らは自分たちの音楽を作り、それを《真性の芸術》の領域にまで到達させたのです。

その音楽は、多くの白人をも感動させて、今日のロックミュージックへと発展したのです。
つまり芸術の発生の秘密は、ブルースの成立の中に宿られているのです。

黒人奴隷の中から、ほとんど無の中から、新しい音楽が生まれたのです。
正確には《ローアート》の発生が、初期ブルースに見えるのです。
多くのブルースマンの伝承と模倣の中で、才能のある人が、
ステージを上げ行いったのです。

この《ローアート》を土台にして、
後の《ハイアート》としてのロックが成立します。
そしてその果てに、芸術の死が出現します。

ブルースや、
ロックの歴史で、その死まで描くのは、
あまりに複合した展開なので、
私にはむずかしいのですが、

たとえば浮世絵を見ると、

初期の菱川師宣、鳥居 清信、鈴木 春信、勝川 春章までは《ローアート》です。

中期になって、喜多川 歌麿が登場すると《ハイアート》になります。

東洲斎 写楽も、もちろん《ハイアート》ですが、
写楽と競争をして、勝った歌川豊国は、《ローアート》です。
民衆は、《ローアート》を好んだのです。

後期の葛飾北斎と歌川 広重は、《ハイアート》です。

しかしこれ以降、歌川 国芳、落合 芳幾、月岡 芳年、河鍋 暁斎と、
《ローアート》になって、終焉します。

つまり《ローアート》→《ハイアート》→《ローアート》という経緯を経て、
浮世絵は、終わったのです。

同様の現象は、他の芸術様式にも、変形やさまざまな違い、
さらには複雑化した展開はあるのでしょうが、
基本は、浮世絵のこの単純な構造と同じであると見て、
それほどの間違いは無いと思います。

1975年以降のアメリカ現代美術史のテキストとして、
私は『アメリカンセンチュリー』という、
ホイットニー美術館のカタログ2冊を使っていますが、
1975年以降になると、《ローアート》が大量に出現する様になります。
こうしたものを、現代美術の終わりとして見るべきなのか?

それとも、新しい情報化社会の、新しい芸術の発生としての《ローアート》であると、
見るべきなのか?
この辺の判断はむずかしいのです。

終わりと、始まりが入り交じっていると見るべきなのかもしれません。

どちらにしろ、現在の経済危機の終息後に、
少しはっきりするかもしれません。
もっとも、もっと分からなくなるかもしれませ。

1929年の世界大恐慌、
その前の1923年の関東大震災、
この2つで、大正新興芸術運動は終わりを遂げます。

そういう意味で、
1929年と同じ様に、
村上隆/奈良美智の時代は、
終わりを遂げるはずです。
ROBERT_J3.jpg

Rebert2.jpg
ロバート・ジョンソンの顔です。
《想像界》の眼で、《超1流》
《象徴界》の眼で、《超1流》
《現実界》の眼で、《超1流》

《想像界》《象徴界》《現実界》の3界のある人物。
固体/液体/気体の3様態のある人物。

たいした人物です。





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はてなタクシー [ロック]

はてなタクシー.jpg

清水誠一さんには、2人娘さんがいる。
そのお嬢さん2人が、ロックバンドを作ったと言うので、今晩見に行った。

ロック・バンド「 ?TAXY(はてなタクシー)というものです。


渋谷屋根裏という、ライブハウスで行われたのです。

場所は、渋谷スペイン坂を上がり、映画館ライズの角を左折してすぐ。

http://shibuya-yaneura.com/

 

1021(Tue) Open6:00pm Start 6:30


6バンドが出演し、?TAXYは、番目でした。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

6バンドが出たのですが、

最初のバンドが、《8流》で、ひどいしろもの。


2番目が、《7流》で、ユニクロ的なおもしろさで、聞けた。


ユニクロは《7流》なのです。

《7流》はビジネス領域です。

 


3番目が、《6流》で、一人での演奏で、けったるい。

《6流》は自然領域。

自然は、けったるいのです。


4番目が、はてなタクシーで、《3流》バンド。

《3流》というのは、ポップスで、コミュニケーション領域。


一緒にやっているKOBAさんのギターが《3流》でよかった。

それとヴォーカルのKIKAが、なかなか《3流》で、ポップスしていて良い。

清水さんの娘さんのNAKANOが、きちんとベースを弾いているので驚く。

SAEさんのドラムも、思ったよりも巧くて驚かされた。

SAEさんのヴォーカルは、まあ、巧いものではなくて、

彼女のおっぱいは大きいので、バギーっと、服をひっちゃぶいて、

おっぱい見せてくれると良いのに、と、そういうひどい事を考えながら、

見ていた。

 

彼女の昔の映画で、ヌードを見せられて、その大きなおっぱいに驚かされた

記憶ゆえの、まあ、馬鹿な思いでありました。

もちろん、そういう猥褻な夢想は満たされる事無く、

無事に、頑張った最初のライブが終わったのです。


次の5番目のバンドは、《2流》バンド。

これは巧かった。

《2流》は技術領域。

ボーカルとドラムが《一流》で、素晴らしい!


6番目のバンドは《1流》で、

演奏は良かった。

《1流》は社会的理性領域。

ヴォーカルが駄目だが、ギターは、良かった。

ベースも良かった。


久しぶりにライブハウスでの若い未熟バンドを聞いて、

けっこう、落ち込んでしまった。

なんというか、表現が生々しくて、

 

身につまされるのだ。


まあ、表現はむずかしい。

しかし、こっちは歳だから、

もう、見切ってしまって良いのではないのか。


最近は芸術分析の蓄積もあるのだが、

けっこう、腹がたつというか、

結局は、最後には通俗に至りつく世界が、

嫌になっている。


しかし、思いっきり通俗で良いのではないだろうか。

人間の存在は、極めて迷妄である。

どうやら文明は《21流》に至りつくようである。


観客は通俗である。


観客に向けて表現をする限り、

最後は通俗な視線にさらされるしかない。


ならば、通俗に徹する事で、

通俗に背理する地点にトンボを切って着地して行くしか無い。


あらゆる意味で、通俗と交差しつつも焦点を決してあわせないことしか、

トンボを切る場所はない。



善くも悪くも、

乱暴に見切る時が来ていると思う。


出来るだけ粗雑に、

乱暴に見切る。


服は引き裂き、

おっぱいをむき出しにして行くのが、

正しいのではないだろうか。

音楽の本質などは、いらない、と、

見切って、トンボを切る。


音楽の本質は消失したのである。

美術の本質も、消滅したのである。

残っているものは、愚劣な通俗だけなのである。

消失を受け入れれば、その愚劣な通俗の中に、

音楽や、美術の本質が成立する場所が現れる。



 Second Live

1118(Tue) 三件茶屋Heaven’s Door 詳しくはインターネットでお調べください。


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ベック(加筆2 改題 図版刷新) [ロック]

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カートコバーンが、1994年4月5日、自宅で自殺した。

カートコバーンというのはニルバーナというバンドリーダーで、グランジというロックスタイルを確立し、アメリカを代表する大アーティストです。売り上げも凄いです。これが大スターの頂点で、ライフルを口にくわえて自殺した。それが1994年です。

この1994年にベックが「負け犬」という曲で、ベックが出現します。

こうしたすごい話を話してくれた人は、伊東直昭さんです。伊東直昭さんは、音楽の趣味がすごいのです。今でも、渋谷陽一のつくった音楽雑誌であるロッキング・オンを読んでいます。私は、昔は『ミュージックマガジン』で書いていたこともある人なのに、もう音楽雑誌を買わなくなっています。雑誌を買うと、どうしてもCDを買ってしまって、それも半端ではないので、そういう経済的負担に耐えられなくなっていたのです。そういう私に、伊東さんは、いろいろ教えてくれるのです。

前にこのブログでとり上げたスージー&バンシーズを、再認識させてくれたのも伊東直昭さんだったのです。スージー&バンシーズは1970年代後半のリアルタイムで「カレッドスコープ」を買っているのですが、正直言って、その凄さを良く理解できないで、1枚で終わっていました。伊東直昭さんの車に乗って聞かされて、《超1流》性に驚いたのです。パンク・ムーブメントは《6流》ですが、その中で例外的に《超1流》バンドが出現したのが、スージー&バンシーズでした。

話がそれていますが、スージー&バンシーズには続きがあって、私のブログを読んで、清水誠一さんが聞いたのですが、分からなかったと言うのです。こういう話は面白いのです。

清水誠一さんは、すごくメジャー志向の人で、社会性が高い。なにしろMacを止めて、ウインドウズになってしまった人であって、実際の清水さんの作品や文章はそれが反転しているのですが、生きている興味そのものは社会性が私よりもずっと高い人で、私にいろいろと教えてくれて、私はずいぶんと助けてもらっているのです。その彼が「ゴス/ゴシッカー」の元祖であるスージー&バンシーズを理解できないというのが、すごく面白かったのです。なぜならブログでも問題にした様に、《1流》性という社会的理性の領域を意識的に排除した音楽が、スージー&バンシーズだったからです。

佐々木薫さんは、スージー&バンシーズを尊敬していて、その清水さんとの感覚の差が面白いのです。人間の感覚というのは、各自違うし、各自その盲点があるのです。清水誠一さんは、社会的理性性である《1流》を欠いている表現を理解できる感性を欠いている。それが欠点というのではなくて、逆に利点であると思うのです。だからこそ、社会性の高い知識や常識を持っておられる。

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さて、本題のベックです。
これは凄いミュージシャンです。しかしたぶん、これも清水誠一さんには、分からないかもしれない。音が、凄すぎて、何でもなくて、ただのフォークソングに聞こえるかもしれない。いろいろな種類の音楽ルーツが1曲の中に混在しているのです。クフォーク/カントリーヒップホップ、ファンク/ソウル/ディスコ、実験音楽やブルース、ハードロック等々多様なすべての音楽スタイルを、非常に高次元なポップ理論で解釈・還元して、表面的には、それこそビートル的な《3流》に聞こえるものもあるのですが、音は複雑にひずみ、転調し、転移し、スライドし、《超1流》の音楽に組み立てているのです。ハウスのリミックスを、演奏レベルでやっているとも言えます。ミックチャー音楽の高度なものと言うべきでしょうか。音楽コラージュ、あるいはリミックスを重ねながら、音楽の気体化を、メロディや音楽構造全体に波及させたところが、極めて今日的な音楽です。時代性そのものもリミックスされているので、いつの音楽なのかも、わからない感じがします。1960年代の音の様にも、聞こえる。音楽史そのもののコラージュ化、リミックス化です。凄い!の一言ですが、3界すべてで、《超1流》の真性の芸術です。

こうしたものは、分かりにくい。画家で言うと、井上長三郎さんに似ている。諧謔の画家と言われます。諧謔の絵画というと、オノレ・ドーミエという19世紀フランスの画家がいますが、私は大好きです。話が大幅に脱線しますが、まずドーミエを少し見てください。

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こういう飲んだくれに、ベックの音は似ています。

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ドーミエ
《想像界》の眼で《8流》
《象徴界》の眼で《超1流》から《41流》までの多層表現。
《現実界》の眼で《8流》

3界の全部で《退化性》のある真性の大芸術家です。

ドーミエは、生涯に4,000点近い版画を残したほか、数三百数十点の油絵を残している。
さらにドーミエは、数十点の彫刻も作っていて、これが素晴らしい!

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このドーミエは、ロートレックゴッホをはじめ、多くの画家に影響を与えたましたが、日本の井上長三郎にも影響を与えているのです。

彼の作品は、戦争中の新人画会から出て来たもので、麻生三郎とかと、一緒の時代の絵描きです。これが戦後に至まで、凄い《超1流》の絵画を描き続けた巨匠なのですが、多くの人には理解できない作品となっています。

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井上長三郎の画像をさがしても、インターネット上には、ほとんど無い。だからといって、私がスキャンする手間をかけて評価を上げる努力をしたところで、井上長三郎は、依然として多くの人には分からないであろう。良いものというのは、そうしたものなのです。この井上長三郎の絵画の脱力的な、諧謔の精神が、ベックに似ていると、私には思えるのです。

さて、ベックです。

ベック・ハンセンBeck Hansen) は1970年生まれロサンゼルス出身のアメリカ歌手

ユダヤ系ドイツ人の父とスウェーデン系の母は共に芸術家で、ベックが幼い時に離婚。

兄弟と共に母に育てられる。ロサンゼルスで、母の仕事である芸術を見て育つ。高校を中退し、祖父で芸術家のアル・ハンセンの元を訪れ、1960年代に流行した芸術運動であるフルクサスに祖父の手引きで触れる。

じつは彦坂尚嘉というのは、先生が刀根康尚というフルクサス系の音楽家だったので、デビュー作のフロアイヴェンという作品もそうですが、これはフルクサスの系譜から出て来ているのです。

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だからベックの音楽の、空気が良く理解できます。

ルーズで、多様なものに興味を示し、日常への下降性の中に、芸術をさせるネガティブ性を立ち上げる面白さです。

さて、ベックです。一度ニューヨークに出て、1980年代後半に流行したパンクの影響を受けたアンチフォーク音楽運動に関わって、1980年代末にロサンゼルスに戻り、様々な低賃金の仕事を渡り歩き貧窮に苦しみながら、インディーズアーティストとして、1993年に12インチのビニルレコード盤『Loser(負け犬) 』が、初版500枚で売り出される。

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これが、オルタネティブミュージック専門ラジオで評判を呼び、1994年に『Mellow Gold』を出し、メジャーデビューを果たす。

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このアルバムデザインは、カッコいい。

《想像界》の眼で《超1流》
《象徴界》の眼で《超1流》から《7流》の重層表現
《現実界》の眼で《超1流》

3界で《退化性》のある真性の芸術です。

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この3枚聞いています。





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ヘルメット/短編(加筆2,画像更新) [ロック]

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90年代にヘヴィネスを追求した重要なバンドの一つである
HELMET(ヘルメット)のBETTY(ベティ)という94年の3rdアルバムを聴いた。

《想像界》の耳で《1流》
《象徴界》の耳で《超1流》から《41流》の重層表現
《現実界》の耳で 《41流》

《想像界》《象徴界》《現実界》の3界を持つ音楽。

たいしたものである。

中心人物のペイジ・ハミルトンが、
1985年からニューヨークのマンハッタン音楽学校で
ジャズやクラシックを本格的に学んだということで、
スラッシュメタルをベースに、
それらを取り入れた奇妙なリフをヘヴィに鳴らし
ジャズっぽい変拍子やコード進行が溢れている。

ペイジ・ハミルトンの顔
《想像界》の眼で《1流》
《象徴界》の眼で《超1流》から《7流》の重層人格。
《現実界》の眼で《41流》

スラッシュの重低音をコピーしながら、
極めて抑制的に音楽を組み立てている。
この抑制性が、良いのだ。

アルバムデザイン
《想像界》の眼で《超1流》
《象徴界》の眼で《1流》
《現実界》の眼で《41流》
なかなかきれいである。

2枚をアマゾンで注文する。

【7/24.2008 記事追加】

90年に地元ミネアポリスのインディレーベルからリリースされたデビューアルバム
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これは《21流》で、たいした事無かった。

Helmetの最高傑作と言われ、ヘヴィロック史上最重要アルバムの1枚という、
メジャーデビュー作に当たる92年の2ndアルバム
HELMET2_.jpg
これは、
《想像界》の耳で、《超1流》
《象徴界》の耳で、《1流》から《7流》の重層表現
《現実界》の耳で、《1流》

まあ、それほどの音ではない。

買って、損をした。

3枚目の方が良い。

これ以降のアルバムの評判が悪い。
ペイジは売れることを意識していたとの話があり、
商業主義の罠にはまってエネルギーを失ったようである。
普通のパターンである。

常に初心に回帰しないと、
エントロピーは増大するものなのである。
こういう衰退を乗り切る才能は、
もう一つ別なものである。



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