ゲイムービー
同性愛の映画としては、ダスティン・ホフマンの『真夜中のカーボーイ』(1969年)がありました。
この映画はすばらしいものであったのですが、《第31次元》から《第40次元》の映画であったのです。
《第1次元 社会的理性領域》が倒錯した領域が、《第31次元》から《第40次元》なのです。
つまり同性愛を「性的倒錯」と言う事に対する可否の問題は、もしかすると今日あるのかもしれません。私自身は同性愛者ではありませんが、かといって、同性愛者を差別したり侮辱したりする気持ちもありません。私がここで取り扱うのは、ゲイムービの中でも商業的な映画に見られる美学的な傾向性なのです。
ですから、ここで問題にしているのは、同性愛やゲイ、あるいはホモと呼ばれている事象を問題にしているのではなくて、それらを主題にした、いわゆるゲイムービの中で、《第1次元 社会的理性領域》が倒錯した《第31次元》から《第40次元》の領域を示している映画を集めてみるという事なのです。
こういうことに興味を持ったのは、
ゲイ映画としては、2008年の映画ですが、自らゲイであることを公表した活動家ハーヴィー・ミルクの生涯を描いた伝記映画『ミルク』があります。ショーン・ペン主演のすばらしい映画ですが、これもまた《第31次元》から《第40次元》の映画であって、《第1次元 社会的理性領域》の倒錯した美学性を示しています。
3本のアメリカ映画の名作がこのような《第31次元》性を示していると、ゲイ映画はすべて《第31次元》から《第40次元》であると短絡した結論を出したくなりますが、それは間違いです。