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一家7人銃で心中 [歴史/状況論]

自殺者が増加しているようです。

ロスアンジェルスの一家7人銃で心中した事件は、
夫婦がともに医療スタッフとして勤務していた病院から解雇を言い渡され、
その際に「なぜ働きに来るのか」と問い返されたうえ、
「頭を撃ち抜いた方がいい」といわれ、
侮辱的な言葉を浴びせかけられた結果でした。


<米国>夫婦で失業悲観、一家7人銃で心中…ロサンゼルス

1月28日21時33分配信 毎日新聞

【ロサンゼルス吉富裕倫】米ロサンゼルス市で27日、夫婦と子ども5人の一家7人の遺体が発見された。直前に夫とみられる男性が、勤務先を解雇されたことを苦に無理心中すると予告するファクスを地元テレビ局に送っていたことから、ロサンゼルス市警は夫が家族を銃で射殺した後、自殺したとみて調べている。

 遺体で発見されたのは、市内の病院に勤務していた医療技術者夫婦と2〜8歳の子ども5人。テレビ局に送った2ページのファクスで夫は「夫婦そろって病院を解雇された」と訴えた。また自宅にも「仕事に関連した問題」と書かれたメモが残されていた。

 カリフォルニア州は08年12月の失業率が9.3%と、前月から1カ月で1%近く上昇し、景気の悪化が深刻化している。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

首になって、職を失って路頭に迷い、
自殺へと追い立てられている人々には、
この金融危機をまねいた責任は、どこにも無いのです。

責任の無い人に、犠牲が押し付けられて、
自殺に追いやられ、
その自殺も自己責任であるという、
自己責任論が押し付けられる。
これが正しい事なのでしょうか?

<元派遣社員死亡>1年間職なく所持金90円、

        餓死か 大阪

1月16日12時37分配信 毎日新聞


 大阪市住吉区苅田のワンルームマンションの一室で14日、住人の無職男性(49)が死亡しているのが見つかり、餓死した可能性が高いことがわかった。男性は元派遣社員で、約1年前から無職だった。府警住吉署によると、発見時、室内にあった所持金は財布の中の90円だけ。冷蔵庫には何も入っていなかった。

 マンションの管理会社や関係者によると、男性は05年5月、この部屋に入居。神戸市の会社と契約し、銀行でコンピューター関係の仕事をしていた。年収は約450万円と申告し、月3万9000円の家賃の滞納もなかった。

 しかし、約1年前に無職となり、昨年1月から5カ月分の家賃を滞納。管理会社が督促すると、徳島県の実家から援助を受けて支払った。男性は管理会社に「長い間、病気で仕事ができない」と漏らしていた。

 昨年11月から家賃が再び滞り、管理会社が今年に入って男性宅を訪ねるなどしたが、応答がなかった。14日に社員が室内に入って遺体を発見、同署に通報した。

 行政解剖の結果、男性は死後約1カ月。胃腸に残留物はなく、低栄養状態だったことなどから、餓死した可能性が高いという。

 発見時、男性はパイプベッドに横たわり、毛布をかぶった状態だった。室内には飲食物のゴミなどはなく、冷蔵庫には飲み物すらなかった。【村松洋、井上卓也、青木絵美】


会社の経営者こそが、責任があるのであって、
多くの利益を上げて来た企業の、その蓄積してきた
利益をそのままにして、
派遣労働者の首が切られるという事態は、
責任の無い他者をエスケープゴートにして、
責任の転嫁をするということです。
企業が、仮面をかぶった暴力団であるといいうことにほかなりません。

すでに別のブログで書いた様に、
社会というものが、
仮面をかぶった暴力団であると言う事が露呈化して行くと、
事態を恐ろしい領域へと進めるものです。

正義を欠いた社会構造は、崩壊するのです。

世界の失業者2億3100万人…

     経済悪化続けば、ILO推計

 【ダボス(スイス東部)=大内佐紀】国際労働機関(ILO、本部・ジュネーブ)は28日、金融危機に伴う世界経済の悪化が続けば、2009年の世界全体の失業者数が最悪で2億3100万人にのぼると推計する報告書を公表した。

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 報告書によれば、07年の世界の失業者は、推計で労働人口のうち5・7%にあたる約1億8000万人。米国発の金融危機により、多くの先進国で景気が後退したため、08年には暫定推計値で労働人口の6%にあたる1億9000万人となった。09年には、この比率が6・1~7・1%に上昇すると予測している。

 各国が打ち出した景気刺激策や雇用創出計画が順調に機能する最良のシナリオでも、09年の失業者は推計1億9800万人。現状が続けば、初めて2億人を超えるのは必至だ。

(2009年1月28日21時13分  読売新聞)
2億人を超える失業者を出した責任は、
誰にあるのでしょうか?
首を切られ、路頭に迷っている人々に責任は無いのです。
責任の無い人々に、犠牲を転化する社会は、正当性を欠くものです。
正当性を欠いた社会が、成立するものではありません。
この最下層の人々の抵抗する権利は、正当なものです。
それがどういうレベルで展開されるにしても、
その人々の抵抗と死の中で、時代は変わり、
そしてまた社会構造そのものが変わって行くのです。

社会の基盤と言うのは、実は最下層の人々なのです。
弱者をないがしろにしすぎて、
最下層の人々が行き場を失うとき、
社会は崩壊して行きます。
根本的な変動が起きるのです。

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symplexus

米国の前回大恐慌時では失業率が最も酷い時は25%に達したそうです.
しかし10%近くだと10人に一人は職が無いということですから,
恐慌の定義はともかく大変な状況に来ていることは確かでしょう.
突然職を失い,しかも先の当ても無い苦しみというのは想像を
超えるものがあると思います.

日本は失業率5%レベル程度とはいえ,社会的な対応が遅れれば
強烈な社会不安の土台を広げることになるでしょう.
ただ,従来の職種へのこだわりを相対化して新しい道に踏み込む
動きも観られているようです.自動車組み立てラインを捨て
岩手の林業に転進した一家はその一例ですが,毎日が充実している,
幸福だと語る姿が強く印象に残りました.彼は何と50歳を越えた
初老の冒険者です!働くということの意味を考えさせられました.

 今回の経済危機は恐慌を経てどこに落ち着くのか,
  それは旧体制を終わらせ新しい秩序を生み出すはずだと
   誰もが言うのですが,ある意味予定調和のような解釈に
 何かの欠落を感じる時が有ります.
 嵐の過ぎ去るのを待つように,身近な温情に守られて
 じっと身を寄せ合えばいつか晴れ間が見えて来るみたいな・・.
by symplexus (2009-01-29 21:34) 

ヒコ

失業率25%はすごいですね。

今回の金融危機を、全人類史を見る視点で観察していると、総体としては《第1次元》の社会的結合性そのものの空疎化の進展として、見えて来ます。
公共性の空無化は、すでに社会学者に指摘されて来ていますが、大きな意味で、古代文明時に形成された《第1次元》性自体が、極限までに拡張されて行く様に見えます。
社会そのものが、単純系の統一空間から、複雑系の入れ子構造を繰り返す様な、小さな泡の集積に移行して行くようです。
by ヒコ (2009-01-30 02:42) 

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