SSブログ

伊東直昭の現代アート(2) [アート論]

伊東直昭さんの続きである。
《41流》のドローイングである。

伊東直昭21.jpg

伊東直昭22.jpg

伊東直昭23.jpg

伊東直昭23.jpg

伊東直昭24.jpg

伊東直昭30.jpg

伊東直昭31.jpg

伊東直昭33.jpg

続けて、伊東直昭さんの作品の中から、
現代アートを選んでの後半である。

とにかく、伊東さんは、
バラツキがひどくて、
前近代美術の作品までをつくる。

その辺の見境の無さは、
ご本人の深い所にあるのだろう。

テンペラのような古い技法を使うところにもあるのかもしれない。
そういう回帰主義は根拠が無いとは思わないけれども、
その結果として、前近代主義絵画が生まれても、
それは、私は違うと思うのである。

今からでも遅くないから。
やはり現代アートというか、
今の世界をとらえ、今の芸術を作ってほしいものである。

さて、そういう訳で、
多様な作品から、
現代アートと私に見える作品だけを選んでみたのである。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

前回に、
素朴リアリズムから、バーチャル・リアリズムに変わったと言ったが、
こういう変化は、いくつも起きているのである。

人間観も変貌した訳で、
人間はすばらしいという《ヒューマニズム》の人間観から、
奈良美智のナイフを持った凶悪な眼をした少年の様に、
人間は《無知無能の悪魔》であるという人間観に変わったのである。

近代国民国家から、グローバリザーションに変わった。

そして近代の芸術至上主義から、
現代アートの、無芸術主義に変わったのである。
別の言葉で言えばシュミラクル・アートの時代である。
つまり、ニセ芸術の時代である。

こういう変貌に対して、どういう対処が良いのかは、
極めて難しいが、
基本は各自で違うと言う事である。
各自、かくようにやっていくしか無いのである。


コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

コメント 2

直itoh

基本、私にとって現在進行形で今を生きてこそできる芸術を作ることが、最大の関心事です。
テンペラを使うのは、油彩との重層構造で得られる効果が、今のところ、他に換え難いことによります。それが何か?説明は難しいのですけれど、少なくとも別に、回帰主義も怪奇主義も自覚的には無いのですが。  
by 直itoh (2008-04-21 00:51) 

ヒコ

お考えは、良く分かりました。
「今を生きてこそできる芸術を作ること」というのは、一つの考え方であると思います。その魅力は、伊東さんの作品の魅力になっている事を、私は認めます。

テンペラの問題は、「油彩との重層構造で得られる効果」というものは理解出来ますが、同時に作品を《固体》にする事も、事実です。《固体》性が、お好きなのかもしれませんが・・・。

by ヒコ (2008-04-26 02:45) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。