SSブログ

スポーツカー/コルベットと、ロココ時代のフランス画家/シャルダン(執筆途中) [デザイン論]

シボレー・コルベットは、
ゼネラルモーターズのシボレーブランドによって販売されているスポーツカーである。

初代(C1 1954年〜1963年)
c1-1.jpg
c1-2.jpg
C1Corvette1.jpg
C1Corvette2.jpg
C1Corvette3.jpg

コルベットはヨーロッパ製スポーツカーへの対抗心によって産み落とされた、
アメリカ車。

多くの日本人はアメリカ車よりも、
ヨーロッパ車が好きだが、
しかし私は、ヨーロッパでいじめられた人々が逃げてつくった
アメリカという社会の、そうした《逃亡の自由》が好きである。

コルベットには、ヨーロッパのスポーツカーに対する
抵抗と反抗の姿があって、
そういうとんがり方に、私はひかれる。

初代は、まだ、おとなしい。
1953年にプロトタイプが披露され、翌年に生産を開始する。

それでもスチール製バックボーンフレームに、
量産車としては初めてとなるFRPボディパネルを貼り付けた、
先進的な特徴を有した車であった。
FRPボディパネルを使ったと言う所に、
美術に関連してくる部分がある。

最高出力150馬力と、
貧弱な3859ccの排気量を持つ水冷直列6気筒OHVエンジン、
2速オートマチックトランスミッションなど、
純粋なスポーツカーというより、
スポーツカーと先進的イメージを押し出した雰囲気車でしかなかった。

それがチューニングを生業とする者達によって、
改良を繰り返し、
2最後期には300馬力オーバーに達するまでになった。

《1流》
《2流》
《3流》
《5流》
《7流》
《11流》
3界同時表示、
3様態同時表示。

私は、小さい時から、このコルベットのデザインが好きだった。
しかしこれは実体的で、合法的で、
デザイン的エンターテイメントであって、
それは美しく楽しいが、しかし芸術の魅力ではないのである。

■赤いエイ/コルベットスティングレイ・2代目(C2 1963年-1967年)

スティングレイは、魚の赤エイの意味である。

本来とは逆方向から回転する構造を持つリトラクタブル・ヘッドライト(格納式前照灯)
が採用されたのは、C2型が最初で、
このヘッドライトを備えたモデルは1964年に登場した。

先鋭的でエッジの立った独特なスタイリングで、
何物にも似ていない。
私がひかれるのは、このフォルムである。

C2Corvette2.jpg
C2Corvette50.jpg
C2Corvette51.jpg
C2Corvette56.jpg

C2Corvette70.jpg

魚の「赤エイ/コルベットスティングレイ」と言うネーミングは、
開発担当者であるビル・ミッチェルが、
釣りを嗜んでいたことから名付けられたと言われている。

赤エイ1.jpg
赤エイ2.jpg
赤エイ3.jpg

さて、その赤エイを描いた名画が、
ジャン・バプティスト・シャルダン(1699年〜 1779年)の
「赤エイのある静物」という絵画である。
赤エイのある静物2.jpg

これは《41流》の《超1流》《超1流》で、
典型的とも言える《41流》絵画である。

しかも《1流》性はないから、
万人向きの名作と言うものではない。
相当に変な絵である。

フランス革命前夜の1779年に死んだロココ時代のフランスの画家なのだが、
それが、この《41流》絵画である。
しかも初期の静物画『赤エイのある静物』でアカデミーに認められ、
「百科全書派」のディドロから、
著書のなかでシャルダンは絶賛される。
この赤エイの絵で、事実上のデビューになったのである。

軽薄で享楽的ななロココ芸術の時代に、
《41流》芸術が登場した所が面白いのである。

すれはスポーツカーのコルベットの魅力でもある。
この車は、この2代目から、
《41流》の《超1流》《超1流》の車になるのである。

《41流》のスポーツカーを言う存在は、
たぶん、もっとも早いのではないだろうか。
販売が開始されたのは1963年から。

この1963年11月22日 - アメリカのケネディ大統領がダラスで暗殺される。
11月23日 - 初の日米間の衛星中継実験に成功するのだが、
その最初のニュースが、ケネディ大統領暗殺事件を伝えるものであった。
私もこれを見ている。

《41流》のスポーツカーの登場に似合った、
まがまがしさを象徴する年なのである。

(加筆して行くつもりです)









タグ:デザイン
nice!(2)  コメント(3)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

nice! 2

コメント 3

コア

漫画家の柳沢きみおは、クラシック・カーのコレクターですが、
車のデザインは50〜60年代がベストであると書いていました。

彫刻家の若林奮が若い頃、車のデザイン/石膏型作成に携わっていた事が
今回の回顧展で紹介されていました。手作りのオブジェなのですね。
by コア (2008-04-24 11:46) 

レイ

なるほど、コルベットそういう見方もあるのですね。
そうやって見ると親しみを感じますね。
孤高のクルマという感じで、いかにもアメリカ車らしい。

個人的にはもちろんドイツ車が好きですが。
by レイ (2008-04-24 16:07) 

見ないで!

大人の隠れ家。無制限生撮りOK( ●≧艸≦) ☆ http://sns.b8y.in/
by 見ないで! (2012-05-26 11:06) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

あとがき全文目次/カバー裏 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。