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横河健の建築(加筆1) [建築]

横河健さんの設計された
住宅を見学しました。

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場所は茅場町のオフィス街、
そこに昔の長屋が3軒あって、
その一軒の立て直し。

桜の木が一本あって、
それに絶妙にマッチした建築でした。

非常に解放感のある家でありながら、
プライバシー性が微妙に成立していて感銘を受けました。

1階は駐車場で、
2階が住居空間。
ここに8メートルのの内部の吹き抜けの空間の大きさがあって、
気持ちがよくて、
現代の小住宅のモダン空間の最良の一つであると思いました。

3階には3畳ほど畳の部屋があって、
ここからこの8メートルの大空間と、その向こうにあるガラスの
解放性、そして桜の木を愛でるという仕掛け。
花見の装置としての住宅が、内部構造として見事に成立しているのです。

はす交いが入っているのですが、これがパイプではなくて、
無垢の鉄だそうで、これによって鳥かごのような構造が成立し、
それによって、床が支えられているという建築。

つまり高圧線の鉄塔のように鉄骨メンバーを組み上げて、
狭い土地に、容積を利用しながら、都心にいて空高く住むという、
現代の至高性を目指した小建築。


屋上の空間も秀逸で、不思議な公的空間の中の私性があって、
拝見して良かったと思いました。
桜の季節は、この屋上から桜並木を見るのは、すばらしいだろうと
思います。




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秋田市体育館/渡辺 豊和の建築 [建築]

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秋田市体育館
《想像界》の眼で《第41次元》の《真性の芸術》
《象徴界》の眼で《第41次元》の《真性の芸術》
《現実界》の眼で《第41次元》の《真性の芸術》

《想像界》の建築
固体(前近代)建築  

《気晴らしアート》的建築、《ローアート》的建築

シニフィアン(記号表現)の建築
《原始立体》的建築、『ペンキ絵』的建築、【B級建築】


建築家の渡辺 豊和さんの建築です。
実は、以前にやった秘伝ディメンションという展覧会に、
某氏よりの推薦で、参加していただいた建築家です。

すばらしさと、古さ、不思議な建築であったのですが、
改めて芸術分析すると、秘密が、ある程度分かりました。

昔よりも、芸術分析が進んでいるからです。
まず、《想像界》の建築であった事です。
そして固体建築でした。

異様な古い感じは気になっていたのですが、
その原因が、固体建築だったからです。
氷解しました。

とにかく、建築も芸術も要素が多いので、
判断は、むずかしいと言えます。

秘伝ディメンション展への出品に際しては、別の某氏より、
強力な反対があって、それを押し切ったという経緯があったのですが、
その当時に分析力では、《想像界》の建築とは思わなかったのですが、
改めての分析で、《想像界》の建築と出ると、
これも納得できる事でした。
当時も、ゲームの中に出てくるような建築だとは、思ったのです。

なぜに、当時は、《想像界》の建築とは思わなかったのか?
《言語判定法》を当時使っていたのか、どうか、はっきり覚えていませんが、
芸術分析力そのものは、このブログを始めてからも、
成長して来ているので、
もしかすると、当時は、していなかったのかも、しれません。

それとシニフィアン(記号表現)の建築でありました。
これも古さを感じさせる原因になっています。
シニフィアン/シニフィエを、芸術分析の中で使い始めたのは、
最近なのです、当時は、気がつきませんでした。

実際に展覧会をご一緒した時にも、
ある気になる感じがあって、
そのままになって、以後のおつきあいは無く、
失礼してしまいましたが、
あの違和感の原因が、いくつか、分析できるようになって、
納得しているところです。

1980年代は、《想像界》の建築が出てくるのですが、
《第41次元》で、固体で、《想像界》の建築というのは、
かなりの異端建築家であると、言えます。

タグ:渡辺 豊和
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フーチャア・システムズ [建築]

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architect - Future Systems
location - Birmingham, UK  map
dates - 1999-2003
   
【出典】http://blog.livedoor.jp/modernarchitecture/archives/cat_50016624.html

《想像界》の眼で《超次元》の《真性の芸術建築》
《象徴界》の眼で《超次元》の《真性の芸術建築》
《現実界》の眼で《超次元》の《真性の芸術建築》

《現実界》の建築、気体建築。

《シリアス建築》《ハイアート建築》
シニフィエ(記号内容)の建築。
《透視建築》【A級建築】

シニフィエ建築であるということが、面白いですね。
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architect - Future Systems
location - London, UK  map
date - 1994
   


フーチャア・システムズ
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フーチャア・システムズというイギリスの夫婦の建築家です。
あとで、図版を追加しますが、
最近実際に建つようになってきていますが、
前は、アンビルドの建築家であったようです。

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安藤忠雄の竜王駅と渋谷駅 [建築]

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JR竜王駅で完成竣工式 

          

                            安藤忠雄氏が設計 山梨

2008.3.24 02:24

 世界的な建築家、安藤忠雄氏が設計したJR竜王駅(山梨県甲斐市)の新駅舎が完成し、23日、竣工記念式典が開かれた。

 完成したのは平成18年に着工した鉄骨2階建ての駅舎と、南北の駅前広場を結ぶ長さ約120メートルの自由通路。ガラス張りの外観で、富士山や南アルプス、八ヶ岳などを眺望できるのが特徴。式典で安藤氏は「市民と行政が一体となって、これから駅を育てていくことを期待しています」とあいさつ。藤巻義麿市長は「市の拠点、発展の核となるよう周辺整備を進めていきたい」と語った。南北の駅前広場は23年度に完成予定。

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安藤忠雄の竜王駅を見て来ました。

昔は、小さな駅だったそうです。

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私は、実は、安藤忠雄の建築は、結構な数は見ています。

先日も、

五十嵐太郎さんに案内していただいて東京地下鉄副都心線渋谷駅

(愛称「地宙船」)(東京都渋谷区)を見に行って来ています。

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さて、渋谷駅は、あまり面白くありません。

3層構造の駅は「地中の宇宙船=地宙船」も、凡庸なアイディアで

しかも、制約が大きくて、実質は貧しいものです。

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《想像界》の眼で《第8次元》のデザイン的エンターテイメント
《象徴界》の眼で《超次元》のデザイン的エンターテイメント
《現実界》の眼で《超次元》のデザイン的エンターテイメント

《想像界》の建築、気体建築。

《気晴らし建築》《ローアート建築》
シニフィエ(記号内容)の建築。
《原始建築》【B級建築】

それに対して、竜王駅は、良かったです。

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《想像界》の眼で《第8次元》の《真性の芸術建築》
《象徴界》の眼で《超次元》の《真性の芸術建築》
《現実界》の眼で《超次元》の《真性の芸術建築》

《現実界》の建築、気体建築。

《シリアス建築》《ハイアート建築》
シニフィアン(記号表現)の建築。
《透視建築》【A級建築】

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
竜王駅は、何よりも、安藤さんのコンクリートが無い事が、素晴らしい!
とにかく《超1流》のものを、つくる力量の安定性は、素晴らしい!
ただ、《想像界》が《第8次元》で、
これは現代美術が繰り返しして来た手法で、少し気になりました。
線路とか、電車の格が《11流》というか、《第11次元》なのですが、
それと《第8次元》が、相性が悪いのです。

《第11次元》というのは、交通領域ですが、この美しさを取り込んで、
欲しかったと思いました。
つまり《第8次元》ではなくて、《第11次元》でつくって、
《超次元》と組み合わせて欲しかったのです。











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レム・コールハースの建築が火事 [建築]

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レム・コールハースが建築中の中国中央電視台本部ビル (中国北京

2004着工)2棟の内の一棟が、火災を起こし全焼しました。


CCTV付属の高層ビルで火災、

            1人死亡

 中国・北京で9日夜、建設中の国営テレビ局に付属する高層ビルで火災があり、火は約6時間後に消し止められた。この火事で、消防士1人が死亡、そのほか、地元のネットニュースは30人以上がケガをしたなどと報じている。

 火事があったのは、北京中心部に建設中の国営・中国中央テレビ(CCTV)に付属する高さ約160メートルのビル。日本時間9日午後9時半ごろに火が出た後、炎は高く燃え上がり、時折、爆発のような火花を散らしながら長時間にわたって燃え続けた。

 9日は旧正月の最後の日で、市民らが花火や爆竹を激しく鳴らして祝っていて、花火が引火したのが原因とみられている。

[10日15時4分更新]

NNN24


中国の8人死傷火災、原因は花火か

 CCTV=国営中国中央テレビの建設中のビルで起きた火災は、CCTVが雇った花火師が打ちあげた花火が原因だったことが明らかになりました。

 9日の夜8時半頃、CCTVの敷地内にあるビルで起きた火事。30階建ての建物は瞬く間に炎に包まれ、およそ6時間後、ようやく鎮火しましたが、消防隊員1人が死亡、CCTVの職員を含む7人がけがをしました。

 中国の旧正月といえば、大量の花火。9日はその締めくくりとなる「元宵節」でした。出火の原因はCCTVが雇った花火会社が打ち上げた花火によるものと見られ、10日夕方、CCTVが責任を認め、謝罪しました。

 中国国営の新華社通信は、警察が花火の箱を押収し、花火師から事情を聴いていると伝えています。(10日16:48)

[10日19時55分更新]






TBS NEWSi


テレビ局のビル火災、

 周囲の群衆から「悪口」も—北京

2月10日13時28分配信 サーチナ


北京市内で中国中央電視台(中国中央テレビ、CCTV)が建設中のビルで9日夜に発生した火災で、現場周辺に集まった群衆の多くが、中央電視台のビルのデザインで「悪口」を言っていたことが分かった。








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箱根熱海建築巡り(下)[写真追加12枚] [建築]

翌日の2009年1月12日(月、休日)。

私は、いい加減で寝てしまったが、
五十嵐さんや山田幸司さんは明け方まで話していたらしい。

私も、南泰裕さんとは、
現在の経済危機について、何回か話し込んだ。

どこまで崩壊が進んで、何が淘汰されて行くのか、
まだ分からない。

少なくとも、単純系の近代産業のかなりの部分が淘汰されそうです。

自動車工業が沈むのは、もしかして電気自動車にシフトが変わって行けば、
その予想がつく。
伝聞でしかないが,電気自動車だと、産業形態が変わって、
中小の会社で生産が出来るとの事。
本当かどうか私には判断が出来ないが、
根本的な変化は、起きえるのです。

近代革命の基本であった鉄道網が、
これ以上衰退すると言うものではなさそうで、
むしろ復活してくるのかもしれないから、
単純に、単純系の資本主義が衰退するとも言えないのかもしれない。

朝食後、MOA美術館に向かう。

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MOA美術館には、以前に来ているが、今回は駐車場の裏から入って、
建築を中心に見た。
《想像界》の眼で《第1次元》のデザイン的エンターテイメント。
《象徴界》の眼で《第6次元》のデザイン的エンターテイメント。
《現実界》の眼で《第1次元》のデザイン的エンターテイメント。

《想像界》《象徴界》《現実界》の3界をもつ重層的な建築。
気体/液体/固体/絶対零度の4様態をもつ多層的な建築。
《シリアス・アート建築》
《ハイアート建築》

建築は、悪くは無いが、今ひとつ凡庸で、
建築家の人たちの反応ももう一つない。

展示では、葛飾北斎の富岳36景を全部展示していて、見ることが出来た。
浮世絵は、肉筆画のコレクションがすぐれていた。

私に取っては、「誰ヶ袖図屏風」を見ることが出来たのが収穫でした。

誰ヶ袖屏風というのはは、伝統的に、風俗画から発展して成立したと考えられているものです。着物の衣装だけを描いた静物画です。桃山から江戸時代にかけて描かれたものです。
《想像界》の眼で《超次元》の《真性の芸術》
《象徴界》の眼で《超次元》の《真性の芸術》
《現実界》の眼で《超次元》の《真性の芸術》
《想像界》《象徴界》《現実界》の3界をもつ重層的な肉質画
気体/液体/固体/絶対零度の4様態をもつ多層的な表現
《気晴らしアート》
《ローアート》
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つづいて、真鶴町立中川一政美術館です。
これも建築の賞をとっている評価のある建築ですが、
いまいちでした。
設計者:柳澤孝彦+TAK建築研究所 。

《想像界》の眼で《超次元》のデザイン的エンターテイメント。
《象徴界》の眼で《第6次元》のデザイン的エンターテイメント。
《現実界》の眼で《第1次元》のデザイン的エンターテイメント。

《想像界》の建築。
液体建築。
《気晴らしアート建築》
《ハイアート建築》

五十嵐さんたちは、採光の欠如を上げていましたが、
私は、壁のテクスチャーが、一番気になりました。
もう一つきちんと作られていないのです。

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《想像界》の眼で《第6次元》のデザイン的エンターテイメント。
《象徴界》の眼で《第6次元》のデザイン的エンターテイメント。
《現実界》の眼で《第6次元》のデザイン的エンターテイメント。

《想像界》の美術。固体美術。
《気晴らしアート》《ローアート》

作品は、こういうペインタリーな絵画ですが、
デザイン的エンターテイメントであって、
しかも《第6次元》。
まあ、退屈です。

それに比べると書の方がましでした。
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《想像界》の眼で《第6次元》の《真性の芸術》
《象徴界》の眼で《第6次元》のデザイン的エンターテイメント。
《現実界》の眼で《第6次元》のデザイン的エンターテイメント。

《想像界》の書道。気体書道。
《気晴らし書道》《ロー書道》

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この後、熱海駅に出て、レンタカーを返しました。
昨年の正月も熱海駅にいた事を思い出します。
昨年は、浜松から始めた建築ツアーの新年会でした。

そして吉田五十八の住宅建築を、外部からですが見に行きました。
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途中のトンネルの入り口です。
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これがなかなか凄くて、感動しました。
三角形の鋭い屋根がそそり立っていたのですが、
厳しさがあり、並のものではありません。

もう一つ、岡田哲史という建築家の建設中の現場を見ました。

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まあ、他にも吉田五十八をさがして歩いて、他の関連住宅を見たり、
良く歩きましたが、楽しかったです。

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五十嵐、南、彦坂で、新幹線に乗り、
帰って来ました。
楽しい、ツアーでありました。

南泰裕さんや、山田幸司さん、そして五十嵐太郎さんとツアーをすると、
建築を見る目の厳しさが、嬉しくなるし、
多くを教えてもらえます。

こういう風に、建築を見てくると、
結局、全力で、自分の良いと思う作品を作る以外に無いという、
当たり前の事に至ります。

最初の観客は自分自身であって、
この自分の眼に忠実になるしかない。
他人の眼を配慮する事は、
甘くなる事でしかありません。
自作鑑賞性が、基本なのです。

やはり、良く無い作品は、良く無いのです。



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箱根熱海建築巡り(上)[加筆2写真追加] [建築]

箱根/熱海から帰って来ました。

泊めていただいた別荘にネット環境が無くて、
このブログは更新できませんでした。

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2009年1月11日朝10時に箱根湯本で待っていると、
南泰裕さんが来て、二人で喫茶店に入りました。

そこで建築系ラジオの話をしました。
視聴者の全国にまたがる広がりを、図で見せられました。
それは世界にまで広がっていて、外国でも聞いているのです。


建築系ラジオが面白くて、美術系ラジオをやりたいけれども、
しかし、美術には、人材がいないと言う様な話を私がしたのですが、
美術系ラジオというアイディアは受けたのです。
若い人を募集してやろうという話になりました。

五十嵐太郎さんもきて、メディアの話になりました。
雑誌がいろいろとつぶれて来ているのです。

『ダカーポ』、『月刊現代』、『読売ウイークリー』・・・。

知人が『読売ウイークリー』の記者だったのですが、
『読売ウイークリー』が休刊になって、
読売新聞社を退社してフリーになったこと。
驚きます。

五十嵐さんの話ですと、建築雑誌も、いろいろつぶれて来ています。

私の学生時代にカッコよかった『SD』は、とっくにありません。

戦後すぐにたちあがった『建築文化』も休刊

昨年はINAXの『10+1』、
そしてNTTの『インターコミュニケーション』もが終わり。


外資系の『DETAIL JAPAN』も、あっさり終わり。

 

『男の隠れ家』とか、

エクスナレッジの

DESIGN ADDCITもなくなりました。


雑誌ではありませんが

アートスタディーズの情報を配信してくれていた『TN プローブ』も
なくなりました。
TN プローブ』は、大林組の文化事業のひとつとして1995年に活動を
始めたものでしたが中止になったのです。

世界金融危機から大恐慌化している現在は、
本格的に、古い単純系のモダニズムが崩壊を始めていて、
それが雑誌の休刊や終刊になり、
さらに某新聞の廃刊の噂になっている。

そういう中で、建築系ラジオというのは、
メディアとして小さいけれども、面白いと思うのです。

美術の人の多くは、インタネット配信のラジオなんかには、
興味がないだろうから、
美術系ラジオを、
建築系の人に向けてやれればと思います。
そうすることで、美術の人も聞いてくれる様になると思うのです。

とにかくアートスタディーズでもそうですが、
美術の内側では、やろうとしても無理だと言う事を、
私は学ばされたのです。
美術の外部で、美術をやるしか無いのです。

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新堀学さん、松田逹さん、山田幸司さん、
そして久しぶりに浜田さんにも会って、
総勢11名、3台のレンタカーで出発。

私の車は、若い建築家の寺崎悠真さんが運転してくれました。
紅一点の浜田さん、
それとこのツアーをコーディネイトしてくれた遠山元気さん。
建築の話や、美術の話をしながらで、楽しいドライブでした。

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最初の建築は、富士屋ホテルです。
中でお茶をしようとしましたが、
コーヒー900円で高い。
ビールが850円でこれを飲みました。

明治11年開業の高級クラシックホテルですが、
《想像界》の折衷建築。

写真で見ても面白いが、実物も、面白い事は面白いです。
日本の西洋館の安っぽさはありますが、
それでもアンティックになっていて、
若い人好み。
それなりに良く作ってある。

しかし
プロポーションもおかしいし。
かなりひどいオリエンタリズムで、外人受けのための建築。
早いポストモダン建築と通俗論的には言えるけれども、
しかし固体建築であって、厳密にはポストモダンではない。
私は好きにはなれなかった。

《第21次元》のキッチュ建築

固体建築(=前近代建築)
《想像界》の建築

《気晴らしアート建築》
《ローアート建築》

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次は、ポーラ美術館。
2002年9月に開館で、建築学会賞を受賞している評価の高い建築です。

写真でみるとカッコいい建築ですが、
まあ、社会的に評価が高いのは分かりますが、
私見では、ゼネコン臭い、つまらない建築です。

何よりも実体的で、建築の側だけをつくっていて、
非実体的な空間が美しく対象化されていないのです。

施行というか、細部の処理が疑問が多い。
レストランでワインを飲みましたが,柱の関係がおかしい。

《想像界》の眼で《1流》のデザイン的エンターテイメント。
《象徴界》の眼で《6流》のデザイン的エンターテイメント。
《現実界》の眼で《1流》のデザイン的エンターテイメント。

液体建築(=近代建築)
《想像界》の建築。

《気晴らしアート建築》
《ローアート建築》

こういうゼネコン建築のご都合主義的なかっこよさを見ると、
つくづく《象徴界》が《第6次元》というのは、
まずい事だと、思い知らされる。

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竹山聖の強羅花壇。
高級旅館です。
これは《超次元》の素晴らしい建築。
気体建築。
《象徴界》の建築。
《気晴らしアート建築》
《ローアート建築》

建築家・竹山聖は1954年生まれですが、
1990年36歳の時に作った建築。
バブル時代の企画らしく,非常に贅沢な空間と建築でした。
これは写真では、分かりません。
《超次元》で素晴らしいのですが、
何かが物足りないのは、
《シリアス・アート建築》ではないからでしょうか?


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さて、この日の最後が、ザ・プリンス箱根でした。

ザ・プリンス箱根は、村野藤吾の87歳の建築です。
これは凄い!
はっとする美しさです。
写真では分かりませんが、この入り口はきれいです。
南泰裕さんと、いいねと、話します。

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《想像界》の眼で《第1次元》の《真性の芸術》
《象徴界》の眼で《第1次元》の《真性の芸術》
《現実界》の眼で《第1次元》の《真性の芸術》

《想像界》《象徴界》《現実界》の3界をもつ重層的な建築
気体/液体/固体/絶対零度の4様態をもつ多層的な建築

《シリアスアート建築》《ハイアート建築》

《第1次元》、つまり《1流》建築なのですが、
しかしその完成度の高さと、《真性の芸術》性故に、美しい。
人々が深く愛することのできる、建築の美しさに満ちています。

こういうふうに、良い建築を、
中まで歩いて鑑賞する喜びと言うのは、
たまらないエクスタシーです。

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田村誠邦氏の別荘で、すき焼きで新年会です。
美味しかった。

建築系ラジオの中で、美術系ラジオもやろうという話になって、
その予告編もラジオ収録しました。

ほかにもラジオを数本収録。

浜田さんなどのスライド上映とディスカッションがあったのですが、
面白かったです。
そしてさらに進んで、議論が沸騰します。
これがなかなかの迫力で、建築をつくるということをめぐって、
激突する討論が展開されて、熱い会になりました。
建築を学んだ人々の、生身の切り傷がむき出しになる議論で、
面白かったですが、人間の深い闇も見えて、勉強になりました。
建築を作ろうとする欲望を巡るドラマは、
美術以上に過酷で、社会的欲望との相克を示していたのです。

(翌日に、つづく)






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建築系ラジオの五十嵐太郎の正常さ [建築]

建築系ラジオが面白い!
五十嵐太郎さんのやっているラジオです。

その中でも、特に面白いのが、今回の出会い系カフェをめぐる検閲に関する議論の放送です。

五十嵐太郎さんの、言論の自由のリスクを積極的にとろうとする姿勢が明確に出ているものです。
「後で問題になったら、五十嵐が責任を取る」という態度は、正当なものです。

ただ、問題になった北川啓介氏の話自体は、まったくどうと言う事の無いものであって、これを検閲して削除しようという考え方自体が、異常で、危ないものであると言えます。そういう意味では、それに抵抗している五十嵐さんは、健全な精神の持ち主であると言えます。

以下、五十嵐さんのブログから、ペーストします。

・建築系ラジオで長くお蔵入りになっていた幻のXファイルがとうとう配信となりました。僕としては、そんなに騒ぐほどスキャンダラスとは思えない内容なのですが(本当はもっとぎりぎりで、熱い議論をしたいのですが)、放置すると封殺されそうで、あえてこのコンテンツの是非をめぐる討議と同時配信ということで落ち着きました。みなさんで聞いて、判断してみてください。
http://radio.tatsumatsuda.com/


ゲスト:鈴木晴香(昭和女子大)天野裕子(筑摩書房)、野口健一(設計事務所勤務)、川瀬純(設計事務所勤務・元北川研)、小坂良子(設計事務所勤務・元北川研)樫原徹(建築家)
コアメンバー:五十嵐太郎、南泰裕、山田幸司、松田達

問題のコンテンツについて討議しました。しばらく配信が保留されていた名古屋工業大学准教授の北川啓介先生による音声ファイルについて、建築系ラジオとして配信すべきかどうかという討議です。出会い系カフェの問題にはじまり、むしろメディアの倫理についても議論しつつ、建築系ラジオの方向性を考えています。建築系ラジオが扱うものはどこまでなのか? その境界はどこにあるのか? その配信責任はどこにあるのか? コアメンバーでもやや意見が分かれつつ、会場の参加者も含めて討議が進みます。その結論はいかに? 五十嵐vs山田、五十嵐vs松田という構図も現れます。その横であくびをする南さん。当該ファイルとあわせてお聞きください(2008年12月7日、代官山モンスーンカフェにて) 。 

テーマ討議
聴く:「未公開ファイルについての配信討議」(北川コンテンツについて)
(MP3形式、32.5MB、47分19秒)
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17B:第2回「名古屋工業大学 北川啓介先生」(出会い系カフェについて)

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建築研究者紹介第2回は、名古屋工業大学の北川啓介准教授です。漫画喫茶から出会い系カフェ研究(?)へという流れについて、最近の興味についてお話頂いています。この内容について、建築系ラジオでは配信すべきかどうかという議論が巻き起こり、その結論が長い間つきませんでしたが、今回、配信の是非についての討議とともに配信することになりました。討議ファイルともあわせてお聞きください。結果として、建築系ラジオの境界線がどこにあるのかと問うています(2008年10月3日、名古屋工業大学にて)。 

建築研究者紹介
聴く:第2回「名古屋工業大学 北川啓介先生」(出会い系カフェについて)
(MP3形式、12.8MB、18分38秒)

kitagawa.jpg
コスプレを実践する北川先生

2人のカリスマ建築ガールズ落合由貴さん奥村英里子さんも登場。

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ヴェネチア旅行3日目/パッラーディオ [建築]

疲れて、朝寝坊、ブログはできなかった。
8時出発、汽車でヴィチェンツアに行く。

この街は、ルネッサンス期の大建築家パッラーディオがつくった理想の街で、
パッラーディオとその弟子の建築に満ちている。

まずは街を歩く。
パジリカ等々を見る。

タクシーで理想の建築といわれる
ヴィララロトンダを見に行く。

街に戻ってオリンピコ劇場。

汽車でヴェネチアにもどって、
安藤忠雄の工事現場を見学。

夜、はじめて、ツアー全員による夕食。





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アンドレーア・パッラーディオ [建築]

さすがに時間がなくて書けない。

アンドレーア・パッラーディオ(Andrea Palladio)を、
今回は自覚的に見て来たいと思っている。

アンドレア・パラディオ(Andrea Palladio 1508 〜1580 )は全世界に最も影響を与えた建築家であると言われる人。
今なお世界中の至る所に見られるペディメント(3角破風)円柱(列柱)で支えるモチーフはギリシア、ローマ神殿やルネサンス教会にも見られるが、あくまでモニュメントであり、その手法を建築のスケールまで落として応用したのは彼が最初であるという。
以下、ヴェネチアのあるはずの建築画像をとりあえず載せます。
ppa076.jpg
これは最初に行った時も見ているが、ちゃんとは分かっていなかった。
《想像界》の眼で《超1流》。
《象徴界》の眼で《超1流》〜《41流》
《現実界》の眼で《超1流》
固体建築、3界同時表示の偉大な建築。

ppa081.jpg
ppa099.jpg
ppa103.jpg
ppa120.jpg
ppa124.jpg


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