故人となられた和田守弘氏の回顧展を 神奈川県民ホールに見に行った。
あわせて作品集も刊行されている
1970年代初頭、田村画廊を銅板で覆って、
さらにヴィデオを持ち込んだ作品は、当時見ていて、
それは印象深いものでした。
もの派的なものが、映像に転化していく作品であった。
同じ事は初期の真板雅文の写真とものを使った作品にも
言えて、こうした作品が、もの派展から削除されて来ている
ことは、美術史的には不手際と言える。
この後の和田の観念的なビデオ作品の展開が、
私には印象に残っている。
会期:2009年1月13日(火)~25日(日) 会期中無休
開館時間 午前9時~午後6時 *最終日は午後4時閉場
会場:神奈川県民ホールギャラリー 第2~5展示室
[入場無料]
2007年1月59歳で死去した鎌倉市在住の美術家でヴィデオ・アート、ヴィデオ・インスタレーションの開拓者でもあった和田守弘の回顧展を開催します。1947年香川県高松市に生まれた和田は多摩美術大学絵画科を卒業、在学中から東京での個展や各種グループ展でヴィデオや写真、インスタレーションのほか、絵画やドローイングなどさまざまな表現手段で発表活動を続けてきました。70年代、80年代は個展のほかジャパン・アート・フェスティバルや横浜市民ギャラリーでの今日の作家展、神奈川県民ホールギャラリーでのEXHIBISM展、海外ではニューヨーク近代美術館でのTHE NEW VIDEO:JAPANなど、国の内外で活躍してきました。1984年には第2期ビクター・ヴィデオ制作奨励制度により奨学金を受けております。映像作品が大勢を占める今日の美術状況を見渡したとき、和田が追求した仕事はきっと若い人にも大きな影響を与えるでしょう。
〈出品作品〉
初期のころの先駆的なヴィデオ・アートやインスタレーション作品、銅板を使った半立体の作品や油彩による絵画、膨大な量のドローイングや大作のためのデッサンなどのほか70年代、80年代の現代美術の状況がうかがえる当時の写真や資料で構成し、再評価を図るものです。
今回改めて、故和田守弘という作家の全貌を見ると,
まず、その作品量に驚かされる。
かなりの数の発表を見て来たつもりだったが、
見ていないものが多いのです。
見るからに、展示作業は大変であったろうと思いました。
これだけの作品を、今後どうするのかも、むずかしい問題だろうと
思います。
まあ、しかし、ご遺族のご努力で、
これだけの回顧展と作品集をまとめられて、
現代美術の作家として幸せなことだと思いました。
故人のご冥福を心からお祈り致します。
合掌
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その後
会場で一緒になった古い友人と
東中野に行って
韓国のキリスト教教会の礼拝に出た。
宗教法人・ヨハン早稲田キリスト教会というもので、
統一教会のようなカルトではなくて、
まともなプロテスタント系のキリスト教です。
とおもったが、帰って来て検索をかけると、
2チャンネルでは、カルトだという批判が書いてある。
勧誘がきついと言うのです。
創価学会やエホバの証人に近い勧誘方法で勧誘しているというのです。
私は勧誘されたわけではなくて、
友人が勧誘されて、私は好奇心だけで付いて行ったのだけれども、
2チャンネルの批判も、まあ、もっともと思って読んだ。
日曜日の集会であった。
800人くらいいて、礼拝は日本語で韓国人の牧師がやっている。
日本での布教を目指しているそうで、日本語での説教で、
全編日本語で進むのですが、それがすべて韓国人の日本語ですから、
なんともエキゾチックな世界で、不思議な感じに満たされる。
しかも、正面には大型のテレビスクリーンが2台あって、
そこに賛美歌の歌詞や、聖書の文句が出てくる。
それで歌を歌ったり、聖書を全員で朗読する。
ゴスペルバンドが出て来て、
ロック的に演奏する。
アメリカのTVキリスト教の様な感じで、
その辺の新しさが、若い人を引きつけているのかもしれない。
もともとは各種学校であったビルを、ほぼそのままにして
使っている。
かなりの数の教会が建設されているとのこと。
日本占拠を目指していると、
付き合ってくれた韓国人は言う。
その「日本占拠を目指す」という様なところが、
カルトと見られるゆえんであるだろう。
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と、書きましたが、これは聞き間違いで、
コメント氏からご指摘がありましたので、
訂正します。
「日本宣教を目指す」でした。
若い人ばかりいて、
こちらがつきあってもらったのも25歳の日本語のうまい韓国人。
目が覚めるような、体験だった。
何しろ、今時の日本人は、
宗教心が無くなっていて、
現代美術関係者だと、初詣に行っても,
手を合わせて拝む事も出来ないのです。
韓国へのキリスト教の定着と、
その若いひとへの拡大は新鮮だったのです。
しかも、それが日本への布教を果敢に展開しているのです。
しかし、その会そのものは固体性が強くて、
その意味では、韓国人社会は、近代以前の社会なのかもしれない。
あるいはこの宗派に封建的な体質の臭いがあるのかもしれない。
それがカルト的なことなのかもしれない。
その後、新大久保に出て、韓国料理屋で夕食を食べた。
とにかく、奇妙な体験で、元気になった。
異質な世界があることを知るだけで、面白いのです。
おおげさにいうと、現在の社会は、スーパーフラットではない。
《想像界》の眼で見れば、スーパーフラットに見える事は確かだが、
その横に、こうした異次元の信仰世界が活動を続けている。
それがカルトと区別がつかないところがあるにしても、
それでも若い韓国人が日本語で話しながら、
現実にキリスト教の伝道をしている。
韓国の貨幣のウオンが下がっているので、
日本での生活も大変でしょうね?
と聴くと、韓国人は日本でアルバイトをして働いていて、
日本で稼いでいるので、関係がないとの事。
生活する物価は日本の方が高いが、しかしアルバイト賃も
日本の方が良いので、大丈夫との事。
日本人は生活が楽になって、若い人は労働意欲がなくなっていて、
それに対して韓国人は、労働意欲があると言う事を話す。
実際のキリスト教の礼拝の中でも、一所懸命に働いて、
意思を強くして、人格を覚醒し、目的を達しようと言う、
そういう、やたらに前向きな、人格改造セミナーの様なのりでした。
私自身は、2回韓国には行っていますが、
つくづく思ったのは、キリスト教が、韓国には想像以上に根づいている事で、
そのことは、しかし奇妙な気がしました。
韓国は、総人口の約3割はクリスチャンだそうで、
アジアではフィイリッピンにつづいて第2のキリスト教国家なのです。
クリスチャンの多くはプロテスタントで、とくに長老派やメソジスト派が多いそうです。
これらのキリスト教会は、1910年の日韓合併の時から、
韓国の中での反日抵抗運動の3・1運動の参加して、戦って来ているのです。
そしてまた、神社参拝強要への拒否など、反日本運動を続けてきたということです。
私自身は、日本が、3回にわたって朝鮮侵略を繰り返していることを、
民族心理学的に、重要な事だと考えます。
江戸時代の11回にわたる 朝鮮通信使の来日という外交関係があるにもかかわらずおこなわれた、
日韓併合は、不当な侵略行為であり第日本帝国の帝国主義犯罪と考えるので、
こうした朝鮮民衆による反日運動を、私は高く評価します。
皇居美術館空想の中でも主張していますが、
日本政府は、日韓併合に対しては正式に謝罪すべきと考えます。
私の思想基盤は、あらゆる地域の最下層の民衆の抵抗権の擁護です。
李承晩初代大統領もメソジスト牧師出身であったということ。
朝鮮戦争後の韓国社会の中で、キリスト教の急速な普及があったそうで、
故郷を離れ孤独な人々が、キリスト教の宗教組織に入ったという事情があったようです。
最下層の孤独な人々が、キリスト教の帰依した事は、理解できるものです。
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誤解されると困るので,念のために書きますが、
私はこの宗派に参加するつもりはありません。
あくまでも好奇心で、たまたま友人について行っただけです。
私は、新興宗教の歴史には興味があって、
その手の本は読んでいます。
最下層民衆の徹底抗戦の拠点として、新興宗教も含めて、宗教を、
単純には否定的に見る事はできません。
最近では日本の10大新宗教 (幻冬舎新書) 島田 裕巳です。
面白かったです。
五十嵐太郎さんの新宗教と巨大建築 (講談社現代新書) も読んでいます。
なんといっても大正維新をめざした大本教と、
それに対する大弾圧には、
大日本帝国の近代の抑圧構造が良く出ていると思います。
2009-01-26 00:22
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プロテスタントの教会なので、「ミサ」ではなく「礼拝」ですね。
「日本占拠」ではなく、「日本宣教」ですね。
発音の問題で伝わらなかったかもしれません。
だいぶ誤解を招く可能性のある表現だと思ったので補足のために・・・。
by クリスチャンです。 (2009-01-27 13:17)
ご指摘ありがとうございます。
日本宣教は、分からなくて、失礼いたしました。訂正しました。
ミサも、礼拝に直しました。
ありがとうございました。
by ヒコ (2009-01-28 00:27)
早速の訂正、感謝です。ヒコさんは謙虚な方ですね。
韓国語で「宣教」を「ソンギョ」と発音するので、
それで勘違いをされたのかもしれません。
ヨハン教会はカルトではないので安心してください。
友人が通っています。
私もよく知っているので。
by クリスチャンです (2009-01-28 03:06)