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建築家・山田幸司さんの顔(改題/加筆、改稿少しあり) [建築]


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韓国ソウルSSIデザイン学院大規模リノベーション

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浜松市田学園田町校舎


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上の写真の右が、建築家の山田幸司氏である。
今回のマキイマサルファインアーツでの2人展を見に来てくださった時の、
記念写真である。
真ん中が、建築評論家・建築史家の五十嵐太郎氏である。
左が彦坂である。

撮影は建築家の南泰裕氏である。

今回は、マキイマサルファインアーツでの南泰裕さんと彦坂の2人展のオープニングと、
INAXのシンポジウムの2回も、わざわざ上京してくださった。
山田幸司氏は、名古屋を拠点にした建築家なのである。



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山田幸司
1969年、愛知県生まれ。
愛知工業大学学部建築工学科を卒業し、
石井和紘建築研究所に。

石井和紘は、安藤忠雄が入る以前の直島に、多くの建築を建てた
ポストモダンの代表的な建築家。山田幸司氏は、石井の元で、
直島の石井建築を多く手がける。

私が、山田幸司氏に会ったのも、
この直島建築ツアーでのこと。

1998年山田幸司建築都市研究所を設立。

受賞暦等
日本建築家協会優秀建築選2005
グッドデザイン賞2004
日本建築学会作品選
すまいる愛知県建築賞
碧南市都市景観賞
SDレビュー1998 新人賞

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顔の鑑賞である。
《イメージ判定法》で《8流》。
《言語判定法》で、《1流》から《7流》の多層的重層的人格。
《現実判定法》で、《1流》。

《1流》というのは、通常の1流という意味ではなくて、
彦坂尚嘉の用語では、社会的理性領域という意味である。

かなり、とんでもない建築を作る人の様に見えるし、
お付き合いすると、大変に面白い方なのだが、
実は社会的理性領域に生きている方である。

《現実界》の建築家。
《想像界》《象徴界》はない。
気体人間。

《現実界》で気体人間というのは、
若手建築家の石上純也氏と同じである。

過激な建築に見えるのは、この辺の性格の現れであると言える。



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これらの画像は、山田幸司さんのリノベーション建築で、
2003年に設計を手がけた“笹田学園田町校舎”。

静岡県の浜松市にあって、今年の建築ツアーで、
私も見に行っている。

大規模リノベーションで、古い建築が、
地震への構造強化を含めて、
まったく新しい価値を持ったビルに生まれ変わった。

ファッション・広告・建築のスペシャリストを育てる浜松市の専門学校という性格もあって、
斬新なデザインが、校風の意味を強める効果を持っている。

この仕事で、「日本建築家協会優秀建築選2005」
「グッドデザイン賞2004」
「日本建築学会作品選」など多数の賞を受賞。

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写真とパースを見比べると、
3DCADで緻密なシミュレーションを行って、
建築していることが分かる。

建築は、美術と違って、
途中でのやり直しをすると膨大な工費の増額をまねくから、
精密な計画とシュミレーションが必要なのである。

山田幸司氏は3DCADの使い手としても有名だそうで、
有名建築雑誌のWebサイトで、
“山田幸司のスーパーモデリング講座”を連載する。

「建築家の多くは、プレゼンテーションツールとして3DCADを使っていますが、
僕の場合は3DCAD上で徹底的にデザインを検証する。
装飾の一部にもなるボルトの位置を、
それこそ1ミリ単位でシミュレーションするんです。
だからそのデータをレンダリングするだけで、精巧なパースになる
」とのこと。

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《イメージ判定法》で、《8流》。
《言語判定法》で、《1流》から《7流》の多層的重層的建築。
《現実判定法》で、《1流》建築。

《現実界》の建築。
気体建築。

先にも書いたが、
彦坂尚嘉の格付けでは《1流》というのは、
社会的理性領域である。
これほど、とんでもない建築をつくりながら、
しかし社会的理性性を強く示しているのは、
面白い事である。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
カナダに行くと、建築が美しいのに驚かされる。
何よりも《1流》建築が多いのである。
日本は《2流》建築が多い。
《1流》もあるのだが、それこそ丹下事務所がつくった新宿のオゾンなどは、
そうなのだが、かなり贅沢な建築になる。
普通の意味での《1流》建築は、
建設費が高くなるのかもしれない。
《2流》というのは、技術領域であって、
建築が技術領域で作られる事自体悪い事ではないのであって、
それを《1流》に持ち上げるのには、
まず、お金がかかるという事かもしれない。
山田幸司さんのこの《1流》建築は、
建築を《現実界》に還元する事で、成立している。
費用的に、それで安くなったのかどうかは、私にはわからないが、
《想像界》《象徴界》《現実界》の3界を持つ建築を解体して、
《現実界》だけにするという方法は、
ある過激さを示している。
この建築が、リノベーションである事と重なって、
《現実界》建築というものの、刺激が、
考えさせられるものとなっている秀作である。
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連想する建築に、レンゾ・ピアノリチャード・ロジャースが設計し、
1977年に館したパリのポンピドーセンターがある。

《イメージ判定法》で、《8流》。
《言語判定法》で、《6流》と《7流》の2層構造。
《現実判定法》で、《8流》。

つまり格付け的には、山田幸司の建築は《1流》だから、
上なのである。

山田幸司さんの建築には、明らかにポンピドーセンターの影響と見えるものがあるが、
しかし格を上げると、
それは模倣とは言わないのである。

しかしポンピドーセンターは、
《想像界》《象徴界》《現実界》の3界を持っている。
そうした重厚性はあるのである。
山田建築は、それに対して《現実界》に特化することで、
よりシャープに、過激化している。
山田建築を見てから見ると、
ポンピドーセンターが古典的にも見えるのである。

山田幸司さんの建築や、石上純也さんの作品を見ていると、
もしかすると、《想像界》《象徴界》《現実界》の3界を解体してしまって、
《現実界》だけにするという、
つまり解体の手法は、あるのかもしれないと、
私は、思うに至っている。

解体という手法の限界もあるのだが、
総合化という手法の限界もあるのである。

今一度、私自身が過激化するためには、
再度の解体を選ぶ事も、選択肢として考えたいと、
思っている次第である。

まあ、しかし表現は、奥が深いのである。




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巨乳の戦乙女様

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by 巨乳の戦乙女様 (2011-10-25 18:05) 

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