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皇居美術館空想とフロアーイヴェント [アート論]

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『皇居美術館空想』と言う彦坂尚嘉の作品は、
題名からも分かるように、空想なのです。

それはフランスのド・ゴール政権で長く文化相を勤めた作家で政治家の
ンドレ・マルロー(1901―1976年)の著作『芸術の心理学』の第一巻
『空想美術館』で語られた概念を下敷きにしています。

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マルローの場合には、現実の美術館ではなくて、印刷複製による
美術全集のことを指し示したのが『空想美術館』ですが、彦坂尚嘉の
『皇居美術館空想』は、美術館の存在そのものを空想しているのです。
それは空想建築の作品でもあるのですが、正確には、空想建築の
模型彫刻作品という、建築と彫刻の関係をめぐる彫刻史論的な
作品と言う面があります。

こういうと、むずかしくなるので、できるだけ分かりやすく
書いて行きます。

天皇陛下に京都に帰っていただいて、その空いた皇居に、高さ1キロの
巨大美術館を建設するという空想なのです。それはあくまでも空想であ
って、本当に建設しようと言っているのではありません。こういう空想
作品によって、見えてくるものを問題にしているコンセプチュアルな
作品なのです。



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