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ストライプの絵画と《異次元世界》(上)[加筆3改題改稿] [アート論]

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リサ・ランドール(Lisa Randall、1962年〜 )はアメリカの理論物理学者。
専門は、素粒子物理学、ひも理論、宇宙論。私たちの3次元の空間が5次元の異次元世界
に囲まれていると言う理論で、注目されている美人である。
この異次元論と、《透視画面》の絵画は、連動しているのです。
絵画とは、実は異次元空間を透視する窓なのです。

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いつもコメントをくださる丈さんが
次の様に書いて下さいました。

現代美術でストライプの嚆矢というとジャスパー・ジョーンズの星条旗
を想起しますが、彼は夢の中で自分が星条旗を描いているのを観て実行
したと聞きます。それに想を得たフランク・ステラのブラック・ペイン
ティングこれも現実界の作品でしたでしょうか。 
by 丈 (2009-01-15 15:19)  
ヒコ

ステラは現実界です。現実界への芸術の還元の問題というのは、デシャンの

便器から始まっていますが、これとストライプの絵画の問題は、別です。

ジャスパージョンズがストライプ絵画の嚆矢というのは、

誤った認識であり、日本現代美術の迷信なのです。

 ジャスパーよりも早くラウシェンバーグが、
ストライプの絵画を作っているのです。 

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Robert Rauschenberg’s “Yoicks,” (1953), which is at the Whitney Museum.

上に掲載された作品は、ホイットニー美術館に、
常設展示されてるもので、
アメリカでは大変に有名な作品です。
この作品が1953年です。


ジャスパー・ジョーンズは徴兵されて陸軍に入って1952年に除隊します。
1954年頃から、国旗、数字、標的などを題材にした絵画を発表し始めた
と言われます。
ほぼ同世代の美術家ラウシェンバーグとは、同じビルに入居していた
友人同士であるのです。

英語サイトにも、次の様に書かれています。
He is best known for his painting Flag (1954-55), 
which he painted after having a dream of the American flag.

ですから、ラウシェンバーグの方が、1年ストライプの絵画は早い
のです。ジャスパーをストライプの絵画の嚆矢する考えは、
日本現代美術界の迷信なのです。

日本の現代美術界は、美術史を学問としてきちんと考え、調査や勉強を
しないで、自分たちに都合の良い迷信を信じる自閉集団です。
学芸員と言いながら,日本では、厳密な学問として、芸術が確立されて
いないのです。芸術というのは《気晴らし》ではなくて、《学問》なの
です。もちろん、真面目な個別研究を蓄積している学芸員の方々も
いますが、しかし空気に支配される日本美術史は、基本的学問性が、
弱いのです。(参考文献:松本清張『真贋の森』)

moma-33.jpg

ラウシェンバーグのストライプとジャスパーのストライプの絵画を
比較してみましょう。

ラウシェンバーグジャスパー.jpg
ラウシェンバーグ              ジャスパー
《想像界》の眼で《超次元》の《真性の芸術》 《想像界》の眼で《第6次元》のデザイン
《象徴界》の眼で《超次元》の《真性の芸術》 《象徴界》の眼で《第6次元》のデザイン
《現実界》の眼で《超次元》の《真性の芸術》 《現実界》の眼で《第6次元》のデザイン

日本の現代美術界では,ジャスパー・ジョーンズの「旗」は、現代芸術
の基準作品になっていますが、これも迷信です。この作品は、実はデザ
インであり、ペンキ絵なのです。印刷でみると、デザインのグラフィッ
クだから良いですが、芸術作品ではありません。

実物を見ると、蜜蝋(エンコスティック)が使われているせいで、
汚い感じがします。印刷で見ているのとは、ずいぶんと違うものなの
です。実際、日本の美術館もあまり買っていませんね。どこが持って
いるのでしょうか?どなたか知っておられれば教えて下さい。

と言っても、多くの人の同意は得られないかも知れませんが、
ジャスパージョーンズの回顧展を見ると、
ジャスパーがBクラス・アーティストである事が理解できるのです。
1997年東京都現代美術館で行われた大規模な回顧展のを見た方は、
ジャスパーに対する私の失望を理解して下さると思います。

さて、ここでは、色彩を反転させる事で、2人のアーティストの
その芸術的な構造の差異を際立ててみます。

ラウシェンバーグジャスパー4.jpg
これはPhoshopの「諧調の反転」を使った画像です。
ラウシェンバーグのストライプの絵画には、
グリンバーグの言う《オプティカルイリュージョン》が成立しているのが、
良く分かると思うのです。
画面がシースルー構造になっていて、光が、画面の向こう側からやって
くるのです。つまり平面が《透視画面》で、画面が透過性のある透明平面
なのです。絵画面で行き止まりではなくて、画面の向こう側の世界に支え
られている構造をしているのです。

こうした《透視画面》の構造は、実はリサ・ランドールの主張する
5次元世界論と、符合するものなのです。私たちの3次元の空間が
5次元の異次元世界に囲まれていると言う理論です。
つまり私たちが生きるこの時空間の向こう側に、
5次元世界があるのです。
この見えない向こう側を捉える窓が、《透視画面》の絵画なのです。
下記のYouTubeの映像の、
Part2に、《透視画面》と類似符合するカーテンの説明が出て来ます。
Part2の7分10秒からのところに、カーテンという膜が出て来ます。
http://jp.youtube.com/watch?v=xC182bkNqv4&NR=1


それに対して、ジャスパーの方は原始平面の絵画です。
絵画面が不透明な物質的な面であって、
行き止まりの平面性を持っているのです。
その絵画はデザインであり、ペンキ絵なのです。

日本の現代美術の多くが、《第6次元》のペンキ絵でしかないのは、
このジャスパー・ジョーンスの旗を現代芸術のお手本として信じている
迷信に支配されているからです。

良い芸術か、ニセの芸術であるかを、見分ける眼がなければ、
良い作品を作る事は出来ません。ジャスパーは、ニセの芸術作品です。

1996年、そして1997年とジャスパーと、ラウシェンバーグの回顧展が
2つアメリカで続けて開かれましたが、観客動員数は,圧倒的に
ラウシェンバーグが集めたのです。

この時の2冊のカタログを見ると理解できるのは、ラウシェンバーグの
1950年代に於ける創造性のすごさです。独りでアメリカ美術史の未来
を早々とやってしまっているのです。白い絵画、黒い絵画のミニマル・
ペインティングもあれば、写真を使ったプロセスアートある等々で、
その中にストライプの絵画もあるのです。

ネオダダにおいて、
ジャスパージョーンズは、現代美術の基準ではないのです。
ネオダダに於ける芸術基準作家は、ラウシェンバーグです。
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さて、ストライプの絵画を、モダンアートの絵画史の中で、探して
みましょう。なによりもクプカ、そしてドローネや、クレーの絵画に
ストライプの絵画があります。

カンディンスキーが抽象画の祖として信じられていますが、これも迷信
です。1910年に最初の抽象画を描いたとされていますが、これはねつ造
された可能性があることが指摘されています。ニューヨーク在住の美術
史家の富井玲子さんは、次の様に書いています。

美術史では、クプカの初期抽象に果たした役割を重視します。特に、純粋抽象という
意味では、クプカの光学への興味や、オカルトへの興味はホンモノです。
カンディンスキーは美術史の正道という考えに惑わされてオカルト亜流におちいって
います。中途半端なので、マレービッチが、完全抽象にひらりと入ってしまったのに、
アワクッテ、後から歴史操作や理論操作しているわけですから、たちが悪い。
富井玲子
 アートスタディーズ・メーリングリスト2004年9月11日(土) 午後11時13分

何よりもカンディンスキーの絵画は、芸術的に《第6次元》で
低いのです。それに対してクプカは、芸術的にすぐれた《超次元》の
画家です。そして遅くとも1911年から1912年にかけて制作された抽象
作品が存在する重要な抽象画の先駆者なのです。

本題のストライプの絵画論からは外れますが、2人を比較してみます。
まず、1910年に描かれたとされているカンディンスキーの絵画2枚。

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舟が、画面下に見えます。これで抽象画の最初の絵画でしょうか?

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画面の右上に人物らしき者が見えます。

抽象画の創始者については、Wikipediaでは、次のように書かれています。

一般にはカンディンスキーが抽象絵画の創始者と言われており、その時期は1910年頃とされている。カンディンスキーのどの作品をもって最初の抽象絵画と呼ぶかについては、諸説あるが、例えば、1911年制作とされる、「円のある絵」(トビリシのグルジア美術館所蔵)が挙げられる。しかし、作品に記載した年が誤っているという説もある。

この「年が誤っている」というのは、カンディンスキーがねつ造したというもので、山田正亮のように、制作年を偽って書いているという指摘です。私自身は、実はカンディンスキーをたくさん見て来ていて、追っかけているうちに、カンディンスキーの作品がデコレーションであって、芸術として低い事に気がついたのです。ですから年号の偽装の真偽については直接の興味はありませんが、私は嘘をついたと思っています。


続いて1911年〜12年に描かれたクプカの絵画です。

2555952063_368c30a71a.jpg

さて、このクプカとカンディンスキーを並べて比較してみましょう。
両者の差異を際立てるために、彩度を両方とも同じだけ上げています。

クプカカンディンスキー30.jpg
クプカ               カンディンスキー
《想像界》の眼で《超次元》の《真性の芸術》 《想像界》の眼で《第6次元》のデザイン
《象徴界》の眼で《超次元》の《真性の芸術》 《象徴界》の眼で《第6次元》のデザイン 
《現実界》の眼で《超次元》の《真性の芸術》 《現実界》の眼で《第6次元》のデザイン 

《想像界》《象徴界》《現実界》の3界をもつ重層的な表現  《想像界》の絵画
気体/液体/固体/絶対零度の4様態をもつ多層的な表現    液体美術

《シリアス・アート》《ハイアート》     《気晴らしアート》《ローアート》

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抽象美術の基準作家というのは、日本ではカンディンスキーがなっていま
すが、それは間違いで、迷信なのです。
クプカこそがは、重要な《真性の芸術》家であり、基準作家なのです。
この、クプカのストライプの絵画を見てみましょう。


KupkaElevation.jpg
František Kupka Élévation (Výšky) IV, série C II 1938
olej, plátno sign. PD Kupka  60 x 66 cm

《想像界》の眼で《超次元》の《真性の芸術》
《象徴界》の眼で《超次元》の《真性の芸術》
《現実界》の眼で《超次元》の《真性の芸術》

《想像界》《象徴界》《現実界》の3界をもつ重層的な表現
気体/液体/固体/絶対零度の4様態をもつ多層的な表現

《シリアス・アート》《ハイアート》
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【続きは下記をクリックして下さい】

この抽象画は、1925-1930年の作品です。
モンドリアンの、水平・垂直の直線と三原色から成る「コンポジション」の
作風が確立されたのが1921年ですので、それに比べると遅れてはいます
しかし、そうなのでしょうか?

01koln.jpg

両者を比較してみます。

Kupkaモンドリアン.jpg

モンドリアン                 クプカ
《想像界》の眼で《超次元》の《真性の芸術》       《想像界》の眼で《超次元》の《真性の芸術》
《象徴界》の眼で《超次元》の《真性の芸術》       《象徴界》の眼で《超次元》の《真性の芸術》
《現実界》の眼で《超次元》の《真性の芸術》       《現実界》の眼で《超次元》の《真性の芸術》

両方ともに、たいへんにすぐれている《超次元》の名作です。
これも「諧調の反転」をしてみてみましょう。

Kupkaモンドリアン3.jpg

両方とも、オプティカルイリュージョンは成立していますので、
むしろ、構造の違いを見て下さい。今度は、モノクロにしてみます。

Kupkaモンドリアン2.jpg

どちらが新しいかと言うと、クプカのストライプの絵画の方が、
モンドリアンの格子絵画よりも、新しいのです。

モダンニズムの歴史は、解体の歴史です。
格子構造は解体されて、ストライプの構造になり、
さらに解体されて、球体の単体構造に至ります。

モダニズムの歴史は、単純系の運動であり、単純化に向かう歴史だった
のです。そして最も単純なものに至り着いて終わったのです。
その終わりから複雑系のポスト・モダニズムの歴史が始まります。

クプカは、この他にも次の様なストライプ構造の絵画を描いています。

3812100.jpg
563.56.jpg
00163082.jpg


さて、次は、皆さんよく知っているドローネです。

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《想像界》の眼で《第6次元》のデザイン的エンターテイメント
《象徴界》の眼で《第6次元》のデザイン的エンターテイメント
《現実界》の眼で《第6次元》のデザイン的エンターテイメント

《想像界》の美術、液体美術
《気晴らしアート》《ローアート》
artwork_images_172960_275933_robert-delaunay.jpg
robertDelaunayJoieDeVivre.jpg
ドローネのストライプは、同心円状ストライプではあります。
これはジャスパージョーンズやケネス・ノーランドの先駆ではあります。

25503004.jpg
noland.jpg
ケネス・ノーランド
《想像界》の眼で《第6次元》のデザイン的エンターテイメント
《象徴界》の眼で《第6次元》のデザイン的エンターテイメント
《現実界》の眼で《第6次元》のデザイン的エンターテイメント

《想像界》の美術、液体美術
《気晴らしアート》《ローアート》

johns-jasper.jpg
ジャスパー・ジョーンズ
《想像界》の眼で《第6次元》のデザイン的エンターテイメント
《象徴界》の眼で《第6次元》のデザイン的エンターテイメント
《現実界》の眼で《第6次元》のデザイン的エンターテイメント

《想像界》の美術、液体美術
《気晴らしアート》《ローアート》

ドローネ、ノーランド、ジャスパーという同心円ストライプの流れは、
《真性の芸術》のストライプの絵画の系譜ではないのです。
《第6次元》のデザイン的エンターテイメントのそれなのです。
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さて、次は、クレーのストライプの絵画を見てみましょう。

playfulwater.png
《想像界》の眼で《超次元》の《真性の芸術》
《象徴界》の眼で《超次元》の《真性の芸術》
《現実界》の眼で《超次元》の《真性の芸術》

《想像界》《象徴界》《現実界》の3界をもつ重層的な表現
気体/液体/固体/絶対零度の4様態をもつ多層的な表現

《シリアス・アート》《ハイアート》

このドローイングは、ストライプ構造をクレーが自覚的に使用している事
を示しています。

klee_sails.jpg
《想像界》の眼で《超次元》の《真性の芸術》
《象徴界》の眼で《超次元》の《真性の芸術》
《現実界》の眼で《超次元》の《真性の芸術》

《想像界》《象徴界》《現実界》の3界をもつ重層的な表現
気体/液体/固体/絶対零度の4様態をもつ多層的な表現

《シリアス・アート》《ハイアート》
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この絵画もクレーのストライプに対する積極的な自覚を示すものです。
クレーは、一見分かりやすい絵画ですが、
実は、非常にレベルの高い《真性の芸術家》なのです。
カンディンスキーは、後半、クレーの影響を受けていますが、
それはクレーの芸術の高さ故なのです。

下の図版は、そのカンディンスキーのストライプ構造の絵画です。

succession.jpg

クレーとカンディンスキーを比較してみます。
クレーは透視画面の絵画で、カンディンスキーは原始平面です。

クレーカンディンスキー.jpg

これの色調を反転してみます。

クレーカンディンスキー2.jpg

これと、ラウシェンバーグとジャスパーの反転画像を一緒にしてみます。


4つの合体2222.jpg

左側のクレーとラウシェンバーグが、オプティカルイリュージョンの
ある、《透視画面》で、《真性の芸術》作品なのです。画面そのものは
透明性があって、画面の向こう側によって支えられているのです。
つまり私たちは、見ているものの向こうに、良く分からない5次元という
異次元を感じる事で、この世界を理解するのです。それが真性の芸術
なのです。《真性の芸術》とは、超ひも理論が説明する異次元に開かれ
た窓なのです。

それに対して、カンディンスキーとジャスパーは、原始平面です。
画面が物質的で、不透明です。画面の裏側の世界が無いのです。つまり
見える世界が、見えるという自明性、そして理解できるという自明性で
閉じていて、その向こう側の神秘への予感が無いのです。これが
ペンキ絵の構造で、《第6次元》のデザイン的エンターテイメントです。

この4つの絵画を再度、諧調を反転させて、ノーマルに戻してみます。

4つの合体333.jpg

さて、賛同はしてくれない方が多くいるとは思いますが、とにかく、
こうして《透視画面》と、《原始平面》の2種類の絵画があるのが、
お分かりいただけたでしょうか?

つまりグリンバーグの語った《平面》というのは2種類があったのです。
一つが不透明で物質的な《第6次元》の《原始平面》です。もう一つが、
透明で、非物質的な《第1次元》や《超次元》の《透視画面》です。

ところが日本の現代美術は、カンディンスキーや、ジャスパーの絵画を、
現代美術の基準作品と誤解して、これらの《原始平面》だけを現代芸術と
信じたのです。この信仰は強烈で、迷信として見事に確立されたのです。
そのために日本では《第6次元》の《原始平面》作品が増殖したのです。

しかし《真性の芸術》とは、《透視画面》の《第1次元》《超次元》の
作品なのです。しかし《第6次元》の作品は、直接性があって、
しかも等身大で分かりやすいのです。だから多くの人々に受け入れられ
るのです。ですから100歩引いて、2つの芸術があると理解して下さい。

しかし《第6次元》というのには、大きな欠点があるのです。
それは経験が蓄積して行かない領域だと言う事です。
この《第6次元》というのは、個人の歴史が形成されない所なのです。

この話も、文章を別建てにして語らないと信じてもらえないでしょうが、
《第6次元》のアーティストは、老人になって、体力が落ちると、
作品も衰弱します。ジャスパーはその代表です。
デュビュッフェも《第6次元》の代表アーティストですが、
晩年になると作品が悪くなっています。

岡本太郎も《第6次元》の作家で、晩年になると、作品が落ちます。

ロスコーも人気がありますが《第6次元》の作家で、
晩年になると、作品が悪くなって、自殺しています。

制作して行く経験が、蓄積していかないのが、
《第6次元》の《原始平面》の世界なのです。

それに対して、《第1次元》や《超次元》の
《透視画面》の絵画を描くアーティストは、経験が歴史を形成して、
晩年になると、より高度の芸術を形成できる様になるのです。

この歴史の形成の話は、実は自然と文明の関係構造の問題で、
そこに《第6次元》と《第1次元》の逆立関係の構造があります。

それは《第6次元》を《第1次元》が抑圧している構造ですが、
《第1次元》の文明世界に、再び新しい《第6次元》が生まれてくる
という、循環系の運動でもあります。

つまり《第6次元》と《第1次元》、
それは《原始平面》と《透視画面》の相克の運動であって、
この相克の戦いとして、美術史が、玉石混交に複雑な歴史をつくって
います。
ですから《真性の芸術》とデザイン的エンターテイメントを、
見分けて行かないと、この美術史という複雑系の運動の総体を
理解することは出来ません。

私の主張は、表面的には《第6次元》の《原始平面》を、
否定している様に見えますが、そうではないのです。

芸術としては《第1次元》や《超次元》の《透視画面》も、
認めて、評価しないとまずいと言っているだけです。

日本は、《透視画面》を無視しています。
それはこの外部世界の向こう側の異次元への感性を殺している、
凡庸主義の迷信世界なのです。

異次元が存在し、神秘があるという事こそが、
生きている事の正当な感覚です。
この世を、凡庸な等身大で捉えるのは、迷信なのです。
《第1次元》や《超次元》を、現代美術や現代アートではないとする
迷信にとらわれているから、この迷信を指摘しているのが、
彦坂尚嘉の主張なのです。

とにかく、《原始平面》と《透視画面》の2種類の存在を、
知っていただいて、見分ける眼を作っていただければと思います。






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コメント 3

NY GAL

フォトショップの諧調の逆転や、色いろ最近使っておられますがというのは、作品を理解するには、なかなか効果的な技術ですね。空間が抜けている、というようなことが、色を抜いたり、諧調を逆転させることで、こんなに見えてくるとは驚きです。

それと、造型同の作品、いい写真があるのですね。富井
by NY GAL (2009-01-17 12:48) 

ヒコ

富井玲子様

コメントありがとうございます。
とにかく、《原始平面》と《透視画面》の見分けは、素人の人にむずかしくて、このような工夫を開発することになりました。
ご評価をいただいて、感謝です。

自作ももう少し紹介するべく、まず、作品写真の整理を始めています。
by ヒコ (2009-01-17 13:36) 

carka

初めまして。

ブログ、大変面白く拝見しました。
卒論でクプカを取り上げようと考えております。
参考になる論文、文献をご存知でしたら教えていただけないでしょうか。
また、富井玲子さんが書かれたカンディンスキーとクプカを比較していた文章、何という著書に書かれているのでしょうか。

お返事をいただけたら嬉しいです。
by carka (2012-06-16 13:15) 

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