ヴェネチア旅行4日目/建築ビエンナーレ [アート論]
朝一番で、ヴェネチアのサンマルコ広場のインフォメーションで聞いて、
カルロ・スカルパの改装した展示場を見る。
特に、会場前の橋が印象的作品。
ヴェネチア・ビエンナーレ会場に行く。
雨が激しく降る。
石上純也の作品を見て、
彼の作品解説のスライドショー。
写真が横になっていますが、どういう訳だか
アップするとそうなってしまいます。
帰国してから直しますので、お許しください。
日本館の外部に4つの温室が作られている。
クオリティは極めて高く超1流。
内部は、彼のドローイングで満たされている。
これも超1流である。
特徴的なのは、華奢(きゃしゃ)さの追求と、
その少女が作ったかのような繊細さである。
彦坂的に見れば、想像界と現実界でつくられていて、
象徴界が抜けているのである。
つまり建築は、このヴェネチアの建築もそうだが、
権力と強く結びついてきていて、象徴界の性格を強く持ってきている。
それが石上純也の作品では、見事に抜かれているのである。
その欠如感は過激である。
他の館を見る。
ノルウェイの建築家セルベール(Sverre Fehn)が建てた建築で、
きれいなもの。
展示は、このセルベールの様々な建築模型と写真。
HEDMARK MUSEUMが印象的。
イタリア館は大きい。
ここの食堂で昼食にザンドウィッチ、
これがパンといい、チーズといい、
おいしくて超1流。
アイ・ウェイウェイ(AI WEIWEI)と、HERZOG & MEURONの竹で構造物と椅子をつくった
インスタレーション。
AI WEIWEIは、」鳥の巣 北京のヘルウォーク&ド・ムーロンをつくった中国人建築家。
HERZOG & MEURONは、テートモダーンを作った建築家2人。
コールハースの錯乱のニューヨークの印象的な挿絵の展示。
描いたのはMADELON VRIESENDORP
ザハの有名なデビュー時のドローイングも、展示されている。
イタリア館中庭にはスカルパの仕事も常設になっている。
それとアンビルト、つまり建たない建築家のドローイングを見る。
次にドイツ館。
建築展だが、現代アート化した展示が多くて、
ドイツ館もその手だが、
これはひどい6流の現代美術。
フランス館は、まじめな建築模型の展示だが、
移動できる展示用の器具が優れていて印象的。
イギリス館もまじめな建築模型中心の展示で、
たいしたものであった。
セルビア館は、皮の断片でつくったねそべる寝椅子に、
アイポットがたくさんあって、各自で寝てみるという、
すぐれた映像展示。
ヴェネチア館はカルロ・スカルパのドローイングの展示で、
これはすごかった、
カルロ・スカルパは決して単なる工芸的な建築家ではないことを
見事に示している芸術性の高いドローイング。
このヴェネチア館の会場構成は、非常に芸術性の高い、
最高のものであったが、
日本人の同行者が、悪口を言っているので驚く。
レベルの高いものが理解できないのである。
それを超えるかのような芸術性の高さを示したのが
ルーマニア館で、
超1流の白黒写真と、芸術性の高い椅子。
もっともこれも、日本人からは、かっこの悪い椅子との意見があって、
絶句。
最初はつまらないと思って歩いていたのだが、
マイナーな国の展示が光っていて、
感動した。
来てよかったと思った。
貴重なご報告に感謝します。
by 丈 (2008-09-14 18:51)
建築展といっても、現代美術化が激しくて、良い意味でも、悪い意味でも、時代の変化を感じます。
by ヒコ (2008-09-15 08:44)