ピカソ2 [日記]
2007年7月19日(木)
アートスタディーズのパネリストをしてくださっている藤原えりみさんは、
ピカソの孫娘が書いた本を翻訳している。
私は読んだが、衝撃の強い本で、ピカソという画家の
愚劣さをかいま見せてくれる。
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『マイ・グランパパ、ピカソ』 小学館 (2004/9/23)
http://www.amazon.co.jp/マイ・グランパパ、ピカソ-マリーナ・ピカソ/dp/4093566313
出版社 / 著者からの内容紹介
20世紀を代表する偉大な画家ピカソ。しかしその偉大さに振り回され、人並みの愛情さえ与えられなかった孫たちがいた。本書は、ピカソの孫娘マリーナ・ピカソの手によるピカソおじいちゃんの実像である。純粋な心を持つ子ども時代、祖父に感じていた敬慕の心。しかし、それはつねに裏切られ続ける。周囲の犠牲の上に存在したピカソの画家としての栄光。幼少のころの大きな心の傷は、マリーナの身体の奥深くに遺留し、ピカソの死後、その影響から逃れるために14年間におよぶカウンセリングが必要となる。偉大な画家の孫に生まれたがゆえの悲しみが連綿とつづられ、最愛の兄が漂白剤を飲んで自殺を図る場面では思わず涙がこぼれる。
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同じくアートスタディーズに参加してくださっている美濃ちどりさんが、
編集者として発見し、出版したピカソの本に次の様な名著がある。
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『ギャラリーゲーム/ピカソと画商の戦略』( 淡交社 (1997/09))
http://www.amazon.co.jp/ギャラリーゲーム―ピカソと画商の戦略-マイケル・C-フィッツジェラルド/dp/4473015718
20世紀美術市場における不動の名声と巨万の富を築いたピカソ。取引現場の裏側では画商と積極的に手を結び、美術界を支配。モダニズム絵画の成功をつくった美術市場のメカニズムに迫る注目のノンフィクション。
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彦坂の分析だと、すでに書いたように、
青の時代から以降の作品は〈超一流〉
分析的キュビズムで〈16流〉
その後、〈6流〉
そして第2次世界大戦後は〈8流〉
という転落過程をピカソは歩んでいる。
そうした視点で見ると、
ピカソのキュヴィズムとはなんであったのか?
これも問題になるのである。
ピカソのキュヴィズムのレゾネが出版されていて、
私は買っている。
どちらにしろ20世紀最大と言われた画家がピカソである以上、
美術関係者は、ピカソの作品評価を確定すべく、
作品の実物を見ると共に、本を読んで、学習する必要はあるのである。
「調査なくして発言権無し」というのは、基本である。
トラブルがあって、so-netに入れなくなりました。いま、回復に向けて手続きを取っていますので、数日お休みになります。
by 彦坂尚嘉 (2007-07-21 21:23)