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皇居美術館の提案/日本がブラジルに抜かれる日 [歴史/状況論]

日本の経済が悪化し、
ブラジルに抜かれるという予想が、
毎日新聞にありました。

<GDP>ブラジル、50年までに日本を抜く…監査法人予想
4月5日22時8分配信 毎日新聞

【ロンドン藤好陽太郎】2050年までに日本経済はブラジルに抜かれる−−。

監査法人の英米プライスウォーターハウスクーパース(PwC)が公表した50年の世界の実質国内総生産(GDP)予想で、
新興国の躍進と日本の後退が鮮明となった。

PwCは経済成長率が高い中国、インド、ブラジル、ロシア、メキシコ、インドネシア、トルコの7カ国(E7)を中心に分析。

E7諸国全体のGDPは07年、米国の約6割に過ぎないが、50年には米国の3倍超に達する。

筆頭の中国は25年ごろに米国を追い抜き、50年には米国の1.3倍となる。

日本は現在、米国GDPの32%を占め、世界2位だが、
しかし、50年には世界最大の中国に次いで、インドが米国の約9割に迫り、
ブラジルも同26%となる。
日本は同19%で5位にとどまり、
ブラジルに追い抜かれる事になる。

ロシア、メキシコ、インドネシアもそれぞれ17%と日本逆転が視野に入る。

E7諸国には膨大な中産階級が形成される一方で、
中国がハイテク国家に脱皮する見通しだ。

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現在の後進国に中産階級が形成されるのに対して、
日本は、中産階級が解体され、
先進国から、後進国へと、沈んで行くのです。
経済大国は昔の夢で、未来は貧乏な後進国に転落するのです。

さらに、人口も悲惨な未来が予想されています。

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GDP予測:人口減で百年後は3分の1以下に…日本経調協

財界系シンクタンクの日本経済調査協議会(長坂健二郎理事長)は13日、
人口が減少して労働生産性の上昇がなければ、
100年後の実質国内総生産(GDP)は現在の3分の1以下に激減するとの予測をまとめた。

国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、
日本の人口は05年の1億2777万人から、
2100年には4771万人に減少する。

毎日新聞 2008年3月13日 19時18分



日本の人口が、現在の半分よりも少なくなるのです。
すごい、衰退です。

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皇居美術館の提案
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真面目に、日本の変革を考えなければいけません。

私の皇居美術館空想と言うのは、美術から発信する、
改革の具体的なプログラムです。

日本人は、明治以来の歴史を、一度断ち切る必要があります。
そのためにも、天皇に京都に帰っていただく。
そういう具体的な、政治変動を空想として突き出す以外に、
私は、日本人の心に、革命の変動を起こし得ないと思います。

京都に帰っていただく事で、
日本人は、再度、日本の国に生きる事の、《意味》を回復出来るのです。
《意味》を回復しない限り、日本人は元気になり得ません。
もう一度活力を得て、元気になるために、日本に生きる《意味》を回復する努力を!

政治学者の御厨 貴さんは、オゾンでのシンポジウムで、
彦坂尚嘉が政治家になるべきという、意見をおっしゃいましたが、
そのことは、私には分かります。

彦坂尚嘉が、真の政治家として機能するためには、
政治家にはならずに、美術家としてあり続ける事です。

なぜなら、この皇居美術館空想を、空想として、まず、多くの人々に
共有してもらう事が重要だからです。

多くの人にこの空想を共有してもらわないと、
日本を元気にする革命はできません。

一昨日、朝日新聞社で、編集会議を持ちました。
B4変形の大きな本になります。
図版もカラーで《超1流》の美術だけでも80頁の予定と言う規模です。
予価5000円。

題名は、朝日新聞社の側からの提案で、次のようになりました。

彦坂尚嘉・五十嵐太郎・新堀学=共編『空想・皇居美術館』

とにかく、出版にこぎ着けて、
日本の根本的な政治変動のヴィジョンを、
美術作品として,突き出してみたいと思います。

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芸術立国
皇居美術館の提案
                                           
 提案者=彦坂尚嘉

■新・日本憲法に《芸術立国》を明記するロビー活動

憲法改定が、現実の政治スケジュールになってきています。
 
焦点は憲法第九条と言われていますが、それ以上に大切なのは、日本国の国家理念です。

《芸術立国》を日本の国家理念の中心として新・日本憲法に明記すべく、積極的にロビー活動を展開する必要があるように思います。(ロビー活動の有効性は宮台真司氏が実証しています。)

■天皇を日本の古き伝統文化の象徴へ

憲法改正の最重要課題は憲法第九条と言われていますが、実はそれ以上に問題なのは、天皇を新憲法の中にどの様に積極的に位置づけられるかではないでしょうか。憲法を変えることを議論するのなら、当然、象徴天皇の条項をどうするかも議論になるのです。にもかかわらず既成政党はこの天皇問題を避け、思考停止になっている。しかし天皇の問題にこそ《アート》が関わる地点なのです。したがって、本シンクタンクの積極的なロビー活動が必要なのです。

明治維新においては、天皇は京都から東京に移って、天皇は西洋化の象徴として西洋式の軍服を着用し、率先して近代化=産業化の先頭に立って富国強兵を押し進め、アジア侵略の先頭に立って来ました。そして敗戦を迎えるに至たりました。敗戦後天皇は焦土と化した日本を巡幸し、復興を促し、日本社会は世界に冠たる工業立国として繁栄をもたらす所まで来ました。

しかしソビエトが崩壊した冷戦後の世界では、バブルがはじけ、日本社会は根本的なレヴェルでの共同体の解体に至り、家族制度そのものもまた危機に見まわれ、離婚は増大し、親殺し・子殺し・実の親の幼児虐待が頻発し、年間3万人の自殺者と、推定100万人を越える引きこもり者、そして犯罪者を生み出しています。素朴な神道的な宗教心は衰え、地方の農村にまで「ものみの塔/エホバの証人」のようなキリスト教原理主義が浸透して布教活動をしている事態です。人心の荒廃は、単にオウム真理教の犯罪に限定されてはいないのです。明治維新以来の日本社会の産業化の物語はもう終わったのであって、新しい時代に大きく転換する必要があるのではないでしょうか。そのことを明確にするためにも、天皇に京都に帰っていただくことで、明治維新以来の物語を終わらせる必要があります。。

改憲においては日本の国家理念を《芸術立国》として明記し、『芸術憲法』を確立する。そして、その具体的政治イヴェントとして、この天皇の京都への帰還を、放蕩息子の帰還として位置づけるのが良いと思います。これを実施する事は、アジア諸国の持つ古い記憶=侵略国家・日本に対する警戒感の改善除去に、大きな政治外向的な効果を上げるであろうと考えます。同時に日本国民に日本の近代=産業社会化に伴う無理や、嘘や、犠牲の時代が終わったことを知らしめ、失った過去の再把握に向けて、日本社会を大きくコペルニクス的に転回させる効果があると思うのです。
 

憲法改正に伴う第九条の削除による『平和憲法』の空洞化と、現実の強力な日本の自衛隊の軍事力によって生じるアジア諸国の危機感を弱めるためにも、そして、日本人自身が軍事力を制御する自己責任を自覚するためにも、日本が切り捨てた《 過去の日本》を再統合する事の象徴として、国家理念を《芸術立国》と明記し『芸術憲法』を確立するとともに、天皇に日本の文明の美の象徴としての京都へ帰還していただくというは、政治的なショーとして必要性があると思います。
 
つまり改憲を境に、今までとは逆に、天皇に美しい京都御所に住んでいただいて、滅びてしまった日本の伝統文化の象徴になっていただく。皇室の結婚式も現在の西洋式=馬車ではなくて牛車でする。外国の国賓の接待は、京都御所でやっていただく。アメリカ大統領が来たら、牛車に乗っていただいて、京都御所に行く。そして晩餐会は西洋料理ではなくて、日本料理でおもてなしをする。こういうスロー・ライフスタイルの光景が、テレビ時代に面白いと思うし、日本が安全で平和を愛する国であることをアピールできる。なによりも日本人自身が日本の伝統的な緩やかな時間感覚を取り戻すことができるようになるのではないでしょうか。

つまり明治の大日本国憲法では、西洋軍服を着た天皇は神聖にして犯さざるべき生き神様であられましたが、平成の『芸術憲法』では、天皇は、古き日本の伝統文化を、いにしえのままに生きる、生きている伝統として、芸術の守護者になられる。

芸術=アート=技術の国として、日本の国家理念を《芸術立国》とする象徴としての存在になっていただく。天皇は芸術の庇護者であり、パトロンになられる。5年に一回、世界アート展(京都天皇賞展)を京都で開き、世界中の中から、評判になった優れたアート作品を集めて展覧会を開き、日本・北米・南米・ヨーロッパ・アフリカ・イスラム圏・アジア・オセアニアから、各一点優れた超一流のアート作品を合計8点買い上げていただく。同時にすぐれた日本の技術開発や発明に賞を与える。そういう芸術=技術を国家理念とした象徴天皇になっていただく(イメージとしてはドクメンタやヴェニスビエンナーレ的な前衛美術ショーではなくて、世界の画商を集めたアートフェア展と技術万博が合わさったような国際展を天皇主催で開催していただく。つまりポイントになるのは、あくまでも天皇が優れた美術品を買い、そしてまた日本の企業もまた、優れた美術品を買って、蓄積していくという所にあります。つまり日本を美術市場として世界市場の中に位置づけていく。) 

こうした天皇の伝統天皇への回帰とアートの庇護者としての振る舞いを、近代日本の軍国主義や侵略主義の否定・放棄を象徴するものとして行うのです。それはアジア外交にも良い影響を与えるでしょう。こういう提案を、改憲勢力である自民党と民主党の両方の政治家へ、ロビー活動をして説得していく必要があるのではないでしょうか。

■皇居のリノベーション→皇居美術館の建設。

天皇に京都にお帰りいただいた後の皇居を、ルーブル美術館や、大英博物館、メトロポリタン美術館等に匹敵する巨大美術館にするという提案をしたいと思います。そのコレクションとして鎌倉の大仏を皇居美術館に移す。同様に、正倉院も、室生寺の五重塔も、みな本物を皇居美術館に移す。

ルーブル美術館や、大英博物館、メトロポリタン美術館等にある巨大建築や巨大彫刻等のコレクションは、植民地からの窃盗や購入によって作られていますが、皇居美術館は、外国からの移築でコレクションを作るのではなくて、自国の重要建築物や彫刻・絵画の移動再編によって建設することにして、このこともまた日本の侵略性の無さを示すことになるでしょう。

外国から来た観光客が、日本美術の粋を、一挙に見られる巨大美術館にする。この皇居美術館の建設によって、海外からの観光客は増大するでありましょう。それはまた日本人自身が、自分の国の美術品を、一望のもとに見ることが出来るようになることを意味します。日本人の教養と鑑賞力が増大し、芸術の生産性の向上に大きく寄与するでありましょう。そのために、日本美術の至宝をすべて皇居美術館に集める。源氏物語絵巻をはじめ、絵巻を集める等々・・・。憲法に《芸術立国》を明記するとともにこの皇居美術館を建設する事で、日本が平和主義を貫くことを世界に示す事ができ、9条の改正に伴うイメージダウンを覆い隠し、補う事ができるのではないでしょうか。

■「新・大仏」、「新・五重塔」、「新・正倉院の建設」

鎌倉の大仏を皇居に移動した後には、大仏造営技術を精密に再現しつつ、平成で自殺した多くの人々と、親の虐待で死んだ子供たち、そして子供に殺された親たちを供養する平成大仏を鎌倉に新しく建造する。そして、このような不幸で亡くなられた人々の霊を日本社会として公式に弔う慰霊祭を毎年行う。

同様に移築した室生寺の五重塔の後には、日本の明治維新以降の近代化の産み落とした侵略戦争で亡くなられた環太平洋の戦死者たちの合同の慰霊碑として、新しい五重の塔を、古い技法そのままに、厳密に再現して建築する。特にお隣の韓国への侵略に対する謝罪を明記した碑を建立し、そして死者たちをともらう大慰霊祭を、日韓併合の日=8月22日に毎年に行い、このような侵略行為を繰り返さないことを誓う。

同様に移築した正倉院の後には、古技法で正倉院を再建し、そこに、天皇が毎年購入する新しいアート作品と、賞を与える新しい技術革新・発明の資料を収集し納める。日本のコンピューター開発と、それ以降の最新技術と文化の革新化のコレクション、文献を蒐集していく。つまり最新技術・最新芸術・最新文化の成果の保存記録館として、積極的な蒐集を行う。等々の提案をしていく。これら芸術と政治の結びつきによって得られる政治的波及力は強力なものがあると思われます。今日のアートは、政治にとって重要な技術であることを、積極的に改憲勢力の議員に働きかける必要があるのです。

■空想美術館

これらの提案を各界の専門家の頭脳を結集してリアルで説得力のある空想美術館として提示する。つまり空想としてまず、世界的な規模の皇居美術館を、イメージして大衆に見せていく。そして、この空想の皇居美術館を書物にして、日本社会に問題提起をし、議論をしてみる。サイエンス・フィクションで物語られたことは、多くが実現しています。そういう意味で、憲法改正をチャンスに、日本の美術館行政・芸術行政の根本的な改革を、芸術を媒介とした壮大な規模の日本政治改変のイメージとして物語を語る必要があるのです。    

(2004/1/31 文責=彦坂尚嘉)



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コメント 2

コア

美術以外の分野で賛同する人が多くいるでしょうね。「芸術」を「美意識を基準にした行動様式」とすれば、文化領域でもスポーツまで包含しますし、経済領域まで拡大できるかもしれませんね。
by コア (2008-04-06 12:10) 

ヒコ

建築の五十嵐さんや、新堀さんは、良く付き合ってくれていると思います。感謝しています。
by ヒコ (2008-04-07 01:47) 

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