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ジャン・デルヴィル(最後に顔を追加) [アート論]


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君の瞳は百万ボルト?

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《想像界》の眼で《 第41次元》の《真性の芸術》
《象徴界》の眼で《  超  次  元  》の《真性の芸術》
《現実界》の眼で《  超  次  元  》の《真性の芸術》

《想像界》《象徴界》《現実界》の3界をもつ重層的な表現
気体/液体/固体/絶対零度の4様態をもつ多層的な表現

《シリアス・アート》《ローアート》

シニフィアン(記号表現)の美術
《透視画面》『深いイリュージョンの絵画』【B級美術】
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ジャン・デルヴィルの絵画は、芸術なのだろうか?
こういう疑問は、私自身も持たざるを得ない。

時代的に考えれば、明らかに反動の絵画であり、
反動的思想運動なのですが、
しかし単なる固体絵画であるわけではないのです。

固体絵画という、氷のように凍った固い前近代絵画ではないという
そのところが、ジャン・デルヴィルが、単なる反動ではない所なのです。

ですから、純粋に絵画としてのみ見るならば、
反動絵画であるよりも、《ローアート》であることが
問題です。

芸術分析をしてみると、デルヴィルの絵画は《ローアート》なのです。
このことが、芸術性を大きく傷つけているのです。

つまりすでにある、それこそラファエロ的な古典絵画の模倣の
連鎖の中で制作がなされているのです。

しかし、にもかかわらず《シリアス・アート》であり、
なによりも《第41次元》《超次元》のすぐれた芸術作品であります。

だから今日のシュミレーショニズム以降の《ローアート》の跋扈する
時代には、むしろ評価できるとも言えるのです。


つまり《ローアート》ではありますが、傑出した芸術性を示していて、
しかも今日のコンピューターゲームなどのバーチャルリアリズムに
つらなる先駆性を示す絵画であったと、再評価できる、
というふうに、彦坂尚嘉の芸術分析は結論します。

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ジャン・デルヴィルは、1867年にベルギーのルーヴェンに生まれます。
この1867年というのは江戸幕府の終わった年で、翌1868年が、
明治元年です。

ブリュッセル美術アカデミーに学び、詩作も行い、1888年に象徴主義雑誌「ラ・ワロニー」に自由ソネット「呪われた地平線」を発表、この頃から象徴主義へ強い関心を寄せるようになります。

象徴主義というのは、サンボリズムとも言いますが、19世紀末を中心に台頭した芸術運動です。
1886年、つまりジャン・デルヴィルが19歳の時に、フランスの詩人ジャン・モレアスが「象徴主義宣言」(1886年)を発表したことに由来します。そして先駆者として『悪の華』の詩人ボードレールがいるのです。

象徴主義の芸術運動は、その前のクールベやミレーらの自然主義リアリズムが実証的で正確な現実描写を目指したのに対して、絵画の内奥に神秘的なものを描き出す事を目指したのです。これらの神秘主義的な傾向は、ドラクロアや、ゴヤ、ウイリアム・ブレイク、フリードリッヒなどのロマン主義から受け継いだ展開であると言えます。

フランス19世紀末を代表する魔術師ジョゼファン・ペラダンと知り合い、パリとブリュッセルの神秘主義運動に参加します。

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魔術師ジョゼファン・ペラダンの顔(簡易分析)
《第8次元》の《真性の人格》
固体=前近代性だけの反動的人物

このペラダンは、髪と髭を伸ばし放題にして異国趣味の衣装に身を包み、
サール・メロダク(サールはアッシリア語で“王”、
メロダクはカルデアの木星の神)を自称して注目を浴びたのです。

ジャン・デルヴィルは、1892年から95年までペラダンの主宰する
薔薇十字展に出品しています。

等々、ジャン・デルヴィルの活動とその芸術は、
まさに近代化する社会や文化への反動に向って、
まっすぐに走ったのでした。

その意味で、モダニズムからは、愚劣な芸術家でありました。
死んだのは1953年ですから、ポロックの時代まで生きていたのです。

ですからジャン・デルヴィルの絵画には、
何も新しさも無いと考えられたのです。

しかし今日の近代の否定の時代から見ると、

ジャン・デルヴィルの反近代主義の象徴主義絵画は、むしろ新しさとして、

蘇って見えるのではないでしょうか。

何かの新しさがあるのです。

それが暗黒の中世へ回帰しようとする闇の光であったとしても・・・

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ジャン・デルヴィルの顔
《想像界》の眼で《第41次元》の《真性の人格》
《象徴界》の眼で《  超  次  元  》の《真性の人格》
《現実界》の眼で《  超  次  元  》の《真性の人格》

《想像界》《象徴界》《現実界》の3界をもつ重層的な人格
気体/液体/固体/絶対零度の4様態をもつ多層的な人間

《シリアス人間》《ローアート的人間》

シニフィエ(記号内容)的人間。

『真実の人』
《自己愛》性人格障害的人物

まあ、気難しそうな顔をしている。
典型的な《第41次元》の顔をしていて、
しかも《自己愛》性人格障害的な人物です。

面白いと思うのは、
絵画はシニフィアン(記号表現)なのですが、
ご本人はシニフィエ(記号内容)的人物である事です。
まあ、脳内リアリティばかり追いかけている人ですから、
当然かもしれません。




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コメント 2

白濱雅也

若かりし頃からモローとともに夢中になった画家ですが日本では断片的にしか出て来なくてこれだけまとめてみた事はありません。すごい。
モローも自閉的な変な人ですが、それでも進歩性を追求していた所があって色彩や描画法に新しさを見る事が出来ます。デルヴィルは伝統技法に固執し後退しながら独自の王国を築こうとした。内向性が強く、絵画の中の光も太陽の光ではない霊的なものです。新しさを感じるとすればバーチャルな空間に広がる闇に通じる所ではないでしょうか?
ローアートと言えば確かにそうですね。しかし車輪の描かれた作品など大きな変節のこの時代でしかあり得ない奇妙な作品です。
それにしても二人とも車が走りエッフェル塔が建つ時代の中でこういうものを描き続けていったというのも凄まじいものです。
by 白濱雅也 (2009-05-08 12:01) 

ヒコ

白濱雅也様
コメントありがとうございます。
たくさん見つけて来たでしょう。
私も、ドローイングをこれだけまとめて見たのは、初めてです。純粋に絵画としてみると、良く描けていて、たいしたものであると思います。反時代的に生きると言うのは、それはそれで良い事であります。デルヴィルの、ジョゼファン・ペラダンとの「薔薇十字展」の問題も興味深いです。
by ヒコ (2009-05-09 16:56) 

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