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崩壊(加筆2) [歴史/状況論]

「緊急事態」を宣言=金融法案成立、あきらめず−米大統領

9月30日22時47分配信 時事通信


 【ワシントン30日時事】米下院で最大7000億ドル(約74兆円)の公的資金を投じて金融機関の不良資産を買い取る金融安定化法案が否決されたことを受け、ブッシュ大統領は30日、ホワイトハウスで声明を発表した。
 大統領は「われわれは緊急事態の中にある。行動しなければ日ごとに悪化していく」と強い危機感を表明。「米国および世界の人々に、立法手続きが終わったわけではないと約束する」と述べ、法案成立をあきらめない考えを強調した。 

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1929年の世界大恐慌以来の経済崩壊が進んでいます。

何故に、こういうことになったか?
いろいろな要素はあって、経済の専門家でも分からない事でありましょうが、
簡単に言えばサブプライムローンで、貧乏人を食い物に、し過ぎたのです。

世界や社会の基本は、最下層の人々の上に乗っているのです。
この最下層を、弱肉強食で食い物にしすぎれば、
社会の基盤そのものが崩壊し、すべてが崩れるのです。

生物の歴史では、地球上で5回大絶滅が起きているそうです。
生物というのは、たとえばアメーバーのような下等生物が、
進化しようとして一生懸命《脱ー領土化》をして、
犬も歩けば棒に当たるで、たまたま巧く行って進化して、
少し高等な生物になると、その元のアメーバーを、
弱肉強食で、餌にして食い物にするのです。

そしてさらに進化して、また下のものを食い物にするといった調子で、
進化というのは、常に下のものを食い物にする形で、
強者のハシゴは、しだいに上に登って行きます。

しかし、全体を支えているのは、
その餌になっている下等の生物なのです。
一番下の下等生物が、食われ過ぎて絶滅すると、
全体が崩れて、大絶滅が起きます。

強者は、弱者の大地の上に立っているのであって、
自立しているのではないのです。

現在起きている経済システムの崩壊は、
大規模な崖崩れですから、
原理的には、誰も止められないし、
打つ手は、原理的には無いと思います。

崩れて行きます。
長期的にはアメリカ帝国の衰弱化ですが、
少なくとも100年以上かかる衰弱の過程というか、
土砂崩れです。

経済の素人の私の意見ですから、
基本的には戯言ですが、
戯言でいえば、
1973年のニクソン・ショックに原因があります。
それまでの金とドルの兌換性を止めてしまった事です。
紙幣が、金という物質的な希少性との連動を失った。
ドルは版画になってしまって、
実体経済と連動しないままに刷り続けて、
現在、実体経済の3倍のドルが、だぶついているという事です。

これを100年くらいの規模で、
放出して行くことになるだろう土砂崩れが起きたのです。
戦争になりますね。
多分、アジアで・・・。
逃げましょう(笑)。

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このことは芸術でも同様であって、
高度の芸術は、実は下層の、
レベルの低いアートの上に乗って成立するのです。

1960年代後半のモダンアートの高度化は、
実はサブプライムローンと、
同様の事態を引き起こしたのではないでしょうか?

つまり前衛美術の過激化の極点で、
大崩壊が起きたのです。
それが1970年前後の現代美術の状況でした。
日本の状況では毎日国際美術展の『人間と物質』展でした。
あれは今日では評価が高くて、成功した美術展とされていますが、
大失敗して、観客の入らなかった展覧会でした。
メディアでも批判が相次ぎました。
朝日新聞では、私の記憶では大岡信が批判を書いていました。

主催は毎日新聞で、
担当は記者の峯村敏明でした。
この失敗で、彼は左遷され、
それを機に、退社しています。

つまりコンセプチュアル・アートまで行った時に、
ニクソンショックと同様な、
アートが、
ドル紙幣が、金という物質的な希少性との連動を失ったのと同様な、
アートは、芸術であることの実体との連動性を失ったのです。

この時期、世界中で、いくつか、同じ様な、
過激な展覧会が開かれ、問題を起こします。
1969年にはハラルド・ゼーマン(1933 - 2005)による歴史的展覧会『態度が形になるとき』(ベルン、クンストハレ)が開かれます。R.セラ、L.ウィナー、B.ナウマンなどアメリカのコンセプチュアルアートとボイス、J.クネリス、M.メルツを始めとするヨーロッパのコンセプチュアルアートや、アルテ・ポーヴェラ、ハプニングなどを大々的に取り上げたという歴史的功績から、これも今日では評価の高いものです。
しかし当時は問題になり、ゼーマンは、その結果当時ディレクターを務めていたベルンのクンストハレを辞任に追い込まれ、解任されています。

ゼーマンは、1972年のドクメンタ5のキュレーションでも、赤字の結果、罷免の上ゼーマン自身も破産します。

もう一つ、エドワード・フライが行ったグケンハイム・インターナショナル展で、
作家のハンス・ハーケは、グッゲンハイムの理事たちがもっている不動産のリストをチェックして一覧表を作り、それを作品として出そうとして問題になります。結局それは展示拒否になり、キュレーターのエドワード・フライがグッゲンハイムから追い出されます。

この1973年の石油ショック前までの、現代美術の過激化は、
今でこそ評価が高いように見えますが、
実際には、問題を起こし、何かが失われたのです。
そして、
ハイアートは、崩れて、駆逐されて行くことになったと私は思います。

私見では、1975年以降の状況で起きたことは、
ローアートが台頭してくる現象です。
このことは、1975年以降のアメリカ美術史では、明確に読み取れるものです。

日本の動きは、もう少し分かりにくいものではありますが、
ローアートの台頭に飲み込まれて行ったのは、
同様であったと言えます。

さて、しかし今日の経済崩壊は、
更なるローアートの崩壊をも起こすのではないでしょうか。

つまり、この間のローアートの繁栄そのものが、
崩れるのではないか?

なぜなら、今日のローアートもまた、
コンセプチュアルな、ただの刷られた紙幣に過ぎなくて、
実体としての真性の芸術との連動性を持っていない、
バブルだったからです。

アートバブルが、どうなるのか?
注視して行きたいと思います。

今日のアートバブルに流れ込んでいたお金そのものが、
3倍刷られたバブルのドルであったのです。
このドルが、縮小して行く過程が、
今、始まったのです。

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【米金融危機】米の一国主義が世界経済のリスクに

10月1日0時14分配信 産経新聞


 【ワシントン=渡辺浩生】29日午後1時40分すぎ、「No(反対)」が「Yes(賛成)」を上回った瞬間、下院の議場を映し出すテレビにくぎ付けとなっていたウォール街の市場関係者は、目を疑った。その直後、ダウ工業株30種平均は急落し、票差が開くに連れてパニック売りが広がった。

 米政府は、金融安定化法により、金融機関をむしばみ続ける低所得者向け高金利型住宅ローン(サブプライムローン)債権を中心とした“病巣”を公的資金で切り離し、「金融不安の根源を絶つ」(ポールソン財務長官)はずだった。

 「血税によるウォール街救済」との批判に配慮し、約1週間にわたる政府と議会の協議の末、国民負担の軽減策や報酬制限などの修正を加え、28日に合意に達し、共和、民主両党の指導者が支持を表明した。

 しかし、党の決定に所属議員が「右向け右」で従う日本のような党議拘束は存在しない。個々の議員はためらった。

 5週間後の11月4日に大統領選と上下両院選挙を控え、任期2年の下院は全員改選を迎える。

 ブッシュ大統領は法案が否決されれば、「(失業や貸し渋りを通じて)影響はウォール街を超えてメーンストリート(普通の米国人)に及ぶ」と繰り返し強調。財務長官、チェイニー副大統領らを動員してギリギリまで個別議員の電話説得を続けた。

 だが、議員の地元事務所には、有権者から法案への抗議の電話やメールが殺到している。

 「(賛成すれば)地元に帰れない」(共和党議員)。多くの議員が、金融危機よりも、選挙での落選におびえた。

 米国人は伝統的に国家による介入や規制を嫌う気質が強い。「小さな政府」を掲げる与党・共和党の支持基盤である保守層ほどこうした傾向が強く、大量造反につながった。

 さらに米国では長いテロとの戦いによる疲弊もあり、自国だけの都合で動く「一国主義」の傾向が強まっている。政府と議会との議論も血税投入の是非が中心で、「米国発の世界恐慌を阻止する」という視点は抜け落ちていた。

 世界の金融市場は否決で大きく動揺し、世界経済が同時不況に見舞われる懸念が高まっている。経済のグローバル化が加速するなか、米国の一国主義は大きなリスクとなっている。

 ただ、衝撃の大きさから、議会側にも「われわれは妥協点を探らねばならない」(共和党下院のベイナー院内総務)と法案成立を目指す動きも出ている。

 ラインハート元FRB金融政策局長は「議員は市場の反応を注意深く見ている。議場に戻れば、もう一度採択に向かうに違いない」と期待を寄せる。

 「経済の行方は、政府が対応できるかに左右される。失敗すれば、長期にわたり厳しい影響が残る」

 ブッシュ大統領は30日の声明で、政府の介入の必要性を改めて訴えた。米国だけでなく世界経済の命運が、議会の行動に握られている。




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