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1970年代美術史 [日記]

2007年7月25日(火)

たまたまなのだが、ギャラリー手で、千葉市美術館の学芸員の藁科氏にあって、
話をしたのだが、奇妙にいらだって、話をしてしまった。

一つは1970年代美術史がないということ。
何も無かったと言う意見があると聞くと、
まあ、怒りがわいてくる。

まさにその時代を私は生きているのだし、
何よりも1975年というのはアメリカのベトナム敗戦があって、
世界の構造が大きく変貌する時代である。

この1975年という時代の敷居を超える仕事をしたのが、彦坂尚嘉であるという自負がある。
1970年代前半フロアイベントを展開し、
そして1975年以降の5年間で、色彩と形象を復権して、ポストミニマルアートの課題を、ミニマリズムの内側から成し遂げていったのが、彦坂尚嘉の作品の意味だと思うのだが、
それが無かったと言われると、当事者としては、愕然とする。

80年代のニューウエーブに至る流れをつないだの私の仕事であったし、何よりも色彩や形象の内在的な意味を、ミニマルアートの内側から、きちんと位置づけながら切り開いていったのが、彦坂尚嘉の仕事であった。

こういう内在性を持つ制作態度を評価できないというのなら、それはそれで結構な話で、いつも外国からのファッションだけで、美術史を語るという、ひどい外皮的な歴史観しか形成できないことになるだろう。

まあしかし、日本のそうした自覚性の無さを、今更のように、気がつくのが、ナイーブであるとも言えるのだが・・・。

アートスタディーズの作業の重要性が、改めて、自覚できたとも言える。

20世紀美術史を、明確に分かりやすく書くことが重要であると思う。

そういう意味で、改めて、戦後に戻ってきた時に、
どうするのかと言うことを、考え直す必要を感じた。

藁科さん自身は、優れた学芸員だが、
しかし彼にしても、まだ書かれていない美術史を内在的に切り開いていく力がない。

戦前にように、ゲストの研究者に語ってもらうという事を軸に、
たとえば1970年、1975年の美術史を記述できるのか?というと、
ちょっと難しいのかもしれない。

建築の方はともかくとして、
美術史の方は、リーダーシップが必要であると言える。


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