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横浜トリエンナーレ(4)ポール・マッカーシー [アート論]

◆◆顔◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
ポール・マッカーシーの顔です。
顔から批評して行った方が、
読者に理解しやすい作家というものがあります。

観客というものは、
作品だけ見ると、
自分の欲望を流し込んで好き勝手に解釈し、
誤解する傾向が強くあるからです。

美術家の顔というのも作品であって、
だからレンブラントやゴッホの自画像が面白かったのであって、
その顔をまず鑑賞すると,
作品をより鑑賞しやすくなるのです。

河原温のように、
顔を隠している作家と言うのは、
顔を見られると自分の作品がつまらないものである事が、
簡単にばれるのを恐れているからです。
河原温の作品は、《6流》の
デザイン的エンターテイメントにすぎません。
芸術ではないのです。

さて、そういうわけで顔から見る必要のある作家のサンプルの一つとして
マッカーシーを考えたい。
ポール・マッカーシーの顔です。
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《想像界》の眼で《8流》
《象徴界》の眼で《41流》〜《8流》の重層的人格。
《現実界》の眼で《41流》
気体人間、《現実界》だけの人格を持つ人。
《ローアート》のアーティスト
《気晴らしアート》のアートティスト

《自己愛》性人格障害者の人に見える人。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
この顔を見ると、ヘルマン・ニッチェを
思い出します。少しですが似ています。
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ヘルマン・ニッチェの顔です。
《想像界》の眼で《41流》。
《象徴界》の眼で《41流》から《超1流》の重層的人格。
《現実界》の眼で《41流》。

《想像界》《象徴界》《現実界》の重層的人格。
固体/液体/気体の多層的人格。

シリアス・アートティスト
ローアーティスト
《自己愛》的人格障害を持っていると
彦坂尚嘉の《言語判定法》では見えるアーティスト

一番にているのは、
《自己愛》性人格障害者であるらしい所です。
それと《41流》性を人格の中に持っている。
ともに《ローアート》のアーティストです。

違いは、結構あります。
一番の違いは、
ニッチェが《シリアス・アート》であるのに対して、
マッカーシーは、
《気晴らしアート》のアーティストであることです。

初期の作品には、ニッチェのウイーン・アクション派の
影響が強くありますが、
それが最近のものは、
よりポップに、《気晴らしアート》しているのです。

では、
その《気晴らしアート》の最近の
風船彫刻作品から見てみましょう。


◆◆風船彫刻◆◆◆◆◆

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《想像界》の眼で、《超1流》の《真性の芸術》
《象徴界》の眼で、《41流》〜《超1流》の
           デザイン的エンターテイメント。
《現実界》の眼で、デザイン的エンターテイメント。

《想像界》の作品。気体美術。
《ローアート》《気晴らしアート》
《自己愛》性人格障害者の作品。

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ポールマッカーシーのこの風船彫刻は、
【伝統的な彫刻】が消滅した後の彫刻として、
確かに刺激的と思う。

【伝統的な彫刻】というものが
何であったのかを分析し定義することはやさしくはないが、
その作業をカッコにいれて、
とにかくその外に出ると考えて、
《象徴界》にだけ還元して成立させて見せたのがジャッドであった。

さらに《現実界》へだけ還元して成立させたのが、
セラであったとすれば、
マッカーシーは、《想像界》に還元して見せたのです。

《想像界》の彫刻にすることで、
風船という素材と、その巨大化が可能になっていて、
すぐれてアメリカ的なものと言える。

《想像界》の風船彫刻であっても、
シニフィエ(記号内容)の彫刻ではなくて、
シニフィアン(記号表現)の彫刻になっている。

彫刻という言葉を気楽に使って来ているが、
《真性の彫刻》であるのかと言えば、
そうではないだろう。
商業用のはりぼての人形の様なものなのだ。
だから《ローアート》なのだが、
それでも《想像界》の眼では《超1流》で、
《真性の芸術》性があるのです。

それは面白いし、鑑賞に値する作品と言えます。
横浜トリエンナーレに持って来て欲しかったのです。

(この項つづく)











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コメント 2

ぶんぶん

黒川弘毅さんも顔を見られると自分の作品がつまらないものである事が、簡単にばれるのを恐れているのですか??
by ぶんぶん (2008-10-18 10:51) 

ヒコ

 黒川弘毅さんは、顔写真だけはなくて、ドローイングとか、そういうものも、昔は出しませんでしたね。最近の事は知りませんが・・・。
 もっとも顔写真は、大学では、今は、出しています。
http://www.musabi.ac.jp/chokoku/staff/02_01.html
 黒川氏はイタリアに留学しているのですが、帰って来た時に聞いた話で驚いたのは、彼は自分をアーティストであるとは言わないで、「彫刻愛好家」というような自己紹介で通したという話でした。今、その記憶をこう書けば、ご本人は打ち消すと思いますが、心理的には錯綜性を持ったアーティストであって、普通の意味でストレートに彫刻家と自己措定をしている人ではありませんでした。今は大学教授ですから、お立場もあるでしょうから、言う事は昔とは違うだろうとおもいますが・・・。
by ヒコ (2008-10-18 14:13) 

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