花について(1) [アート論]
花については、いろいろと、悩んで来ている。
メープルソープの花も、その悩みの一つであった。
どこが良いかである。
ロバート・メイプルソープ(Robert Mapplethorpe) は、
アメリカの写真家で、1946年生まれなので、私と同年齢です。
花の写真は後期にあって、
『メイプルソープの花』という写真集がJICC出版局から1992年にでていて、
私もこの年に買っています。
さすがに巨匠だけあって、
《想像界》《象徴界》《現実界》の3界の精神性を持っています。
絶対零度/固体/液体/気体という4様態も持っています。
簡単に言えば、総合力のある巨匠写真家なのです。
次の写真は、秋山庄太郎という、
昔の日本の写真界の巨匠の花の写真です。
秋山庄太郎は、1920年生まれで、2003年に83歳で亡くなっています。
女性芸能人を多く撮った人で、
今の篠山紀信の先駆者のようなカメラマンです。
晩年に花を多く撮っていて、写真集も山ほどあります。
秋山庄太郎も、3界4様態があって、
メープルソープと同様な総合力のある写真家です。
では、二人の写真は、どこが違うのか?
メープルソープは《超1流》ですが、
秋山庄太郎は、《1流》の写真なのです。
詳しく述べれば、次の様になります。
(今回から格付けの名称を、少し改正しました。)
メープルソープ
《想像界》が《超1流》
《象徴界》も《超1流》から《7流》の重層表現
《現実界》も《超1流》秋山庄太郎
《1流》というのは、社会的な理性性で、《想像界》が《1流》
《象徴界》も《1流》から《7流》の重層表現
《現実界》も《1流》
《超1流》というのは、これを超えた表現です。
メイプルソープと秋山の写真の違いは、
この社会的な理性性の内側である仕事と、
それを超えている仕事の差なのです。
具体的にはコントラストの差としても、
見えます。
《超1流》の表現というのは、
社会的な常識を超えた強さを持っているのです。
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ひこさか なおよし/1946年、東京世田谷生まれ。ブロガー、美術批評家、美術家
日本建築学会会員、日本ラカン協会幹事、アートスタディーズ・ディレクター
著書に『反覆・新興芸術の位相』(田畑書店)
『彦坂尚嘉のエクリチュール/日本現代美術家の思考』(三和書籍) を発売中。
ギャラリーは、タマダ・プロジェクト・コーポレーションと、ギャラリー手。
■現在、タマダプロジェクトで、彦坂尚嘉の初期旧作展示中
http://www.tamada-pj.co.jp/
日本建築学会会員、日本ラカン協会幹事、アートスタディーズ・ディレクター
著書に『反覆・新興芸術の位相』(田畑書店)
『彦坂尚嘉のエクリチュール/日本現代美術家の思考』(三和書籍) を発売中。
ギャラリーは、タマダ・プロジェクト・コーポレーションと、ギャラリー手。
■現在、タマダプロジェクトで、彦坂尚嘉の初期旧作展示中
http://www.tamada-pj.co.jp/
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