桐野夏生の顔 [顔/美人論]
さて、いよいよ桐野夏生(きりの なつお)である。
1951年生まれだから、56歳。
石川県金沢市生まれ、成蹊大学法学部卒業の小説家。
想像界の眼で見て、《8流》のイメージ。
象徴界の眼で見て、〈41流〉〈超一流〉〈超一流〉
現実界の眼で見て、〈超一流〉の現実。
典型的とも言える、素晴らしい〈41流〉美人である。
彼女の小説は、確かに〈41流〉性がって、読むのを嫌う女性も多い聞いたことがある。
もっとも最近作の『魂萌え!』は映画化もされたが、主婦を主題に据えた、女性も読める小説ではあった。
〈想像界〉、〈象徴界〉、〈現実界〉という3界を持っている力量のある人格である。
固体、液体、気体の3様態を持った総合的な人格である。
実際、この人の小説が、ぐいぐいと成長していって、感動した。
女性探偵もののミロシリーズでは《8流》であったのが、
『OUT』(1998年、第51回日本推理作家協会賞)でのブレイクに驚かされ、それでも良いのは前半だけ。
『柔らかな頬』(1999年 第121回直木賞受賞)も素晴らしいが、最後の数節の終わりでこける。
しかし『逆光』では、最後まで見事に書ききり、
『グロテスク』(2003年 、第31回泉鏡花文学賞受賞)では、なんとも壮絶に純文学化してしまった。
『玉瀾』の美しさ、新しさは、珠玉の輝きであって、
さらに『残虐記』(2004年 、第17回柴田錬三郎賞受賞)では、見事に詩として昇華されていた。
この人は短編集も良い。
すごい成長を示す、偉大な女流文学者である。
この人と同じ時代を生き得たことを幸せに思う。
もう一度顔を見る。
非合法的顔、
さらに、非実体的な顔である。
もう一つの特徴は、柳美里とは違って
去勢されていない。
このことをどうかんがえるのか?
実は、このブログでもきちんと書いていないが、
実は哲学者の顔は、去勢されていなかった。
この発見から逆照すると、
桐野夏生は、哲学者のように去勢されていない人格として、
興味深い存在であると言える。
コメント 0