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個展開始 [アート論]

1月15日にギャラリー手で、
私の個展が始まりました。

建築の人からは、
彦坂はどうして食べているのか?
という、疑問を聞かれるのですが、
作品を売って食べています。

今回の個展でも、
作品は、結構な数を出しています。
一応、2日間で9点売れたので、
作家としては一安心しています。

売るというのは、
必ずしも表だけではないのですが、
今回の展覧会は、
剥き出しで、売り絵を並べています。

それと今回の特徴は、
〈現実界〉の美術を、何点かですが、
作っていることです。

〈現実界〉の固体美術という、
従来、私の避けてきた領域で、
しかも〈41流〉〈41流〉〈41流〉という、
スレイヤーなみの作品が数点出ています。

これが一番人気が高くて、
まあ、うれいしいことはうれしいのですが、
正直言うと、ちょっとショックを受けています。
なにしろスレイヤーですから。

こんなものが受ける時代というのも、
世も末であると言えます。

個展のお知らせ--------------------------------

彦坂尚嘉展

2008年1月15日(月)〜2月2日(土)

11:00〜7:00 土曜日は5 :00まで

ギャラリー手
東京都中央区京橋3-5-3 竹河岸ビル1f
tel 03-3538-6131
---------------------------------------------------

みなさま

作品は実際には裏で売っている面が
あります。

昨年2月頃にギャラリー16で開催した
昔のフロアイベントの写真記録のシリーズは、
某美術館に売れました。

これも昔つくった『メランコリア』という版画集は、
私が営業しましたが、
つい先月個人コレクターに売りました。

私だけではなくて、
私の友人関係でも、
昔のペインティングを6点、
大阪の画廊で展示して完売しているとか、
地味な作家でも、
それなりに販売はしています。

美術作品自体は、
付加価値は高いので、
だからやれるという、ことはあります。

建築家が大変なのは良く分かってきています。

建築の仕事とは美術のビジネスが違うのは確かですが、
美術家も、こうして売って成立させているのです。

しかしモダンアートのイデオロギーは、
「芸術は金では買えない」と言ったような、
虚偽の言説を振りまきました。

それを信じる人が、
膨大に生まれたことも
確かなのです。

しかし、
美術家が書き残した日記や手紙の類の多くは、
お金に関するものです。

ゴーギャンがタヒチから書いた手紙の多くも、
お金に関するものです。

しかし美術史家も含めて、
こういう事実から眼をそらしている人が多いのです。

芸術というものを、
現実逃避ということと、
混同しているのです。

いわゆるアートマネージメントの人々が、
実際には現実逃避のタイプの人で、
始末が悪い人が多いのも、
何人も観察してきています。

しかし、芸術の定義は、現実逃避というものでは
ないのです。

彦坂尚嘉

………………………………………………………………………………
○○○○様

火曜日は、
お時間の無いと所、
個展を見に来てくださって、
ありがとうございました。

すぐ近くで飲んでいたのですが、
失礼してしまって、申しわけありません。

ギャラリー手は、小さな画廊で、
今回の展示も、小さな売り絵ばかりで、
見ていただくのに恐縮します。

大学で教えているわけでもないので、
作品を売って生きている立場を、
ご了解いただければと思います。

彦坂尚嘉



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共通テーマ:日記・雑感

コメント 1

丈

売る事を前提に作りつつ質を追求する事は事は難しいですね。
最近は縮まって来たかもしれませんが、美術と「社会に流通する文化」のギャップが大きい事も原因かと思います。
知り合いの作家は割り切って「人は作品の善し悪しは分からないから、『義理』で買ってもらうのだ」と豪語していました。
19日には伺いたいと思います。
by (2008-01-17 18:55) 

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