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タリバンというブラックホール!(事実訂正1) [歴史/状況論]

海外

<英軍>駐アフガン司令官「タリバンには勝てぬ」 英紙報道

10月6日12時23分配信 毎日新聞


 【欧州総局】5日付の英紙サンデー・タイムズ(電子版)は、駐アフガニスタン英軍最高司令官がイスラム原理主義勢力タリバンとの戦闘について「我々はこの戦いには勝てない」と悲観的な見方を示したと報じた。

 カールトンスミス司令官はインタビューで「英国民は決定的な勝利を期待すべきでない。その期待値を下げることが必要だ」と主張。「我々の戦いは、アフガン軍が対応できるレベルまで(タリバン勢力を)弱めるのが目的。タリバンが交渉の席に着く用意があるなら、それこそが戦闘終結に向けた前進だ。国民も不愉快には思わないだろう」と述べた。

 駐アフガン英軍部隊は現在、南部ヘルマンド州を中心に約8000人が展開。01年の駐留開始以降、英兵の死者数は100人を超えている。同紙によると、ヘルマンド州知事は「英軍が展開しているのに、タリバンは州の半分以上の地域を支配している」と語り、英軍駐留がタリバン弱体化につながっていない現状を指摘した。

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武器商人の顔
《想像界》の眼で《7流》。
《象徴界》の眼で《41流》。
《現実界》の眼で《超1流》。

《現実界》しかない人格。
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アフガニスタン侵攻は、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件の首謀者への報復として、アメリカ合衆国が行ったアフガニスタンのタリバン政権への武力攻撃のことです。通常アフガン戦争 (Afghan War / War in Afghanistan) と呼ばれています。

このアフガン戦争と、ソヴィエト連邦の崩壊は、実は深い所で通底しています。

同じ1991年12月26日ソ連は解体し、ソビエト連邦は69年の歴史に幕を閉じたのです。

そして実はソヴィエトが、1979年にアフガニスタンに進攻をして、1989年の撤退までの10年間の戦争があったのです。

このソヴィエトのアフガン侵攻に反対して、アメリカのCIAが、10年以上にわたって21億ドルを費やして、抵抗運動を育成したのですが、そこには20以上のイスラム諸国から来た20万人の義勇兵が含まれてて、その中にサウジアラビア出身のオサマ・ビンラディンもいたのです。
オサマ・ビンラディンを育てたのは、アメリカでありました。

そしてソヴィエトがアフガンから撤退した1989年にベルリンの壁が崩れます。

つまりソヴィエト崩壊による世界秩序の崩壊の10年前から、そして10年後の現在にまで、アフガニスタンは、戦場として、世界歴史の転換の要としてあり続けて、現在に至っているのです。
ソヴィエトと10年戦って勝ち、そしてアメリカと、もう7年間戦っていて、負けない。

繰り返しますと、1989年のソヴィエトのアフガン撤退、2年後の1991年のソヴィエトの崩壊と、その10年後の2001年9.11のアメリカ同時多発テロ事件と、そしてアメリカによるアフガン侵攻が起きているのです。

現在のアメリカ経済の崩壊状況から、この1989年、1991年、2001年という時間を振りかえると、
ソヴィエトとアメリカという2大強国と戦って勝って来ているアフガニスタン、そしてタリバンとは、何なのでしょうか?
タリバンを、アメリカをはじめとする連合軍が倒せない事が、
不吉なものとして現れて来ます。

世界最強のソヴィエト軍と、アメリカ軍の、両方が勝ち得ないタリバンは、
世界そのものの不均質なローカリズムの極点なのでしょうか?
世界は均質化しないのではないか?

ローカリズムへの反転は、起きるのではないか?

アフガニスタン/タリバンは、この世界史的変動の30年間、要の戦争を戦い続けて来ているのです。
この歴史的な意味は、何なのでしょうか?

タリバンは、世界史のブラックホールなのでしょうか?


タグ:タリバン
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コメント 3

moscow_91

はじめまして。いつも興味深く拝見させて頂いております。

大意に関わらない些細な指摘になりますが
ソヴィエトの解体は2001年でなく1991年です。

ソ連撤退後群雄割拠の内戦状態が続いていた中、
全土の実効支配にもっとも近づいたのがタリバン政権だったと云えるかも知れません。
ただ現在「タリバン」と名乗る勢力が当時のタリバンと同一と云えるかは難しいところかも知れません。

by moscow_91 (2008-10-07 00:30) 

ヒコ

moscow_91様

ご指摘、ありがとうございます。その通りです。書いている流れでのミスです。訂正します。
by ヒコ (2008-10-07 03:50) 

丈

当時のタリバンはパキスタンの支援の元で活動していたように理解しています。現在はパキスタンは国民感情は別として、政策上はタリバンを支援していないはずですので、同一の組織ではないという指摘は可能と思います。

アフガニスタンで9.11の直前に暗殺された、反タリバン勢力のリーダーが「マスード将軍」で、ソ連を退けた英雄であります。

このマスード将軍は、彼に惚れ込んだ写真家の長倉洋海の写真集によって私たち日本人にもよく知られていていますが、タリバンとは別の、アフガン人の魂を体現する人物であったと理解しています。
by (2008-10-09 18:04) 

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