技法について [アート論]
作品を制作するというのには、
技法がいります。
作品というのは、
完成させようとして作るので、
どうしても、
完成するという方向で、
技法を考えて行くのです。
しかし、技法から作品を考える事には、
私は、反対する立場をとったアーティストです。
版画家には多いのですが、
技法が先に会って、それから作品を何とか作ろうとするタイプは、
良い作品はつくれません。
初めに技法ありは、
まずいのです。
同じ様に素材が、一番先にあるのもまずいのです。
では、何が先にあるのか?
私の世代は、どうしてもまだモダニズムの運動が生きていた時代ですから、
その美術史の運動に加わるという事が、一つの問題としてあった事は確かです。
今もそれはあると思いますが、
昔の様にはっきりとした形ではないのですね。
だから若い人は、大変だと思います。
実は、最近の制作は、かなり技巧的になって来ていて、
技法のデパートといった様相を呈しているのです。
技法、道具、材料、そしてテクニックが、
前に比べると、前に出始めて来ているのです。
それと、技法をコントロールするのが巧くなった。
格付けとか、芸術分析が、技術力を高めるのに、
有効なのです。
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