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佐藤 可士和のデザインに起きていること(3)/《非-実体性》 [《第6次元》研究]

◆1◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

デザインで《非-実体性》のあるものは珍しいのです。

思い出すのはiMacのブルーのスケルトンの登場でした。

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《想像界》の眼で《超次元》のデザイン的エンターテイメント
《象徴界》の眼で《超次元》のデザイン的エンターテイメント
《現実界》の眼で《超次元》のデザイン的エンターテイメント

《想像界》《象徴界》《現実界》の3界をもつ重層的な表現
気体/液体/固体/絶対零度の4様態をもつ多層的な表現

《シリアス・アート的デザイン》
《ハイアート的デザイン》

《非-実体性》

シニフィエ(記号内容)化されたデザイン
《透視立体》『オプティカル・イリュージョンのあるデザイン』
【A級デザイン】

iMac(アイマック)は、1998年に登場した
パーソナルコンピュータMacintosh」の
ディスプレイ一体型デスクトップ機のシリーズ。

アップルに復帰したスティーブ・ジョブズが中心となって開発された
iMacのデザインは、インダストリアル・デザインの歴史において
エポックメイキングとなったものです。

15インチCRTを装備した一体型のケース、キーボードマウス
電源ケーブル、モジュラーケーブルにいたるまで半透明という
スタイリッシュで独創的なデザインは、
《超1流》で、しかも《非-実体性》という芸術構造のある、
圧倒的な吸引力のあるものであったのです。

工業製品が、文字通り《透視立体》化することで、
芸術作品にまで上昇してみせたのが、
このiMacであったのです。

ボンダイブルーと呼ばれた印象的なカラーの美しさは、すばらしいものでした。
そしてネーミングのiMacは、商品名に「i」を冠する命名の
嚆矢となったのでした。

◆2◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

建築以外のデザインの歴史で《非-実体性》を持つものを
思い出そうとすると、
もう一つのマッキントッシュに至ります。

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《想像界》の眼で《超次元》のデザイン的エンターテイメント
《象徴界》の眼で《超次元》のデザイン的エンターテイメント
《現実界》の眼で《超次元》のデザイン的エンターテイメント

《想像界》《象徴界》《現実界》の3界をもつ重層的なデザイン
気体/液体/固体/絶対零度の4様態をもつ多層的なデザイン

《シリアスデザイン》《ハイアート的デザイン》

《非-実体性》のあるデザイン

シニフィエ(記号内容)化したデザイン

《透視立体》『オプティカル・イリュージョン的デザイン』
【A級デザイン】


チャールズ・レニー・マッキントッシュ1868年〜 1928年)は、
スコットランド建築家デザイナー画家です
幼少の頃より足と目に障害を持っていた人です。

アーツ・アンド・クラフツ運動の推進者であり、
スコットランドにおけるアール・ヌーヴォーの提唱者の
一人でもあるのですが、
簡単に言うと、彼のデザインは評価されず、不遇で死んでいます。

今日のマッキントッシュのハイバックチェアに対する評価からすると
この不幸な人生は、まったく意外なものなのです。

マッキントッシュは、芸術家集団「4人組」を結成し、
グラスゴー派とよばれた芸術運動を展開しますが、
その幻想的な曲線装飾は、
「奇妙な装飾の病」として、非難されるのです。
しかしグラスゴー派の影響は、
画家グスタフ・クリムトらのウィーン分離派に引き継がれて行きました。

マッキントッシュの残した作品のなかでも、
ハイバックチェアは、ずば抜けて成功した作品ですが、
その中心的な魅力は、新奇性と、そして《非-実体性》にあると
思います。

◆3◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

佐藤 可士和のデザインの大きな魅力も、
《非-実体性》のあるデザインという所にあります。

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《想像界》の眼で《第6次元》のデザイン的エンターテイメント
《象徴界》の眼で《第6次元》のデザイン的エンターテイメント
《現実界》の眼で《第6次元》のデザイン的エンターテイメント

《現実界》のデザイン。
気体デザイン。

《非-実体性》のあるデザイン。

《気晴らしアート》《ローアート》
シニフィエ(記号内容)化したデザイン。
《原始立体》『ペンキ絵』的デザイン
【B級デザイン】

《第6次元》の《現実界》のデザインでありながら、
《非-実体性》を持っているというのは、
類例を思い出せないユニークなものなのです。

近代デザインにおいて、
《第6次元》のデザインの代表の1人は、
ミース・ファン・デル・ローエですが、彼の有名な
バルセロナチェアですが、これは実体的です。

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《想像界》の眼で《第6次元》のデザイン的エンターテイメント
《象徴界》の眼で《第6次元》のデザイン的エンターテイメント
《現実界》の眼で《第6次元》のデザイン的エンターテイメント

《想像界》のデザイン。
液体デザイン。

実体的デザイン

《シリアスデザイン》《ローアート》的デザイン
シニフィアン(記号表現)のデザイン。
《原始立体》、『ペンキ絵』的デザイン、
【B級デザイン】

ミース・ファン・デル・ローエが尊敬されているのは、
《シリアスデザイン》であるからではないかと思いますが、
そのデザインは実体的です。
つまり椅子の人が座る空間部分のフォルムを
作り出しているのではなくて、
椅子の実体的な部分だけに意識がして作られているのです。

建築が代表的なものですが、
空間があって、空虚な何も無い広がりがあるから、
建築は成立しています。
この空虚性を形成して行こうと言う意識が高いと、
建築は《非-実体性》を獲得できるのです。

椅子も同様であって、空虚なスペースがあるから、
人はそこに座われるので、この空虚な場所こそが、
椅子の重要性なのです。
ル・コルビジェの椅子には、この空虚を意識した《非-実体性》が
あります。

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《想像界》の眼で《超次元》の《真性の芸術》
《象徴界》の眼で《超次元》の《真性の芸術》
《現実界》の眼で《超次元》の《真性の芸術》

《想像界》《象徴界》《現実界》の3界をもつ重層的なデザイン
気体/液体/固体/絶対零度の4様態をもつ多層的なデザイン

《シリアスデザイン》、《ハイアート》的デザイン

シニフィアン(記号表現)のデザイン
《透視立体》『オプティカル・イリュージョン』的デザイン
【A級デザイン】

椅子の上の空虚な空間のフォルムが意識的に形成されているが故に
《非-実体性》があるのです。
芸術を成立させる要件は多くて、8個以上ありますが、
その中の重要な性格の一つが、この《非-実体性》なのです。

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佐藤 可士和のデザインに起きていること(2)(修正1加筆1) [《第6次元》研究]


《第6次元》そのものは、自然領域です。
そこには抑圧がないので、
ストレートに人に分かるのです。
そのために、日本の現代アートでも《第6次元》のものが
ほとんどです。

先日のアートフェア東京でも、《第6次元》《第8次元》のものばかりで、
困ったものであると思いました。
食べ物で言えば、吉野屋の牛丼が《第6次元》です。
すき屋の牛丼やカレーが《第8次元》です。

佐藤 可士和のデザインも《第6次元》ですから、
そういう意味では吉野屋の牛丼のレベルのデザイナーであると言えます。
それは例えば佐藤 可士和のデザインしたスーツが、《6流》の《第6次元》で、
アルマーニのスーツが《超1流》の《超次元》であるという、
そういう次元の差としてあります。

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佐藤 可士和               アルマーニ
《想像界》の眼で《第6次元》のデザイン《想像界》の眼で《超次元》の《真性の芸術》
《象徴界》の眼で《第6次元》のデザイン《象徴界》の眼で超次元》の《真性の芸術》
現実界》の眼で《第6次元》のデザイン《現実界》の眼で《超次元》の《真性の芸術》

《現実界》のデザイン        《象徴界》のデザイン
気体デザイン            気体デザイン

《気晴らしデザイン》         《シリアスデザイン》
《ローアート的デザイン》       
《ハイアート的デザイン》


シニフィエ(記号内容)のデザイン   シニフィアン(記号表現)のデザイン

《原始デザイン》           《透視デザイン》
『ペンキ絵的デザイン』        オプティカル・イリュージョン的デザイン
【B級デザイン】                                            【A級デザイン】


こう比べてみると、
世界は単純に上流と下流に分かれていて、
デザインにしても上流デザインと下流デザインがあるだけだという事の
ように見えます。

スーツのデザインにしても、
アルマーニのような上流デザインは、3界とも《真性の芸術》に
なっているのです。
つまり上流には《真性の芸術》があって、

下流にはデザイン的エンターテイメントがあるということなのです。

もちろん下流にも、B級グルメのような《真性の芸術》の世界が
あります。
前に書いた吉祥寺のカッパという焼き鳥屋は《8流》の《真性の芸術》
でした。
昨日、彦坂敏昭さんと行ったラーメンショップという店も、
《8流》の《真性の芸術》です。

しかし大きく上流と下流に分けて、
上流に《超次元》の《真性の芸術》があって、
下流に《第6次元》のデザイン的エンターテイメントがあると、
2分して考えて、良いように思います。

なぜなら、下流のB級グルメに代表される《真性の芸術》というのは、
下流のメインストリームではないのです。

現代アートでも、
でずから《第6次元》のデザイン的エンターテイメントの美術作品が
溢れているのは、下流美術だからです。
そして本来は、下流美術は安い値段のはずなのです。

上流と下流の値段差は、
しかしスーツで見る限り、それほどの差があるわけではありません。
アルマーニの上に掲げたスーツが、79,500円。
もちろん、アルマーニですからもっと高いものもあります。
佐藤 可士和のスーツが、29,400円

中国現代美術や、村上隆、
そして多くの青田買いされた若いアーティストの値段が、
高くなったのは、こういう意味で言うとおかしい現象だったのです。

つまりこれらは下流美術であったのですが、
それが上流美術の値段になって行ったというのが、
サブプライムローンを軸とするアメリカの過剰消費の時代の
倒錯した価値世界であったのではないでしょうか?

こういうことを考える必要があるのは、
一つは、美術作品の値段設定の問題だからです。

つまり佐藤 可士和のデザインそのものは、
下流デザインの革新化であって、
大衆デザインの領域での新しいヒーローであって、
上流デザインのデザイナーではないのです。

しかしだからこそ、
下流文化そのものの変容を象徴しているデザイナーであると言えます。



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佐藤 可士和のデザインに起きていること [《第6次元》研究]

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私自身は、《第6次元》の領域を否定して来ているので、
再度、勉強してみようというカテゴリーを始めます。

《第6次元》というのは、自然領域ですが、
今回、まずチェックして行きたいのは、
《第6次元》の新しいデザイナーの仕事です。

まずは、先日原宿のユニクロを見に行ったので、
佐藤 可士和のデザインの入門編です。

軽く、まず、その特徴を芸術分析して行きます。

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《想像界》の眼で《第6次元》のデザイン的エンターテイメント
《象徴界》の眼で《第6次元》のデザイン的エンターテイメント
《現実界》の眼で《第6次元》のデザイン的エンターテイメント


ここまでは、いままでのモダンデザインと同じです。


《現実界》のデザイン

これは携帯のデザインですから、インダストリアルデザインです。
インダストリデザインとして、現実界》のデザインというのは
新しいのです。

インダストリデザインを始めたのは1920年代のレイモンド・ローウィ
ですが、この人はフランス人で、アメリカで活躍しました。
このデザインが、《想像界》のデザインなのです。

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《想像界》の眼で《第6次元》のデザイン的エンターテイメント
《象徴界》の眼で《第6次元》のデザイン的エンターテイメント
《現実界》の眼で《第6次元》のデザイン的エンターテイメント
《想像界》のデザイン
液体美術のデザイン
シニフィアン(記号表現)のデザイン


レイモンド・ローウィのこうした流線型のデザインが、
《想像界》のデザインであるということが、
産業化社会全体をおおっているのかどうか、
そこまでの研究を私が、まだしていないので、断定はできませんが。
「初めにすべてありきという原則を使えば、とりあえずは、
そのように想定しておいて、良いと思います。

さて、もう一つの佐藤 可士和の仕事を見てみます。

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《想像界》の眼で《第6次元》のデザイン的エンターテイメント
《象徴界》の眼で《第6次元》のデザイン的エンターテイメント
《現実界》の眼で《第6次元》のデザイン的エンターテイメント
《現実界》のデザイン
気体美術のデザイン


気体美術のデザインであると言う意味は、情報化社会の
デザインであると言う事なのですが、
これも過去の有名なデザイナーと比較してみます。
日本のグラフィックデザインをつくった一人が、
亀倉 雄策です。

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《想像界》の眼で《第6次元》のデザイン的エンターテイメント
《象徴界》の眼で《第6次元》のデザイン的エンターテイメント
《現実界》の眼で《第6次元》のデザイン的エンターテイメント
《想像界》のデザイン
液体美術のデザイン
シニフィアン(記号表現)のデザイン

亀倉 雄策のデザインは、同じ《第6次元》であっても、
《想像界》のデザインであり、
液体美術なのです。
さらにはシニフィアン(記号表現)のデザインなのです。

そこが、佐藤 可士和の《現実界》で、気体美術のデザインと
違います。
ですから、佐藤 可士和のデザインは、
シニフィエ(記号内容)のデザインになっているはずです。
比べてみましょう。

亀倉佐藤 可士和.jpg

同じ様な幾何学的なパターンデザインで、
同じ《第6次元》のデザインなのですが、
シニフィエ(記号内容)化を、佐藤 可士和のデザインは
しています。

だから軽いのと、見る人の脳に直接飛び込んでくる。

《第6次元》のデザインが、
こうして、産業化社会の特徴であった、

《想像界》のデザイン
液体美術、
シニフィアン(記号表現)のデザインという性格を、
変える事になったのです。

情報化社会の佐藤 可士和のデザインは、
《現実界》のデザインであり、
気体美術であり、
シニフィエ(記号内容)のデザインなのです。

同じ《第6次元》の領域のデザインでありながら、
この様な性格変化が起きているのです。

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