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中国美術品バブル崩壊(加筆3) [歴史/状況論]

美術バブル.jpg

朝日新聞の2009/5/16日の記事です。

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タグ:蔡國強
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中国核実験で19万人急死(加筆1) [歴史/状況論]

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China's first hydrogen bomb test

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【加筆】
フリーキュレターの松永さんが、下記報道の信憑性について、
疑義を、AWのメーリングリストで書かれています。
それはこの報告は思想性の強い高田教授の調査なので信用できないというものなのです。
つまり科学者でありながら、科学雑誌ではなくあえて右翼誌である『正論』に掲載するから、
疑わしいというのです。

疑う事自体は良いと思いますが、
私は、核実験での人的被害は、かなり出ているだろうと思います。
アメリカの実験でも、公表されていないアメリカ人の被害は、
かなり大きいらしいという報道は、今までもありました。

正確な数字はいろいろの説があるだろうとは思いますが、
かなりの数の死亡者がいても、不思議ではありません。

中国政府は、いままでも人命軽視を繰り返して来ています。
文化大革命でも数千万人が殺害され、
天安門広場での虐殺も数千人にのぼると推定されています。

信用できないのは、むしろ中国共産党なのです。


MSN産経ニュース


中国核実験で19万人急死、被害は129万人に 札幌医科大教授が推計 (1/2ページ)

2009.4.30 19:03
このニュースのトピックス中国

 中国が新疆ウイグル自治区で実施した核実験による被害で同自治区のウイグル人ら19万人が急死したほか、急性の放射線障害など甚大な影響を受けた被害者は129万人に達するとの調査結果が札幌医科大学の高田純教授(核防護学)によってまとめられた。被害はシルクロード周辺を訪れた日本人観光客27万人にも及んでいる恐れがある。

 5月1日発売の月刊「正論」6月号掲載の「中国共産党が放置するシルクロード核ハザードの恐怖」と題する論文で明らかにした。

 高田教授は2002年8月以降、中国の核実験に伴う影響を調査した。高田教授によると、中国の核実験は1996年までに爆発回数で46回。爆発威力や放射線量、気象データや人口密度などをもとに被害を推定した。

爆発では楼蘭遺跡の近くで実施された3回のメガトン級の核爆発で高エネルギーのガンマ線ベータ線アルファ線などを放射する「核の砂」が大量に発生した。上空に舞い、風下に流れた「核の砂」は東京都の136倍に相当する広範囲に降り、その影響で周辺に居住するウイグル人らの急性死亡は19万人にのぼる。甚大な健康被害を伴う急性症は129万人のうち、死産や奇形などの胎児への影響が3万5000人以上、白血病が3700人以上、甲状腺がんは1万3000人以上に達するという。中国の核実験は、核防護策がずさんで、被災したウイグル人に対する十分な医療的なケアも施されておらず、129万人のうち多くが死亡したとみられる。

 広島に投下された原爆被害の4倍を超える規模という。高田教授は「他の地域でこれまで起きた核災害の研究結果と現実の被害はほぼ合致している。今回もほぼ実態を反映していると考えており、人道的にもこれほどひどい例はない。中国政府の情報の隠蔽(いんぺい)も加え国家犯罪にほかならない」と批判している。

 また、1964年から1996年までの間に、シルクロードを訪問した日本人27万人の中には核爆発地点のごく近くや「核の砂」の汚染地域に足を踏み入れた恐れがあり、こうした日本人への影響調査が必要と指摘している。


タグ:中国核実験
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フランスは燃えているか? [歴史/状況論]

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【情報出典/地下大学】http://www.chikadaigaku.net/events/パリは燃えているか?/

フランスだけではなくて、
ヨーロッパが燃え始めたようですね。
特にフランス革命の伝統を持つだけに、
フランスの暴動には、力強さがあります。

フランスでは現在、68年五月革命より長いと言われる、

大学関係者によるストライキとデモが行われているそうです。

これはサルコジ政権の経済政策や教育「改革」に反発する動きで、

多くの大学では教職員を中心として無期限ストライキが続いるとのことです。

軌を一にして8つの労組が呼びかけたゼネストはフランス全土に広がり、

500万人が参加したと伝えられます。

また全国195か所で集会とデモが行なわれ、

250万人の労働者・市民が参加したと報じられています。

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美術系ラジオ公開しました [歴史/状況論]

近頃メディアで目にする言葉「アートフェア」。

誰にでも買えるよう、オークションではなく市場のように美術作品を売るところです。

中でも東京最大級の「アートフェア東京2009」(@東京国際フォーラム)を一通りくまなく探検してきた濱田+五十嵐、その前に「101Tokyo」(@秋葉原UDX)も見てきた天内が、アートフェアの「中の人」池田+彦坂、美術メディアの太田、美術家の田嶋に「どうなっているの?」とお尋ねします。

以前開かれていた同種のイヴェント「NiCAF」、「アートフェア東京」の傾向、「建築フェア」はあり得るか、コンセプトとコンテントと市場(2009年4月5日、東京国際フォーラムのカフェにて)[テキスト:天内大樹]。

美術系ラジオ
聴く:美術系ラジオ第4回「アートフェアって?」
(MP3形式、16.9MB、24分39秒) 

http://radio.tatsumatsuda.com/

出演者:彦坂尚嘉天内大樹+五十嵐太郎+池田剛介+太田丈夫+田嶋奈保子+濱田由美



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景気後退は長期・深刻化へ [歴史/状況論]

国際通貨基金(IMF)の発表した世界経済見通しの分析部分を読むと、

世界経済の景気悪化は、異例に長期化し、深刻化して行く見通しと

なったと考えざるを得なくなりました。

各国の財政出動が一巡する2010年には、

さらに景気が息切れするし、悪化する危険性が出て来ています。

美術界は、大きく変動するでしょう。


景気後退は長期・深刻化へ=回復も緩慢−対策は財政出動が有効・IMF

4月16日23時37分配信 時事通信


 【ワシントン16日時事】国際通貨基金(IMF)は16日、半期に一度発表する世界経済見通し(WEO)の分析部分を公表し、金融危機と世界同時不況が重なった現在の景気後退は「異例に長く、深刻なものになり、回復も鈍いだろう」との見通しを示した。景気対策としては財政出動が有効だとしている。
 WEOの分析は、24日から始まる先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)など一連の国際金融会議に報告される。危機の深刻さを改めて裏付けるとともに、財政出動に慎重な欧州諸国を説得する材料として活用されそうだ。各国・地域の経済予想部分は22日に発表される。
 IMFは、日米欧など先進21カ国の1960年以降の景気循環を調査。現在の景気後退を除くと、金融危機を伴う景気後退は日本や北欧などで15回、10カ国以上で同時進行した景気後退は石油危機に直面した75年など3回あった。
 IMFの分析によると、通常は景気後退が1年程度で終わるのに対し、世界同時の景気後退の場合は外需が弱くなるため、約1.5倍に長期化する。金融危機を伴う景気後退では土地や住宅などの資産価格の下落を受けて家計が債務圧縮に努めて貯蓄に励むため、消費が低迷する。
 金融危機と世界同時不況が重なると、不況はさらに悪化。過去にそれを経験したフィンランドなど6カ国では、景気後退の期間が平均で約2年、経済成長率は4.75%以上も落ち込んだ。
 政策対応については、金融危機を伴う景気後退には「金融政策の効果は大きくない」と分析。これに対し財政出動を行えば、後退期間は平均で約1四半期短くなる。また景気回復に向け「金融機関への信頼回復がカギを握る」としている。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

「米国主導型」は終えん
  =金融サミットで強調—英首相=

 【ロンドン2日時事】金融サミット(首脳会合)で議長を務めたブラウン英首相は2日の記者会見で、「ワシントン・コンセンサスは終わった」と述べ、米国一国主導の国際金融支配体制が幕を閉じたとの見方を示した。

 同コンセンサスは、米国の巨大金融資本が世界市場を席巻してきた旧来型の金融ビジネスモデルをやゆした言い方。首相は「世界規模の問題に対処するための新たな多国間の国際協調体制に移行した」と総括し、自ら議論取りまとめに奔走した会議の歴史的意義を強調した。

 一方、サルコジ仏大統領は金融規制強化で各国が一致したことを踏まえ、「規制の失敗が現在の危機の元凶であることが公式に認められた」と胸を張り、「世界が金融のモデルとしてきたアングロ・サクソン型の金融のページは終わった」と指摘した。

 規制強化でフランスと歩調を合わせたメルケル独首相も「われわれが取り組んだすべてのことは、(現在のような)危機を繰り返さないためのものだ」と述べた。(2009/04/03)

各国の確約取り付けられず
  =追加景気対策で—米国=

 【ワシントン2日時事】オバマ米大統領は2日の主要20カ国・地域(G20)金融サミット(首脳会合)で、各国から追加景気対策について具体的な確約を取り付けることはできなかった。

 危機再発防止に向けた規制・監督改革が主題であるはずの金融サミットで大統領は景気対策にこだわった。不況脱出が政権の命運を左右する政治的課題でもあるからだ。

 史上最大の景気対策で内需振興を図るものの、各国が不況に沈んだままでは外需は伸びず「効果は半減」(大統領)。各国の財政出動が一巡する2010年には景気が息切れする恐れもある。

 だが前哨戦となった3月のG20財務相・中央銀行総裁会議で米国がぶち上げた国内総生産(GDP)の2%規模という景気対策の数値目標はドイツやフランスなどの反対でとん挫。今回の金融サミットでは退席をちらつかせるサルコジ仏大統領の前にオバマ大統領も歩み寄らざるを得ず、結局、共同声明は「成長回復のために必要な財政出動の規模維持を約束する」との無難な表現に落ち着いた。

 国際通貨基金(IMF)の財源確保や保護主義回避の確約では「重要な進展」(カーネギー国際平和財団のウリ・ダドゥシュ国際経済部長)もあり、大統領は国際協調を優先してとりあえず矛を収めた形。ただ今後も米国は個別に財政出動の圧力を強めるとみられ、景気対策をめぐる対立の火種は残りそうだ。(2009/04/03)

 

 

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フラット化しない世界/村上隆の終り(2)[加筆3画像追加] [歴史/状況論]


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◆◆1◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

「グローバル化で世界は平になったように均質化すると書いた」のは、
アメリカのコラムニストであるトーマス・フリードマンであったのです。

それを書いたのは『フラット化する世界』という本でありました。

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こう書くと、村上隆は、このトーマス・フリードマンをパックって、
「スーパーフラット」を書いたように思えますが、
それが違うのです。


トーマス・フリードマンの『フラット化する世界』は2005年、
村上隆の『スーパーフラット』は2000年で、
村上隆の方が、この2冊の本だけで言えば、早いのです。

さて、重要なのは、
日本経済新聞が1面のコラムに、
フラット化しない世界という記事を、
昨日に載せたことです。

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ホンダの飛行開発機戦略を中心にした記事ですが、
重要な事は、次の様な内容です。

融危機で、米国一極体制がゆらぎ、新興国の存在感が
増しましたた。そして米欧機軸の「世界標準製品」が市場を席巻するという
見方は、色あせたというのです。

均質から多様へ、グローバルの向う方向が変わったというのであります。

この変化が、日経新聞の言う通りなのか?
という疑いがあるにしても、村上隆のスーパーフラットの登場以降の、
アメリカのサブムラムローンによる借金漬けの過剰消費と、
日本の円安の時代が、遂に破綻した事は確かです。

村上隆が予言して実現し、
ニューヨークタイムスを代表するコラムニストが追随した
『フラット化する世界』は、終わったのです。

もともとが、一億総中流化の時代が終わって、
上流と下流に分化され、格差社会に成って行く時に、
《スパーフラット》は語られて来ていたのです。
つまり言っている事と、進行する事態は、乖離していたのです。

芸術論としても、《スパーフラット》は、
グリンバーグの平面理論の通俗化を延長したものでしか
ありませんでした。

グリンバーグの絵画論は、単純な平面への還元ではなくて、
4種類に絵画を分類していたのです。
さらには《原始平面》と《透視画面》の区分が重要で、
こうした緻密で厳密な分析性を持たない絵画論が、
《スパーフラット》理論でありました。

今日の状況は、
村上隆の「スーパーフラット」理論の終焉を指し示しています。

時代は、多様性と、非均質性に向うのです。
こういう転換は、大歓迎です。
私の《超次元》から《第41次元》という42段階の分析は、
世界が、非均質である事を、分析しているからです。

世界は非均質に、多層化し、それはまるで古いインドのカースト制度の
再現であるかのように多重化しているのです。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

この昨日の日本経済新聞は、独自のアンケート調査の結果として、
景気が悪化し、回復は来年の10月以降という見方を書いています。

これは、大変な事です。

昨年暮れの私の予想は、オバマ就任から5月までの間に、
景気は底入れをするだろうというものでありました。

あらゆる予想は、外れるものですが、
この6月を超えてもなお、景気が底入れをしなければ、
世界秩序は、根本的な変化の中に、入ります。

かなり大きな変動になるということになります。

美術状況もまた、経済変動の上に乗っているのですから、
美術作品の制作の価値そのものの変化を受けることになります。

今までの様な、美術大学の卒業生を青田刈りして、
高値に、つり上げると言った魔法は、もはや出来なくなります。
ハイリスク/ハイリターンの時代は、終わったのです。

反転して、キャリアのある、実力アーティストの時代になります。
彦坂尚嘉の時代が来ます(笑)。

我田引水でしかないので、信じる必要はありませんが、
しかし、「スーパーフラット理論」が終わった後の芸術理論を
準備して来ているのは彦坂尚嘉なのです。
まあ、これも我田引水ですが、
客観的にも、そうであると自負します。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

ハイリスク/ハイリターンの時代は終わり、
ロー価格、ハイクオリティの時代になります。

実力の有る《真性の芸術》家が、
細々とですが、少数者に理解され、評価されて、
そこそこの値段で、売られ買われる時代になるのです。
少ないお金で、本当の意味の芸術コレクションが出来る時代に
なります。

転売目的ではなくて、自分で長期に持って鑑賞する作品を、
買う時代になるのです。

重要なのは、変動相場制における適正価格の追求です。

再び、《真性の芸術》の蘇る時代になります。

美術作品の価格は、芸術的価値によって付けられるべきなのです。

村上隆の作品に、芸術性が消えている事は、
すでに別の日に指摘しました。
村上隆の作品は、もはや現代工芸にすぎません。

村上隆のスーパーフラット理論の効力の時代も終わったのです。

いよいよ退場なのか?(笑)。

芸術新潮で、村上隆のインタビューが載っているそうです。

【特別記事】1
「世界のムラカミ、骨董を語る」

という記事です。
村上隆は、骨董を集めているようです。

私はまだこの記事を読んでいません。
友人2人から、電話をもらい教えられました。

現代アーティストが骨董趣味になるというのは、
創造性を失った時に現れる症状なのです。
骨董趣味に沈没した村上隆は、老人化し、
隠居するのです。






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奈良・草間の価格グラフ/近代国家の破綻(改題2加筆2) [歴史/状況論]

情報を見ていると、そろそろ底を打って来て、
この金融危機も、なんとか乗り切るのかなァ、という印象はあって、
この程度だと、変動としては小さくて、
もう少し大きく崩れて欲しいという、不穏当な考えも少しあったのです。

どうせなら、もう少し大きく変化して欲しいですからね。

ところが、底打ちというのは、
どうもプロは考えていないらしくて、
日経ビジネスを買うと、暗い話のオンパレードでした。

しかし、これはジャーナリズムの故のものであって、
そのまま、信じる必要はありません。


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世界経済の猛烈な悪化が止まらない。もはや急激な収縮をどう防ぐかではなく、それをどう止め、被害を最小限にするかだ。巨額に積み上がった負債を処理し、新しい需要を創出していく手立ては何か。そのためには実態を正確に捉えることが必要だ。


私自身は、今回の崩壊は世界恐慌だと思って来ていて、
このブログでも何回か「恐慌」という言葉を使っています。

しかしマスコミは、「世界金融危機」という言葉に、
止めていたのですが、
ここに来て、日経ビジネスは、恐慌を全面に出して来て、
かなりセンセーショナルにあおって書いています。

日本の経済の悪化は、世界の中でも異様に悪いのです。
それにヨーロッパが悪い。
事態は、かなり本質的な規模の変動になって来ています。

日経ビジネスは、読み物としては面白くて、買い得でした。
久しぶりに楽しんだのですが、しかし暗いのです。
読後、かなり気がめいりました。
立ち直れないくらい(笑)。

東欧が悪化していて、ヨーロッパのいくつかの国家が、
破綻しそうな情勢らしいです。
国家破綻だと言うのです。
同じことは、ニューズウイークも書いています。

しかし報道と現実は違うのです。
ソヴィエトの崩壊の時もそうですし、
ブラジルの経済破綻の報道も、事実を正確に伝えるものでは
ありませんでした。

ですから正確には事実は分かりませんが、
しかし「国家破綻」という言葉は、禍々しさがあります。

今までも、歴史的には国家は破綻してきているのです。
東ドイツは破綻したのだし、プエルトリコも破綻しています。
日本の敗戦も破綻です。
明治維新というのは、江戸幕府の破綻です。

しかし今起きているのは、
そういう規模ではなくて、近代の国民国家というシステムの
破綻です。世界中の破綻かもしれません。

近代国家の終焉については、1980年代からフランスの哲学者など
が書き出していて、私も1冊本を買って、新美術新聞にコラムで
書いたことがあります。

私自身は、学生時代から国家の滅亡の問題には興味があって、
実際に近代の国民国家は、壊れて来ているのですが、
今回の世界恐慌は、この面を、さらに深刻化して来ています。

私は1973年の石油ショック、1990年代の失われて10年、
そして今回の世界大恐慌と、3回体験して来ていますが、
今回の規模はほんとに大きい。


考えてみれば日本の経済も政治も、
実は破綻していて、国家破綻寸前なのです。
麻生政権というのは、日本国家の破綻の象徴とも言うべき政権です。

アメリカ合衆国だけが沈んでいいたり、破綻しているのではなくて、
近代の国民国家というシステム自体が、正味期限が切れて、
崩壊を続けているのです。
そのことは認めた方が良いのだろうと思います。
そのことは、むしろ喜ぶべきと思います。


教育にしても、人口の減少にしても、
ゴミの問題も、財政赤字の増大もそうですが、
深刻な危機状態を続けているのです。

しかし、そういう崩壊の中でも人間は、
ふてぶてしく生きて行くのです。
ふてぶてしく生きるのは、面白いのです。

「国家なんか知らないよ」という人々が増えて来ているのです。
良い事ではないでしょうか。
自力で、自分の才覚で生きる。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

人々の、ふてぶてしさが、未来を切り開きます。
ネグリ/ハートの言う、マルティチュードです。
日本語で言えば「うぞうむぞう」。

日経新聞を読んでいても、
高度消費社会がピークを越えて、
今は、節約と、抑制の時代に入って来ている記事が多くあります。

友人の言を書くと、
基本は石油であったのです。
石油の浪費の中で、高度消費社会が暴走して来た。
そして石油が枯渇して来て、
この消費社会の暴走にブレーキがかかって来た。
節約社会が、始まりそうです。

以前にネットの写真情報で、
ニューヨーカーが、ホームレスでもないのに、
ゴミをあさっている写真があって、
高度消費社会への抵抗運動が始まっているとの報道でした。

資本主義そのものの終焉については、
まったく私は考えてこなかったのですが、
確かに、そういう事を考えることが必要な事態になって来ています。

これも初めての体験です。

自動車の販売台数の減少が、
単なる不景気故のものではなくて、
自動車を持つ事自体に、若い人の欲望をそそるものが
無くなって来ている。

自分の分にあった、質素な生活を生きて行こうとする人たちが、
時代の主流を作り出しているのかも、しれません。

家庭菜園や、農業への回帰も含めて、
自給自足の復活が必要です。

美術作品も、転売目的の買い方ではなくて、
自分で長期間持っているものを買うという時代に移りつつあります。
高品質で、安いものが売れて行く時代になって来ているのです。

低価格の芸術作品を、良しとする事が重要です。

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奈良美智さんのオークションでの
作品の販売実績のグラフを見つけました。

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出典は2007年秋号の『アートコレクターズ』の
「日本にアートバブル到来か?」という記事です。
こういう雑誌も、下品で不愉快で、買って来ていないので、
見るのが、遅れました。

歴史化してから見ると言う、歴史家的な遅れですね(笑)。

現在の世界恐慌を生み出した直接の原因は、一応分かっています。

2001年にアメリカのITバブルがはじけて、不況になりました。
この対策で、金利が緩められて、サブプライムローンもはじまって、
借金による過剰消費の時代になるのです。
株価は高くなって行きましたが、
根拠なき高騰だったのです。

それが2007年の9月くらいまで、続きます。
10月、11月から急激に崩れ始めます。

このアメリカの過剰消費と、
日本の円安が重なって、日本全体の景気が良くなるばかりか、
日本の美術市場が活性化したのです。

この経済の時代区分と、まったく符合する形で、奈良美智の売り上げが
上がっているのです。
しかしこの奈良美智の高騰も、芸術的根拠の無いものだったのです。

現在奈良さんの価格は約1/5に落ちています。


草間弥生の場合は、もっと極端です。

草間弥生の価格.jpg

草間のニューヨーク近代美術館での回顧展があったのが1998年で、
この年、売り上げが上がっているのが見えますが、
それでもその後下降していて、草間の作品は悪いこともあって、
市場的にも上昇しなかったのです。

草間の作品は、決して芸術的に高度ではありません。
だから価格的には低迷して来ていたのです。

それが2004年に上向きに跳ね上がり、
2005年、2006年と異常に突如として増加します。
この草間の高騰も、芸術的根拠の無いものでした。

芸術性と美術品の価格は、連動していないのです。
悪い作品こそが、無知無能の多数者に喜ばれて、
馬鹿な高騰をするのです。
そして誰かが儲けて、多くの人々が損をする。
芸術という名において行われる詐欺や、博打です。
美術市場は、賭博場なのです。

そして人間は、博打と、戦争と、猥褻が好きなのです。

そして2007年10月頃にピークになり崩れます。

このグラフからも分かる事は、
そもそもの原因は、アメリカのサブプライムローンを中心とした、
借金に走った過剰消費のお金が、流れ込んで来ていたのであって、
作品そのものの価値とは、別の原因が大きくあったのです。

美術品の高騰は、芸術的な根拠の無いものであったのです。

草間も億を超えていますしたが、
現在は1/5以下になっています。

1億で買ったものが、2000万円を割って、
8000万円が消えているのです。
芸術的根拠が無いゆえに、価格は崩壊したのです。
博打の時代の、崩壊です。

なぜに、こうした買い物に走るのか?

これは理性的な行動ではないのです。
人間は、そもそも理性的には生きていないのです。
愚かな、衝動で、無知無能に生きているのです。
博打と、戦争と、泥棒と、強姦が好きな動物なのです。
野獣的盲目性の支配するアートカジノの時代であったのです。

そして破綻し、多くの人が損失の中で、泣き寝入りをします。
売らずに、そのまま持っているのです。
こういう事を繰り返して、
私は3回見て来たのです。

美術界は、カジノなのです。

人間というのは愚かなのです。
私の知人も、一番高い草間を買っています。
なかなか賢明で、川久保玲の好きな人なのですが、
人間なのですね。
人間そのものが、愚かなのです。
彼だけが愚かなのではないのです。

これは蕩尽と言えます。
昔で言えば、吉原で芸者をあげて、
小判の金貨を撒いて遊んでいる様なものです。

そういう遊びがしたいのです。

中国人アーティストのオークション価格の数字も見つけました。
凄いものです。

以下の数字は、1点の作品のオークションでの落札価格です。
出典は『アートコレクター』2008年No.6

蔡國強 約10億6,550万円

岳敏君 約6億6,986万円

曾梵志 約6億2,892万円

張暁剛 約5億5,503万円

王●義  約4億6.327万円

方力釣 約4億5.495万円

劉小東 約3億1,265万円

劉 野 約1億5,470万円

周春芽 約1億0856万円

洪 浩 約1億0475万円

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

こうした価格が、作品の芸術的な価値によってではなくて、
アメリカのサブプライムローンに象徴される安易な借金による、
過剰消費の結果として生み出されたと言うことなのです。

そして崩壊し、
世界恐慌へと、至ったのです。
この結果は6年後に、ほぼ輪郭が見えると思います。

しかし不幸な事です。
自分の1点の作品が10億で売買されて、売れしいですか?

そんな事をしていて、
作家として成長して行けるはずがありません。

適正価格を求めるにしろ、
過剰な作品の高騰は、退廃を生むだけです。

芸術家に必要なのは、適正な価格だけです。

そして不当に安い価格でも、
作品をしっかりと作り、誠実に芸術を追求し、
安売りでも、売る。

安売りに耐えても、作り続け、考え続けて行く事。

6年後に、何人かが死ぬでしょうが、
そのときに、新しい時代は始まっているでしょう。

私に新しい時代を見るだけの命が残されているかは、
分かりませんが、
それでも針の穴の様な狭き門を入るのです。
必ず、《真性の芸術》は生き残ると信じて。











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著名ブロガー死亡相次ぐ [歴史/状況論]

あとで、自分の意見を書きます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
アメリカでは死者が出るほど、ブロガーが加熱しているというのは、
驚く。
今やブログ運営はハードワークなのだ」というのだが、
私自身は、ハードワークという所までは、やっていない。
作家活動そのものがハードワークで、むしろブロガーをやることで、
自分自身の感性の活性化と、そして芸術理論の展開を獲得できてきて
いて、自分には合っていると思っている。

「神経が参ってしまって病院にいく事になりそうだ」「耐えられない」
という事は無いが、しかし今、一番の人気のアーティスト、たとえば、
やなぎみわを、【B級美術家】と書く事は、それこそ美術雑誌から、
美術館の学芸員、さらには批評家やジャーナリスト、そしてNHKまで
敵に回す事になるかもしれないので、私のような恥じ知らずで、
無神経は人間でないと、出来ないのかもしれない。
しかし、もともと言論や芸術というのは、ソクラテスや、エックハルト、
レーニーブルース、そして千利休や古田織部、松本俊介や井上長三郎、
ショスタコーヴィチ  のように、命がけなのです。

命がけで、芸術や言論に努力を注入できるという事自体が、
恥じ知らずで、無神経でないと、出来ないのです。
多くの人は、世間体を気にして、全力で他人に良く思われる事を、
望んでいる。そのためには平気で嘘をつく。こうした事が、
決して悪いのではなくて、それが自然であり、普通なのです。

しかし普通や自然で、芸術家や言論人は出来ないのです。
命をかけて、芸術や言論を追求する。
だから、アメリカのブロガーが、死んでいるというのも、
まともな事であって、見習わなければ、いけないのです。

「米国ではすでにブログが通信社に匹敵する存在にまで成長している」
というのは、すごい事だと思う。
私自身のこの《第41次元》のブログも、1人美術雑誌というつもりは
あったが、そういう事が可能だと知ると、なおさら、力を入れて行きた
くなる。
メディアとしての可能性を、追求する余地はまだまだあるので、
努力するともりです。

「異なる意見は受け入れたいのですが、かなりひどい嫌がらせをうけます」「多方面で誹謗中傷を受けました。そこまでブログを書くことはないな、やめようと思ったことは何度もありました」という意見も、良く分かる。
多くの人にとっては、日本に言論の自由や、芸術批評が無くなっても、
そのことが社会にとって、致命的な欠陥にならないと思って
いるのだろう。
しかし、今の、日本を代表する現代美術家や、写真家に対して、
まともな批評性を持つ論文が無いという事は、退廃であり、
衰弱なのであります。
日本の美術界は、《真性の芸術》を失って死に体になっているのです。

「ブログが出版や報道を補うような新しいビジネスの分野になるかな
という期待」は、私には、ちょっと無理かもしれません。
だれかサポートしてくれる人が、二人でも出て来てくれれば、
あり得ますが・・・。

この記事で出てくる池田信夫さんは、月間にアクセスが100万件という
のだから、これは凄い。眠れなくなるのも無理は無い。

「日本と米国ではカルチャーが違います。米国ではブログに対して『言論』としての意識が高い。日本ではカットペーストしてページランクを上げようとする変てこなブログばっかりですが、米国では、例えばSNSの『Facebook』の様に実名で写真まで載せています。匿名でスパムブログをやってもストレスにならないでしょうが、米国では緊張感が高いんです」

彦坂尚嘉の場合には、アメリカ並みに言論という意識が高いです。そして本名で、写真も載せている。匿名では、駄目なのです。なぜなら命がかからないからです。言論や芸術で殺される危険性を犯さなければ、それは面白く無いのです。たかが芸術、たかが言論、そこに命をかけ、殺されるだけの真実を書けて行かなければ、芸術も言論も真実に到達できないのです。

米国で著名ブロガー死亡相次ぐ 

   日本でも「ドクターストップ」発生

2008/4/10  
【出典】 CASTニュース http://www.j-cast.com/2008/04/10018844.html

   米国で著名ブロガーの死亡が相次ぎ、「デジタル時代の労働搾取」と話題になっている。ブログがメディアに匹敵する存在に成長、24時間労働を強いられているケースも多い。日本国内でも「ドクターストップ」が出た著名ブロガーもいる。今やブログ運営はハードワークなのだ。

スクープするために「劣悪な24時間競争」強いられる

ブロガーが置かれた労働環境を報じるNYタイムズ
ブロガーが置かれた労働環境を報じるNYタイムズ

   著名ブロガーの相次ぐ死亡を挙げて、「デジタル時代の労働搾取」と報じたのは2008年4月6日のニューヨークタイムズ。記事によれば、Russell Shaw、Marc Orchantといった著名ブロガーが心臓発作や血栓症などで相次いで死亡。公式な診断書では「ブログ」が死因とはされないものの、周囲でブロガーの劣悪な労働環境の危険性がささやかれているというのである。

   同紙によれば、なかでも競争が激しいのはテクノロジーやニュースについてのブログで、企業のスキャンダルや新製品ニュースをスクープするために「劣悪な24時間競争」の只中にあるという。仕事で体重が増減したり、不規則な睡眠を強いられたり、過労で病気になったりといったブロガーの声や、テクノロジーのブログとして有名な「TechCrunch」の運営者が「神経が参ってしまって病院にいく事になりそうだ」「耐えられない」と漏らす姿も報じられている。

   米Digital Media Strategiesの織田浩一代表はJ-CASTニュースに対し、

「多くの日本のブロガーはブログで食べているというわけではないですが、米国では主たる収入源にしているブロガーが多いんです。『24時間戦えますか』の世界で、既存メディアや他のブログに対抗するためにスピード感が求められています」

   と米国のブログの現状を説明する。米国ではすでにブログが通信社に匹敵する存在にまで成長している。そこで、収入を稼ぐためにブログ同士や既存メディアとの激しい競争が繰り広げられているというわけだ。

   その一方で、織田代表は、ブロガーたちは仕事を楽しんでいる上、自分の業績・工夫・がんばりで収入をさらに得られることが分かっているのでがんばりも人一倍、辞めようと思えば辞められるという側面もあると指摘する。

   国内では、米国並みの激しい競争が繰り広げられているわけではないが、「アジャイルメディア・ネットワーク(AMN)」がメディアとしての価値の高いブログを集めたブログネットワークを作るなど、日本でもブログの価値をメディア並みに高めようとする動きがあるという。

「寝られない日が続き、医者にブログをやめろと言われて」

   そうした中で、J-CASTニュースでは、日本の著名ブロガーに「ブログ運営が健康に悪影響を及ぼしてないか」聞いてみたところ、「健康に害を及ぼしていると感じたことはありません」(ネタフル)「特に悪影響はありません」(百式)との答えが返ってきた。その一方、「極東ブログ」を運営するfinalventさんは「直接的には健康面での悪影響はない」としながらも、ブログを運営する上での重圧を次のように説明する。

「異なる意見は受け入れたいのですが、かなりひどい嫌がらせをうけます」「多方面で誹謗中傷を受けました。そこまでブログを書くことはないな、やめようと思ったことは何度もありました」

   その一方で、「ブログが出版や報道を補うような新しいビジネスの分野になるかなという期待」などから、ブログに社会的意義を感じてブログ運営をしているという。

   「ドクターストップ」がかかった著名ブロガーが国内にもいた。自身のブログのページビューが年間950万ほどにまで成長した経済学者の池田信夫さんは、

「プレッシャーはありますよ。月間100万アクセスを超えた辺りから、寝られない日が続き、医者にブログをやめろと言われて…。もう、どうしようもないコメントやスパムとかノイズが凄く飛んでくるんですよ。私はこういったものについて気にしない方なんですが、さすがにストレスになってきています」

   と明かす。池田さんは、ストレスを抱えながらも、雑誌に掲載されるよりも社会的に影響力のある情報をいち早く掲載できるメリットがあるとして、ブログの運営は続けていく意向だ。ただ、米国のブロガーがストレスを抱える現象について、次のようにも指摘する。

「日本と米国ではカルチャーが違います。米国ではブログに対して『言論』としての意識が高い。日本ではカットペーストしてページランクを上げようとする変てこなブログばっかりですが、米国では、例えばSNSの『Facebook』の様に実名で写真まで載せています。匿名でスパムブログをやってもストレスにならないでしょうが、米国では緊張感が高いんです」

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初音ミクは《第41次元》/坂東次郎のInner CAFF(改題加筆3) [歴史/状況論]

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井上清仁さんから、仮想歌姫「初音ミク」の存在を教わりました。
《第41次元》です。
歌唱も、アニメも凄いですが、
しかし当然にように、デザイン的エンターテイメント。

逆に言えば、《第41次元》のデザイン的エンターテイメント
というのは、
実に、コンピューターの表現次元だったのですね。
《41流》の《第41次元》が、シニフィエ化して出現して
来ているのです。

そう考えると、当然の事ではあるかもしれませんが、
しかし、天地がひっくり返った倒錯時代を私は生きている事に
なります。

かつては下部構造のアンダーグラウウンドであった《第41次元》が、
「パンドラの箱が開いた」と言われて社会の表舞台に登場したのが、
インタネットの鬼畜系や死体画像系に代表されるものでありました。

それがこうして仮想歌姫「初音ミク」にまで結実してくると、
たんなる悪趣味のアンモラルな解放ではなくて、
《第41次元》がシニフィエ(記号内容)化することで開かれる、
あらたな文化の上部構造であるこことが、理解できます。



つまり《第41次元》という、本来は文明の下に隠されていた次元が、
時代の表層や、上部構造になって来ているのです。

仮想歌姫「初音ミク」は、ボーカリストです。
以下のURを見て下さい。


世界に広がる仮想歌姫「初音ミク」 新進クリエーターに迫る

http://www.asahi.com/video/news/TKY200903200210.html


◆◆坂東次郎◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


昨日、坂東次郎さんの2000年に出されたCDをいただいた。

Inner CAFF』というアルバム。

 

いただいたものを格付けするのは失礼だが、

恥知らずの彦坂尚嘉としては、果敢に芸術分析をします。


《想像界》の眼で《第1次元》のデザイン的エンターテイメント音楽
《象徴界》の眼で《第1次元》のデザイン的エンターテイメント音楽
《現実界》の眼で《第1次元》のデザイン的エンターテイメント音楽

《想像界》の作品、気体音楽。

《シリアス・アート》《ハイアート》
シニフィエ(記号内容)の音楽。
《透視音楽》『オプティカル・イリュージョンの音楽』
【A級音楽】


打ち込みで作られていて、9年前は、まだ初音ミクのような、

ヴォカルソフトの無い時代だから、いま聴くと、古典的な

落ち着きさえ感じられる。繰り返し聞ける、なかなか良い

音楽です。

《シリアス・アート》で《ハイアート》になっている事の

良さがあります。坂東さんの誠実な人柄が、音楽の良さと

なっている。


私自身は、こうした打ち込みや、CGによる作画といった、

コンピューター表現を、重要なものと考えて来た。

出来るだけ自分でもやるように努力して来たし、

そして、その事を考えて来た。


坂東次郎さんからは、実は打ち込みに集中されていた時のことを、

話としてはお聞きしていて、

その後に、再び生の演奏に戻られた方だ。


いま、その2000年の時の音を聞かせていただくと、

最近のお経のアルバムと重ね合わせて、

豊かな可能性を感じる。

なにか、ご一緒にお仕事できないものだろうか。

お経の音楽を、7曲作りたいですね。

それを《第41次元》の《真性の芸術》にして、

ヒットさせたい!

音楽マネージメントをやりたいですね(笑)。



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フラッシュモブ3月22日/アートフェアでのパフォーマンス(改題) [歴史/状況論]

英文アート憲法1ブログ小.jpg


アート憲法ブログ小.jpg

東京都が、パフォーマンスを抑制する条例を可決しようとしています。

後ろに引用していますので、読んで下さい。


私自身は、表現の自由を基盤にしているので、

こういう規制に対して、賛成の立場ではありません。

しかし、何をやっても良いのだという考えや、素朴なアンーキズムの

信奉者ではないのです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【作品解説】

『アート憲法』という作品は、皇居美術館空想の中に絡んでいるコンセプトです。

つまり、憲法を改正して、芸術立国といいう理念を打ち立てるという提案をしています。

その一貫の中に、皇居美術館の建設があります。

こうした空想小説のような作品は、あくまでの美術作品としての範囲であて、

現実の政治運動ではありません。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

英語版天皇の帰還ブログ小.jpg

4月3日から5日のアトフェア東京2009では、

黒ヘルメットを被って、ヘルメットには『美狂闘』という白文字を

書きます。

学生時代の美術家共闘会議、略称が『美共闘』ですが、

それに参加するところから、アーティストとして出発しているので、

その系譜の継続という事で、

『美狂闘』という白文字を書いた黒ヘルメットを冠って、

できれば『1人 美狂闘』としたいですが、

黒ヘルメットを冠って、

ライブ・ドローイングをして、

A4出力の作品に手描きを加えて、1枚5000円で売りたいと思います。

日本語天皇の京都への帰還ブログ小.jpg

【作品解説】

彦坂尚嘉の作品が分かりにくいのは、多義性のためです。

この、へんなドローイングのついている作品もまた、作品そのものを不透明で、

多義的に捉える芸術観によるものです。

直接的な影響は、ベンチュリーにあります。

ベンチュリーは、建築家ですが、彼は単純な芸術を退屈だと批判して、

多義的な表現の豊かさを評価しました。

彦坂尚嘉の作品は、意識的に、こうした多義性を取り込んで行きます。

しかし、「天皇の京都への帰還」といった字句に対して、

「危ない」とか「やばい」とか、規制を何人もの人から言われますが、

それはしかし、昔の不敬罪があるわけでもなくて、

少なくとも法律的な規制対象ではありません。

英語版天皇の京都への帰還完成ブログ小.jpg

そうではないにもかかわらず、規制しようというのは、

実は、表現の本質に関わるものなのです。

あるグループの中で、同じ言葉が繰り返され、集団で奇妙な排除の

システムが出来るのです。

そうした規制を受け入れれば、実は創造性を失う事になるのです。

それが団体展です。

日本の現代美術と美術制度は、団体展化してしまっているのです。


天皇の京都への帰還完成ブログ小.jpg

【作品解説】

この黒だけの作品は、あくまでもコンセプチュアルアートの枠組みだけで作った

作品です。彦坂尚嘉の作品は、極めて観念的で、思想性を持つコンセプチャル

アーティストという枠組みを持っています。

同時にポストコンセプチュアルな、絵画性や、反装飾的装飾性、色彩性、

そして厳密な構図の探究者と言う面を持っています。

これは血液型がAB型である性かもしれないし、また、世間体や体裁を無視して、

あくまでも《超1流》や《41流》の《真性の芸術》を追い求める、

時代遅れの狂気の持ち主であるせいかもしれません。

これは政治運動ではありません。

単なる芸術作品に過ぎないのです。

こうした空想の、架空の、夢想のコンセプトに過ぎません。

夢想の自由も認めないというのでしょうか?

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

ただ、もともと、何をやっても自由といったものではなくて、

道路交通法や、様々の法律での、パフォーマンスの禁止はすでにあったと、

私は思っています。

それをさらに厳しくしようというものが、今回のと条例

だろうと思われます。


美術館の会場の中も、1960年代の読売アンデパンダンの狂騒の結果、

美術館の中に対する規制が強まります。


1960年代の末の新宿も、フォクゲリラや、シンナー、麻薬の氾濫の結果

規制が強まります。


ニューヨークの1980年代初頭のグラフィティの氾濫も、

規制されて、沈静化しました。


こうした規制そのものの歴史というのは、

良い悪いを別にして、そういう事象の歴史が、あることを、

認識する必要はあります。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

フラッシュモブ3月22日

美術家の仙台のアーティストとの村上隆さん、

これはカイカイキキの有名村上隆さんとは同性同名の別の方ですが、

フラッシュモブの抗議行動を起こすと言うメールが来ていたのですが、

最後にコピーしておこうと思ったら、どこかに消えてしまいました。

残念、見つけたら、掲載します。

見つけました!

私は参加します。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「パフォーマンス慎め」


条例案都議会委可決

                  

              2009年03月19日

◆来月中指針 大音量や下着想定

 都が安全・安心まちづくり条例を改正し、繁華街の来訪者に対して「多大な迷惑となるパフォーマンス」などを慎むよう求めようとしている問題で、都議会の総務委員会は18日、同条例改正案を可決した。この問題では自由法曹団東京支部や労働組合が「街頭での宣伝活動などが制限され、表現の自由の侵害につながりかねない」などと反対しているが、改正案は27日の今議会最終日に成立する見通しになった。
(大塚晶)

 条例改正案は繁華街での安全対策として、事業者や地域住民、来訪者らは、知事と公安委員会がつくる指針に基づいて「必要な措置を講ずるよう努める」と規定している。

 指針は4月中につくられ、来訪者に求められる取り組みとして「街頭や歩行者天国において大衆に多大な迷惑となるパフォーマンス等、街の秩序を乱す行為を慎む」という内容が盛り込まれる予定だ。

 総務委員会では18日の採決に先立ち、17日に審議が行われた。「自由な活動が萎縮(いしゅく)するという声もある」という議員の質問に、都側は「指針は事業者、地域住民らに求められる取り組みを例示したもので、何ら強制力を有するものではない」と答弁。一方で、「パフォーマンスはいろんな形態があろうかと思うが、何をやってもいいとはならない。やはり一定のルールやマナーを守ってしっかりやっていこうというのが社会の常識」とも述べた。

 また、指針が想定するパフォーマンスとして、昨春、秋葉原で女性が下着を見せた行為のほか、「街頭や歩行者天国で大音量でライブをすること」も挙げた。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

美術家の村上タカシです。
アート(表現の自由)への締め付けが強まっているようです。

・・・・・・・・・・・・・・・(以下転送します)
東京都では「パフォーマンス慎め条例(朝日新聞)」「監視が街の活力を奪う(東京新聞)」という見出しで報道されている「安全条例」が27日に本会議で可決されようとしています。そこで、人が人を信頼する能力を奪う相互監視社会への批評として「路上で本を読む」というフラッシュモブ(不特定多数の人間が公共の場に突如集合し、目的を達成すると即座に解散する行為)を企画しております。
お知り合いの文化人や出版関係者、ブロガーなどにこのプロジェクトをご紹介して頂き、都市の中にささやかなノイズを起こす事にご協力ください。
よろしくお願いいたします。
日本語版/フラッシュモブ内容(参加者目標300名)
―――――――-
【集合場所】新宿アルタ前広場
【時間】2009年3月22日(日) 午前
11:00〜12:00(雨天決行)
【YouTube】
http://www.youtube.com/user/tokyomob

【ルール1】自分の好きな本(小説、詩集・歌詞カード、思想書、マンガ、雑誌・機関誌など)を1冊、小さな声、大きな声、
自分に合った方法で11時から読み始め12時に解散。

【ルール2】国内最大規模のフラッシュモブにするために、知人全員にメール、SNS、ブログなどで告知する。

フラッシュモブ(Flash mob)
:不特定多数の人間が公共の場に突如集合し、目的を達成すると即座に解散する行為。




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